σ(^^が住んでいる京都府内、「南高北低」と言われる都市部の話です。
産経新聞にこんな記事が出てました。
「南署の機能 丸ごと東寺へ 異例の大規模訓練に密着 京都」
京都府南部に大地震が起きて、
耐震不足で建て替え予定という京都府警南警察署の庁舎が壊れて使い物にならなくなり、
その機能をまるまる移転させる訓練をしましたよというものです。
この記事を読むだけなら、なるほど、そういう訓練も有りだねと思ってしまうのですが。
耐震性に乏しい庁舎が使用不能になるほどの大地震。
多分、震度6弱ぐらいを想定しているのでしょうか。
署員が寄って集って、機能移転に必要な何やかんやを運び出すという訓練。
ところがよくよく考えてみると、ものすごくナンセンスなことに気がつきます。
庁舎機能が失われるほどの揺れ。
耐震性が低いということは、弱い揺れでもあっさりと使い物にならなくなる可能性があります。
強い揺れだとしたら、機能喪失どころか倒壊の危険が高く、
人を中に入れるなんて事はさせられないでしょう。
しばらく続くであろう余震の合間を縫って、
いつ崩れ落ちるかも知れない庁舎の中に署員を飛び込ませ、必要なものをかき集める。
いくら命令至上の警察とは言え、そんな命令を出せるものかしら?
当然ですが、庁舎内は「ぐっちゃぐちゃ」でしょうよ。
必要なものを運び出す前に、どこに何が有るかを探さなくてはならないでしょうし、
そもそも、台車を使って悠々と運び出せるはずもないでしょう。
それに、平日昼間の被災ならまだしも、休日や夜間だったらどうするの?
そんな大災害の中、署員が誰ひとり欠けることなく、速やかな参集が出来るとお思い?
どこの防災訓練でも共通して言えることですが、
前提が甘すぎる!(^^;
うちの職場の訓練など、消防署の人に「遊んでんのか?ナメてんのか??ああ???」とまで言わせました♪
こんな訓練が生きる状況が有るとするならば....
この耐震性の乏しい庁舎が立入禁止になるほどの壊れ方はせず、
署員がほぼ全員無事に参集し速やかに指揮系統が復元され、
移転先の寺には(停電がなく)電源が確保されていて、
資材の移動が可能な程度に道路の損壊がなく、
液状化現象も発生せず、
交通パニックは発生せず....
つまり、そんなに大きな地震ではなかったという状況でのみ、
役に立つ訓練ではないでしょうかねぇ....
つまりは、「無意味」って事ではないですか???(^^
もっともっと大きく激しい災害に見舞われたとしても、
それをいなすぐらいの覚悟で防災訓練をすべきでは???
たとえ、何にも出来ない状況に陥ったとしても、です。
え?
訓練する意味が無くなるほどの大災害だったら、そもそも訓練自体が要らない?
そうかもですが....
自治体や警察といった公的機関がそんな簡単に「防災」を諦めたら、
誰が「公助」を担うんですか?
「自助」、「共助」で「その時」を凌ぎきった、
あるいは凌ぎきれずに助けを待つ住民を、
誰が助けるんですか?
もし、σ(^^が京都府警察本部長なら、こう指示を出します。
「新庁舎の完成まで、
庁舎近くに移転のための必要な空間を確保し、
予備用通信機器、非常用電源を設置しておくこと。
その上で、次の条件を満たすよう訓練計画を策定すること。
ひとつ。
非常時であり、署員の多数が参集不能という想定も踏まえ、
最小限の員数においても指揮系統が確保されること。
ふたつ。
銃器等重要物品全てを3分以内に適切に搬出、並びに、
8分以内に移転先にて完全かつ安全に保管されること。
みっつ。
最短時間にて最大限の機能移転の完了を想定のこと。
当該計画においては、
交通、通信、電力等各インフラ不全並びに、
液状化現象の発生等、最悪の道路事情という前提のもと、
速やかな府警本部との通信手段確保、並びに、
京都府、京都市他各市町村及び自衛隊駐屯地とも
可能な限り早期の連絡手段開通を盛り込むこと。
状況は前代未聞かつ最悪を想定すべし。
住民保護の観点からも、
警察組織が機能不全に陥るなど、言語道断である。
地域の安心・安全は平時のみならず、
有事においても確保されるべき至上命題であり、
行政機関と連携すべき公助活動においては....以下略(怒)」
なんかね、期待するだけ無駄そうだからここらでやめます(^^
南署については、新庁舎完成まで大地震が来ないことを、みんなで祈りましょうね♪
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