一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2015年2月17日火曜日

ちょー気持ちいい!....

すぐ後ろから肉食獣に追われる経験、みな様にはありますか?

もちろん、σ(^^;にもありません。


でも、チャンピオンチップDay2、回転(SL)2本目の前は、

ちょうどそんな感覚に襲われていました。


襲いかかってくるのは、押しも押されぬパラリンピアン、高村俊彦選手と長谷川順一選手。

特に高村選手は、σ(^^が生まれる頃からスキーをしていたはずで、

チェアスキーキャリアで言っても、σ(^^;なんか「子供」のようなものです。


リレハンメル大会ではSLで銅メダルを獲得するなど、

その軌跡は実に輝かしいものとなっています。


そんな選手のすぐ前にいるんて、

「どうぞ食べちゃってください」と言わんばかりの状況な訳です(^^;

インスペクションの時から「負けられない戦い」が始まっていました。


σ(^^のインスペクションの方法は、まず誰よりも早く コースに入る。

そして、誰もいない雪上を止まらずに滑り降りて、「流れる光景」を記憶するというものです。


まあ、リズム変化のところだけは一旦停止しますが、

センターラインの方向と、それを見越した進入ラインが確認出来れば、

オープンゲートが続く区間にはあまり用はありません。


こんなスタイルでインスペクションをしているものですから、

「誰よりも早くコースへ入る」というのは生命線なのです。

この2本目も、同じようにスタート脇でその時を待っていました。


オフィシャルの無線に耳をそばだてて、会場アナウンスが伝わるより早くコースイン。

σ(^^のレースの流れは、ほぼ完璧に進んでいました。


無線がインスペクション開始を告げます。

コースに降りようとしたまさにその時!


「ろぼ?~~~でいいのかい?」

背中から純也さんの声。でも、よく聞き取れない(^^;

「なんだって?」

「いや、~~~だから、どうなのかなぁって」

「何だって???(半怒)」

「あ、コース入ってもいいらしいよ」


ぶちぃっ!!!

頭の中で何かが切れる音がしました(^^;

コースに視線を戻すと、すでに十何人かが渋滞を作り始めていました。


「やられた....」

σ(^^;のリズムはこうして狂い始めました。


この渋滞の中に入っていくのはあまりにも愚かです。

十分にリズムを作れるインスペクションが行えるようになるまで、

その場をやり過ごすこととしました。


いつもは真っ先に入るから気にしませんでしたが、

インスペクションでは「ゆっくりさん」な選手の多いこと(^^;

早く入って欲しいのに、いつまでもスタート脇にいる人、人、人....


仕方がないからそろそろ行こうかと思った矢先に、

ひとり、またひとり、ポツポツとコースイン。


まあ、5分もあれば終わるσ(^^のインスペクションです。

終了時間ぎりぎりまで待つことにしました。

それにしても純也のヤツめ....(^^;


2本目はリズム変化が少なくなっていました。

スタート~ヘアピン~ディレード(ツーゲート)~ヘアピン~ストレート~ヘアピン~フィニッシュ。

ヘアピンがひとつ少ないのです。


ゲート数44、ターン数43、対標高差30.7%ですから、

「ふつー」よりも「楽」なコース設定です(^^


後から聞いた話ですけども、コースセッターの方はこうおっしゃっていたそうです。

「チェアの方は、ストレートなどが苦手なようですから、ヘアピンをひとつ減らしました」

んー....なんだか複雑な気分です(^^;


でも、リズム変化がひとつ少なくなったことは、

タイム差がつきにくくなったということですからね。

逃げる立場で言えばありがたい話。


σ(^^;が転ける可能性も少なくなったということですし♪ナンテショウキョクテキナ(^^;


何はともあれ、無事にインスペクションも終了しました。


2本目のスタート順ですが、クラス順ではチェアスキーが最後。

さらに、1本目の順位を逆転させて2本目は出走します。


つまりσ(^^は最後尾、大トリ!


気持ちいい?

いやいや、待つのは大嫌いです(^^;

スタート前は、「早く走らせろい!」と不機嫌になるのがσ(^^。

最後の最後なんて、やなこったい♪シカタガナイコトデスケドネ....


悪いことがもうひとつ。

σ(^^の左足は義足なのですが、

義足のソケット(お肉を詰め込んでいる部分)の縁がお肉と強く擦れ合わさって、

激痛を生んでいました。


一度チェアから降りて座り直せばいいのですが、

シートのフィーリングが変わってしまうことがイヤで、

そして、座り直すのに5分ぐらいかかってしまうので、

そのままスタートまで待つことに。


おしりをもぞもぞさせて少し痛みをごまかして、

でもしばらくすればまたズキズキ....

何とかごまかして、進んでいく順番を待ちます。


いよいよあと3人。


長谷川選手がスタート。

長谷川選手はLW10-2というクラスで、障害の状態は重い方です。

当然、体の自由度はありません。


にもかかわらず、何とも速く美しいラインで降りていきました。

....本気でひっくり返そうとしているなぁ(^^;


そして高村選手。

スタート前に茶化して、相手の集中力を切らせるということをする人もいるようですが、

σ(^^がそれをしたら、たぶんグーでぶん殴られます。

ここはおとなしく、暖かくスタートを見送っとこ♪


高村選手が3旗門目を「逆手」でなぎ払ったのを見て、σ(^^はスタートバーの前に。

コース上に誰もいなくなった時、σ(^^の耳から雑音が消え、痛みも感じなくなりました。


お?

「入った」な(^^


自分で「ゾーン」に入ったことが感じ取れました。

こうなれば、あとは体が勝手に滑っていくので、

σ(^^は「まるで観客のように」楽しむことが出来ます。

いつもいつもこうだといいのですけどね♪


いよいよスタート!のその時、スタートストップがかかります。

なんてこったい!

繋がった気持ちがここでも切られてしまいました(^^;


なにがあった???

「高村選手、OUT!」

無線から伝えられる情報。


いつもなら、追いかけてくる獣がいなくなって安心するところですが、

そんなことより、一度切れた気持ちをつなぎ直すことに集中しました。

アルペンレースでは、ライバルは他の選手ではなく、自分自身だからです。


....大きく深呼吸、スタートの仕切り直し。

もう一度、コースレイアウトを思い返す。

頭の中には、すでにできあがったイメージが浮かび上がる。

そのラインをトレースするかのように愛機を送り出す。


ファーストターン。

ターンインの時、すでに視線は2、3旗門目を見ている。


ポールが体に当たる。

跳ね返ったポールは雪面を叩く。

足やヒザが叩かれないのは、いい角度で進入している、「乗れている」証拠だ。


最初のヘアピン。

すでにポールを弾く感覚すらない。

まるでゲームの画面を眺めるようだ。


ことさらセンターラインを意識することもない。

リズム変化のセクションに繋がるライン。

オートマチックにスキーがトレースしていく。


ストレートをくぐり抜け、センターラインが方向を変えるあと1カ所。

真っ白な意識の中、体だけが別の生き物のようにスキーを操っていく。


接地感すらない。

「浮揚感」。


非日常の違和感の中、最後のゲートだけは優しくタッチした。

フィニッシュラインを通過した瞬間、すでに右腕は天高く突き上っていた....


なんか、陳腐な表現ですなぁ(^^;

「ゾーン」を何回かは経験したことがあるんですが、どうにも文字にしづらい感覚で。

どんな感じに滑っていたのかお伝え出来ていればいいんですが♪


最終のリザルトが出て驚いたのは、2本目、長谷川選手と同タイムだったこと。

「本気で巻き返しにいったけど、あれが限界だったわ(笑)」

長谷川選手のコメントは、たぶん謙遜だろうけども、嬉しいものでした(^^


「でも、1/100秒でも勝ててないと負けたのと一緒だな(笑)」

レーサーの本音としてはそうだろうなぁ....

σ(^^も、実は同タイムは気持ち悪いのです♪


また、協会の役員の方からはこんな言葉も頂きました。

「滑走日数が少なくっても、絶対に錆びるなよ」

もちろん♪山頂ではないにしても、

あとから来る登山者のために道標にはなっていたいですからね(^^


このあとは、慌てて荷造り、慌てて昼食。

昨日とは違う堂々の表彰式。


そして、あわてて帰路につきました。

帰宅は2100時。

無事に遠足は終了です♪


では次回は、チャンピオンチップ連載最終回

「トリノモデル+オーリンズにおける『ろぼ仕様』の一考察」マダツヅクノカヨ....

1 件のコメント:

  1. ギン、遠山・遊び人の金2015年2月18日 9:27

    チャンピオンシップお疲れ様でした。
    すばらしい滑りを見せて頂きありがとうございました!!
    まさかデビュー戦でご一緒できるとは思いませんでした^^;
    人見知りでして・・・きちんと挨拶もせずすみません。

    今回、ろぼさんや往年の名プレイヤー達の滑りを見てよい道標になりました!
    また、ご一緒できる時がありましたら宜しくお願い致します。

    インスペ最後までスタート脇にいてすみませんでした・・・m(_ _)m



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コメント、ありがとうございます。