一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2014年3月8日土曜日

金と銅!おめでとう!!....

何はともあれ!


狩野選手!

そして、鈴木選手!

本当におめでとうございました!!(^^


ソチパラリンピックのDownHill(滑降:DH)レースが終わりました!

恥ずかしながら、初めて障害者アルペンスキーの海外レースを、

始めから終わりまで見ることが出来ました!

スカパー!さん、ありがとうございます(^^


ジャパンシッティングチームは、明暗が分かれましたねぇ。

狩野選手は、絶対に「誰にも」抜かれない走り方をしましたし、

鈴木選手は、雪質やらなんやかんやを完全にコントロールしていました。

素晴らしい!という以外に言葉を知りません(^^


一方、実に惜しかったのは森井選手と夏目選手。

ふたりは、まったくといっていいほど同じ原因で、

DidNotFinished(途中棄権:DF)になったような気がします。


もしかしたら、真相はまったく違うことなのかも知れませんが、

σ(^^;はそんな風に見ました。

この辺りの詳しいことは、月曜日の「あさイチ」でお話ししようかと思います♪


おっと、「あさイチ」と言えば、コメントを頂いていたのでした(^^

ご紹介、遅くなって申し訳ありません!
------------------------
3月4日(火):「あさイチ放送スケジュール!....」

tohtah様のコメント

「情報感謝です。がんばって録画予約します。
 有働さんは優しい人です、多分。
 お会いしたことはありませんが。。。(^^;;;)」


ありがとうございました!

ところで、もしかしたら....
有働アナとσ(^^;との絡みが....
どうぞ、当日の放送をお楽しみに♪
------------------------

ところで、メダルの予想というものは、難しいものですなぁ(^^;

前回の投稿ではこんな事を書いていましたが、

いい方向に外れてしまい、嬉しいやら悲しいやら(^^

本当に3連単は、当てにくいものです♪


で、明日のSuper-G(スーパー大回転:SG)はどうなの?というとですね。


いいですか?

なんの根拠もないですよ?

昨日みたいに、石を投げないでくださいよ(^^;


男子Sitting(チェアスキー)クラス

優勝 森井大輝選手
 2位 鈴木猛史選手
 3位 狩野亮選手


多分、「独占」しちゃいますよ!

σ(^^の大雑把で狂いのない計算に間違いがなければ♪


てことで、明日は速いのでそこそこにしてお休みなさい!

いよいよ、あすは「お上りさん初日」(^^

決戦前夜....

まあ、「決戦」は連日続くわけで、だとすると「前夜」も毎晩のことか(^^;


ソチパラリンピック、いよいよ始まります!

開会式まで、あとわずか!(現在、日本時間2340時)

もう、楽しみでワクワクでウキウキでグビグビでプハァーで(^^プハーッテナニ?....


純粋にオーディエンスであるならば、

TVの前で「うきゃーっ!」としていればいいのですが、

今回のパラはいろいろとありまして、そんな気楽に見るわけにもいかず....(^^


あまり報道はされていませんが、

一応、「決戦前夜」という事で書いてみますね♪


明日8日に開催予定の、アルペンDownHill(滑降:DH)。

先だって行われたTrainingRun(公式練習)は、

Day-2の5日、鈴木選手がトップタイムをマークしたそうです。(ググれば出ます)

Day-1の6日、鈴木選手が2位、狩野選手が3位でした。(ググれば出ます)

Day0の今日(7日)、雪の状況が悪いため、キャンセル!(現地情報です)

さて、「ソチ」Day1の明日、どんなレースになりますやら♪


あらかじめお断りしておきます。

日曜日は、朝早くから東京行きのため、「観戦記」に手を付けられません(^^;

ライブ中継があるので、臨場感たっぷりなレース模様をお楽しみ下さい♪

....「観戦記」、きちんと書いていけるかなぁ。


で、「罪滅ぼし」と言うわけではないですが、

DHのレース展望などを書いてみようかしら。

その前に....


「オリンピック/パラリンピック」で、メダルのみに注目するのは、

「憲章」に反しちゃいないかい?(^^;

そもそもが、「競技結果」は二の次というところから始まっている大会です。

金がいくつだ、銀がいくつだなどと、「精神」に反するというものではなかろうか!!!(^^


....ご託はこのぐらいにしましょうか。

これから書くことは、これっぽっちも「他意」はありません。

σ(^^;の「妄想」から来る、「無責任な観客の戯言」です。

お読みになるに当たって、どうかご了承ください。


特に、ご関係の方々や、熱烈なファンの方々には、

お気に障る書き方をするかも知れません。

「イラッ」とされる可能性のある方は、ここでウィンドウを閉じてください(^^;


さて、明日のDHのメダル予想!


本来なら....

1位 狩野亮選手

というところが順当でしょうか。

「高速系エース」ですものね♪


2位か3位に森井大輝選手というのも手堅い話。

どこをどう切っても、やはり「最強」には違いありません。


さて、いろんな情報を集めてみると、

どうもそんな単純な事でもないようなんです。


まずは、Day-2、TrainingRun1。

天候 Cloudy 

気温 スタート地点+2.6℃ フィニッシュ地点+5.3℃

雪質 「Wet」

これは、リザルトを見せて頂いたので間違いありません。
            (あるスジから画像を頂きました^^)


「Wet」って何???(^^;

雪ですよ?雪!

絞ったら、水がぼたぼたとしたたり落ちるの?

そんな雪じゃ、スノーセメントだって効果ないですな(^^;


気温も、+15℃とか言っているメディアもあるし。

で、ふたを開けてみると、Day-2は鈴木選手がラップ(トップタイム)。


雪面が荒れれば荒れるほど、障害の軽度なLW12-2もしくは1が、

優位なボディバランスをフルに使って活躍するのではないかと考えます。


Day-1のリザルトは入手出来ていません(^^;

ラップが何処の外国人選手なのかさっぱり....


で、DH当日(Day1)のソチの天気予想。

曇り時々晴れ!

現地時間8日の最高気温18℃、湿度57%


ローザ・フートル・アルペンセンターのDHスタート地点では、

単純計算で、最高+9℃が予想出来ます。


Day-2を終えて、森井選手は言いました。

「まるで、F1マシンでモトクロスを走るようなもの」

そんなの....「アルペン」じゃないよね???(^^;


で、グッサグサボッコボコの雪面でのレース。

誰が、勝んでい?誰が、カッコつけんでい?


σ(^^;の大胆予想!

DH優勝 DUECK Josh選手(CAN)
   2位 鈴木猛史選手
   3位 夏目堅司選手


....やめてください!石は投げないでください!

くだらない戯言に「マジ」にならないでください!(^^;

なぜこうなったかなんて、当てずっぽうです!


いろいろと思うところはありましたが、何となくこんな感じで考えました。

明日の夕方には答えが出ますね(^^

楽しみです!!!

あ!開会式がはじまるぅっっっ!!!(^^;

2014年3月6日木曜日

ワールドカップラストラン:20140226TarvisioSC(SL)....

いよいよ、この、

「山本新之介のワールドカップをまるで見てきたような観戦記」も、

とうとう最後の投稿になりました(^^


いよいよ、ようやく、まもなく、「ソチ」が始まろうとしているにもかかわらず、

いまだにσ(^^;は、イタリアはTarvisioにいます♪


前回に引き続きTarvisio大会の最終日、

SuperCombi(スーパー複合:SC)レースの模様をお伝えします。

前回は1本目のSuper-G(スーパー大回転:SG)について書きました。

今回はその2本目、Slalom(回転SL)です。
 (リザルトをお手元にどうぞ♪ 女子 男子


使用するコースはDownHill(滑降:DH)レースから通して、

同じDi Pramperoコースを使用しております。


SLはスタート位置の標高を下げて、規程の標高差になるようにコース設定がされました。

スタート標高960m、フィニッシュ標高820m、標高差140m。

緩斜面主体のレースバーンというのは変わりませんね。


天候は曇り。

気温はスタート地点で-2℃、フィニッシュ地点は0℃と暖かいコンディションです。

雪質が「Hard」なのが、まだ救いでしょうか?


ワールドカップファイナルの最終レースの2本目のSL、

大トリを勤めるコースセッターは、我らがジャパンチームのコーチ、切久保豊さま♪

ゲート数41、ターン数39。

ジャパンチームのみんなには、馴染みきったセットのクセを最大限に利用し、

最高のフィナーレを迎えて欲しいものです(^^


では、1本目SGの結果を受けた、2本目のスタートリストを見てみましょう!


女子Sitting(チェアスキー)クラス

1番目 村岡桃佳選手

男子Standing(立位)クラス

8番目 三澤拓選手

男子Sittingクラス

 6番目 鈴木猛史選手
 9番目 夏目堅司選手
10番目 森井大輝選手
11番目 狩野亮選手  という順番です!


おっと、そうこうしているうちにレースが始まっています。

VisuallyImpaired(視覚障害:VI)クラスが終わり、Standingクラスがコースイン。

村岡選手もスタートハウスの中へ入っていきました。

では、ジャパンチームの滑りを注目していきましょう!


....果てしなく、なだらかな斜面が続くこのコース。

SGでは悩まされた村岡選手だったが、SLでは逆に、優しい「先生」のような安心感を感じる。

ラインの取り方、ポールへの当たり方、リズム変化への対応。

SLでの経験が少なく、ありとあらゆる事を吸収している真っ最中の彼女にとって、

緩斜面のSLは最高のトレーニングとなる。


ターンのひとつひとつを丁寧にクリアしていくことは、

スポンジが水を含んでいくように、彼女の貴重な経験になっていく。

「代表」という肩書きに囚われすぎていたが、彼女の、「本当の本番」は「ソチ後」だ。

焦ることなく、しっかりとレースを終えた。


得意なスラロームに勝負の舞台を移した。

三澤選手のボルテージは上がっている。

大きくジャンプアップを目論んでのスタートだったが、攻めすぎた。

ラインもスピードも、自身のイメージを表現する事は出来なかった。

悔しい結果に終わる。


待ちに待ったSLの時間。

鈴木選手は、これまでの鬱憤を全てスタートバーにぶつけた。


Sittingクラスが始まり、SGでは低迷していた選手たちが好タイムを連発していた。

しかし、その程度のタイムでは、猛りきった鈴木選手を止めることは出来ない。

誰も想像をなしえなかった38秒台。

鈴木選手がSLを走る時、世界は沈黙する。


「誰だ?SuzukiはSGで終わったなどと言ったのは?」

鈴木選手のタイムを耳にした外国勢は動揺する。

続くWALKER Tyler選手(USA)、OATWAY Kurt選手(CAN)は焦りからかミスを連発。

失ったリズムを取り戻すことなくコース外へ消えていった。


チャンスが巡ってきた。

夏目選手は高揚の中でスタートする。

1本目4位。

これほどの好位置で2本目を迎えることは今までになかった。


ワールドカップ初表彰台。

夢のひとつが目と鼻の先にあった。


軽やかにゲートをクリアしていく。

ラインが見えている。

コース全体が手に取るようにわかる。

ポールが体に当たる衝撃が強くなる。

ターンスピードが上がっている証拠だ。


その加速は止まらない。

ターンリズムの周波数が高まる。

最高のラインを描いていたスキー板が、そのリズムに追われ始めた。


徐々に溢れてくる。

ゲートから離れていく。

タイムロスを伴う大きなリカバリーは出来ない。


ラインの修正をしながら、なおかつ攻める。

夏目選手は咄嗟にそう判断したが、

次の瞬間、遠心力は彼をチェアスキーごと雪面から引きはがし、万事を休させた。


森井選手には、SLで新たなテストカリキュラムを組んでいた。


アルペン競技には5種目があるとは言え、

SLを捨てるということは2種目を諦めることに他ならない。

SLが最も難しいと考えていた彼だが、

5種目全てを制覇するためには、SLでも互角以上に戦う必要があるのだ。

そのために、新たなテストパーツを用意していた。


1本目、鈴木選手とは 1.26秒のマージンを得たが、

2本目は鈴木選手が別次元のタイムで滑り降りている。

その前には、少々のマージンなど意味をなさない。


はたして、テストする装備の有効性はどうだ?手応えはあったはずだ。

しかし、「森井大輝」というパッケージに加えられるほども使いこなせなかった。

リーダーズボードの表示を見ながら彼は、

「ソチ」まであとどのぐらいのテストトレーニングが必要かを逆算する。


狩野選手はトップスラローマーではない。

それは自身も認めている。

しかし、SLを捨てる訳にはいかない理由は森井選手と同様。

勝負を捨てるということはアスリートとして死ぬことと同義だ。


DUECK Josh選手(CAN)とのビハインドは0.85秒。

距離にして8m程度後方にいる計算になる。


小さな差ではない。

綱渡りのようなランが始まった。


1ターンあたり、約20cmずつ差を詰める。

理屈では成り立つ計算だが、実際のターゲットは背後に控えている。


気配。

感じる。

見られている。

手の内をさらけ出しているようなものだ。


プレッシャー。

受けているのか与えているのか。

フィニッシュラインを跨ぐ時、DUECK選手は既にスタートしている。


39秒台。

鈴木選手に次ぐ好タイムもライバルの耳には入らない。

心理戦の局面は終わっていた。


振り返り斜面を仰ぎ見た時、

自身のゴーストがライバルから離されているのが見えた....


これでワールドカップの全レースが終了しました!

ジャパンチームは1本目のSGに続き、

このSCでも2-3-4フィニッシュを飾る事となりました。

ジャパンの層の厚さを誇る素晴らしい結果だと思います。

DUECK選手ひとりにやられちゃったという悔しさは残りますが(^^;


このリベンジは「ソチ」本番、倍返しでお願いします!ツカイフルサレタフレーズダヨナ、コレ....


では、SCの最終結果をおさらいです!

女子Sittingクラス

4位 村岡選手

男子Standingクラス

5位 三澤選手
DidNotFinish(途中棄権:DF) 小池岳太選手

男子Sittingクラス

2位 狩野選手
3位 鈴木選手
4位 森井選手
 DF 夏目選手

以上です!


しかしまあ、緩斜面でのレースというものはこんなに苦労するものなのですねぇ(^^;

急斜面のないレース、きっとσ(^^は嬉々として走りますが、

これだけ難しいと頭の中は「?」が一杯の結果を突きつけられることでしょうね♪


何はともあれこれでようやく、σ(^^も(気持ちは)「ソチ入り」出来ます。

初戦のDHがスタートするまであと2日。

いよいよ始まりますよ!

ああ、ドキドキします(^^


では、「ソチ」でお会いしましょう!

緩斜面には緩斜面の戦い方がある:20140226TarvisioSC(SG)....

はい!いつもながら何周か後れが板に付いている山本新之介です!(^^;

ソチパラリンピックのアルペン競技、

DownHill(滑降:DH)のトレーニングランが始まったようですよ!


あるスジからの速報によれば、

少し意外なあの選手がトップタイムを叩きだしたとか(^^

「ソチ」情報は、おいおい正確なものが入ってくるでしょう!


そして、「周回遅れ」のσ(^^;は、

いまだにワールドカップファイナルのお話を書きます。

「ソチ」の競技が本格的に始まるまでの時間つぶしにお付き合いください♪


さて、「ファイナル」という言葉には、

最後の最後の盛り上がりというニュアンスがありますよね。

そして、いよいよシーズンの終わりが迫っている寂しさも同時に感じます。


障害者アルペンスキーワールドカップファイナルTarvisio大会も最終日を迎えました。

夏(冬?)のニュージーランドから始まった「白いサーカス」もこれで閉幕。

シーズンの終わりを感じさせます。


いつもの年なら、翌日から「来シーズン」が始まる訳ですが、今年はパラリンピックイヤー。

ワールドカップですら、前哨戦です。

もしかしたら「調整」の場でしかありません。

そんなこんなで最後の「調整レース」をどのように戦ったか、見ていきましょう!


この最終日はSuperCombi(スーパー複合:SC)レースが開催されました。

SCとは、高速系種目のSuper-G(スーパー大回転:SG)と、

技術系種目のSlalom(回転:SL)を1本ずつ滑り、

その2本の合計タイムで競われます。


かっ飛ぶだけでもダメ、くるくる回るだけでもダメ。

バランス良くスキー技術を身につけていないと勝てない、とても難しい種目です。

「ソチ」を占うには、うってつけのレースではないでしょうか?(^^


で、最近の傾向として多いのが、

SCでの1本目はSGでも成立させちゃおうよ!という運営です。

そもそも1本勝負のSGですから、

SCの1本目でも単独レースとして成立させちゃってもいいんじゃね?と(^^


ということで、この1本目はSGレースとしても行われます。

このあたりも見どころのひとつです!


で、まずはその1本目のSG。

使用されるコースは昨日までのDHレースと同じDi Pramperoコース。

スタート標高1,290m、フィニッシュ標高820m、標高差470m、コース延長1,780m、

平均斜度15%程度という緩斜面主体のコースプロファイルも同じです。


SGがDHと違うのは、ゲートの数。

ルール上、標高差の7%以上のゲートを立てなくてはなりません。

標高差470m×0.07=32.9ですから、33ゲート以上が必要です。


DHでは「as required(必要に応じて)」というルールなので、

SGはDHと比べてターンの数が多く、より高いターン技術を求められることになります。

かっ飛びながらも、速く鋭いターンをしなければならないのがSGの面白さということです。


そのコースセッターはオーストリアチームのコーチ。

このブログではおなじみのGRAHAM Steve氏(AUS)がお勤めでした(^^

ゲート数35ターン数34。

どんな「戦場」になりましたやら♪


天候は「Mostly cloudy(ほとんど曇り)」、

気温がスタート地点で-2℃、フィニッシュ地点は0℃となっています。

そんなに低い気温ではないのですが、雲が多いと何となく肌寒く感じますねぇ。


ところで、英語って面白いものだとつくづく思うんです。

学術的には雲量が8分の6の時に「Mostly cloudy」というそうですが、

その空模様は、日本だと「晴れ」なんですよね。

で、晴れなのか曇りなのかどっちやねんっ!とツッコミたくなります(^^;


....それはさておき。

このレースは女子Sitting(チェアスキー)クラスの村岡桃佳選手と、

男子Standing(立位)クラスの三澤選手もエントリーしています。


村岡選手はDHのエントリーに必要なポイントを持っていないのでこの日のみのエントリー。

技術系に賭ける三澤選手は、「ソチ」本番でもDHは敢えて回避するそうで、

このTarvisio大会でもSCのみのエントリーということらしいですね。

エントリーが増えると、より賑やかなレースになります(^^


では、1本目SGのスタート順を確認しましょう!


女子のエントリーは6カ国12名。

Sittingクラス
ビブ(ゼッケン)4番 村岡桃佳選手。


男子は9カ国36名。

Standingクラス
23番 小池岳太選手
29番 三澤拓選手

Sittingクラス
39番 鈴木猛史選手
41番 狩野亮選手
43番 森井大輝選手
46番 夏目堅司選手

以上の順にコースへ飛び出します!

さあ、「ソチ前」のラストレース、いよいよ始まりますよ!


....時間の経過と共に高まる緊張。

代表入りの決定を受けてからというもの、とにかく落ち着かない。

村岡選手は帰国中、気が狂いそうになっていた。

周囲の期待に耐えられなくなり、

半ば逃げ出すようにイタリアに来た、というのが正直なところ。


レースに集中するだけでいい遠征中は、気も紛れる。

こうしてスタートバーに向き合っている瞬間は幸せだ。

その小さな体をコースへ投げ出す。


しかし、小さな体ゆえの不利な条件が重なり、

必要なスピードに達することはなかった。

自らの技術以外の要素でレースにならないという無念。

アルペンの厳しさを改めて噛みしめてのフィニッシュとなった。


小池選手には、間違いなく疲労が積み重なっていたのであろう。

DHでの滑走は、彼の膝にとって明らかにオーバーワークだった。

膝が限界を超えた時、体ごとコース外へ投げ出された。


三澤選手。

技術系種目、とくにSLに賭ける思いは人一倍強い。

SLで勝負を駆けられるタイム差でSGを終える。

それが彼の、SCでの戦い方だ。


1本スキーのLW2にとっては、

緩斜面のレースは不利な条件が揃っていたが、

まずまずのタイム差でフィニッシュした。

2本目の巻き返しに期待したい。


鈴木選手のタクティクスも同様。

圧倒的に優位を誇るSLで勝負を仕掛けたい。

しかし、DHと同じく、このコースでの高速系は自身には不向きだと見せつけてしまった。

ライバルたちは、SLでも逃げ切る計算を始めているに違いない。


レースが大きく動き始めたきっかけは狩野選手のラン。

先にフィニッシュしたSittingクラスの3人を大きく突き放す1分9秒台を叩き出した。


そのタイムにDUECK Josh選手(CAN)が反応する。

この1本目はSGの単独レースとしてでも成立する。

なんとしてでも狩野選手を止め、「ソチ」へいい流れを繋ぎたい。

その思いは重力とシンクロし、圧倒的なタイム差でトップに躍り出ることに成功した。


森井選手も、鈴木選手と同様に緩斜面レースでは不利な条件を背負っている。

世界に名を轟かせるオールラウンダーでも苦戦を強いられた。

しかし、狩野選手に次ぐ3番手タイムは面目躍如といったところか。


森井選手から遅れること0.09秒で4番手につけたのは夏目選手。

ターン要素の多いSGで、DHより速いタイムを叩き出した事は、

彼の調子の良さを物語っている....


1本目が終了しました!

まずは順位と、トップとのタイム差を整理しましょう(^^


女子Sittingクラス
4位 村岡選手 9.46秒差

男子Standingクラス
5位 三澤選手 5.07秒差
DidNotFinish(途中棄権:DF) 小池岳太選手

男子Sittingクラス
2位 狩野選手 0.85秒差
3位 森井選手 1.93秒差
4位 夏目選手 2.02秒差
7位 鈴木選手 3.28秒差

以上です!


そして、この順位はSGレースとしても確定しています。

つまり、このSGで、日本人が2-3-4フィニッシュという好成績を叩き出したのです!

おめでとうございます!(^^


さて、こういった緩斜面主体の特殊なレースでは、

スキーの滑走技術とは別の大きな要素が勝敗を分けてしまうことがあります。

レースタイムを分析していくと面白いことがわかるのです。


ご本人には恐縮ですが、村岡選手を例にとって見てみましょう。


村岡選手は最終のタイムこそ振るわなかったように見えますが、

IT1以降は2番タイムを出しているんですよ。

ベテランたちに割って入るスピードで駆け下りました。


で、注目なのはIT1までの中間計時です。

どうしちゃったの?と思える6.54秒差でした。

もしかしたら、本当にどこかでミスしちゃったのかも知れませんが、

σ(^^はそうではなかったと見ています。


つまり、何もミスをしていないのに、

大きくタイムロスをしてしまったのではないかと。

その原因は、彼女の小さな体にあります。


緩斜面主体のコースでは、スタート直後も当然のように緩斜面です。

自由落下の競技である以上、質量によって落下スピードが変わる訳ではありませんが、

慣性や、空気や雪面からの抵抗によって、その速度は大きく影響されます。


イメージしてみましょう。

重い大きな鉄球とパチンコ玉。

同じ重力下で、同時に垂直に落としても、理論上は落下スピードは全く同じです。

では、斜面を転がしてみましょう。

実は転がしても、理論上、重いも軽いも同じスピードで落ちていきます。


これは、摩擦抵抗も空気抵抗も「無視」した時の、物理のお話♪

「~らしいです」という程度にしか理解してませんがσ(^^;


「だったら、村岡選手にとっての不利ってなんぞや!」


転がる鉄球とパチンコ玉だとそんなに違いはないでしょう。

転がっているんですから....


でも、スキーは滑っています。

ワックスでビシバシ仕上げた滑走面でも、「摩擦」はあります。

「摩擦」が同じスキー板、重い人と軽い人がそれぞれ履きます。


重い人の方が、摩擦の抵抗が増えますから、

軽い人の方が摩擦の抵抗も少なくて、速く滑れるんじゃね?

そのとおり。


で、空気抵抗。

重い人のガタイは、大抵は「大きい」でしょう。

軽い人は、「小さい」でしょうね。

単純に言えば、ガタイの「大きい」方が空気抵抗は大きそうです。


空気の中を動くわけです。

ということは、「空気を押しのける」ということ。

押しのける空気の量が大きければその分、空気抵抗も大きい。

「気体の流速」による「粘性」というものもありそうです。

これも、「小さい」方が速く滑れそうですよね。


で、ここで重要なのは「慣性」の法則です。

「エネルギー保存」の法則です。


100kgの体重の人が真っ直ぐ滑る降りた時と、

50kgの体重の人が真っ直ぐ滑る降りた時を比べます。


100kgの物体を動かすエネルギーは、

50kgの物体を動かすエネルギーよりも大きい。

つまり、「エネルギー保存」の法則により、

100kgの物体を動かす「大きな」エネルギーが「保存」されます。


空気抵抗や摩擦抵抗に違いがあったとしても、

そもそものエネルギーの大きさが違うわけですから、

大きなエネルギーを持っている方が、その力、スピードを維持します。


つまり、体の大きな選手の方が、そのエネルギーを維持出来るというわけです。

そしてそれは、空気抵抗や摩擦抵抗に差があったとしても、

それらの抵抗の影響を上回る程のスピードを得られるということ。


こう考えると、村岡選手は、

体の大きな選手に比べトップスピードに達するまでに時間がかかりすぎるために、

何もミスをしていないにもかかわらず、

IT1までに致命的なタイムロスをしてしまうという案配なのです。


このσ(^^の理解は間違っていないと思うのですが、

もし、ご指摘があればご教示ください。


ちなみに、体格の違いによる影響の差は他にもあります。

村岡選手にとってはいい影響なのですが。


まずひとつは雪面ギャップからの「突き上げ」。

ボコボコしている雪面を滑ると、下からの衝撃を受ける感覚のことです。

これがひどいと、「暴れるスキー板」を押さえ込まなけりゃいけないと考えてしまいます。


「突き上げ」という現象は、実際には下から力を受けるのではなくて、

ボコボコを乗り越える際に、

ばねから上の物体(「ばね上」という表現をします)が沈み込む事を指します。


ライダーの感覚とすれば、「ばね上」が沈むとは感じられず、

「ばね下」が自分に向かって「突き上げてくる」ような感じるために、

「突き上げ」という言葉を使うことが多いのです。


で、本当は「ばね上」が沈む現象のはずなんですが、

「ばね下」の「突き上げ」と感じてしまうために、

間違ったセッティングを施してしまうことが多くあるので、

チェアスキーヤーの方はどうぞご注意を♪


さて、ここで村岡選手にとっていい影響というのはですね、

体が軽いということは当然、「ばね上」が軽いということです。

つまり、ばねやダンパーに負荷がかからず、それらに余計な仕事をさせなくてもいいわけで、

その分、サスセッティングもしやすくなるということです。


このあたりの理屈や技術を身につければ、

村岡選手にとっては素晴らしいアドバンテージを持つことになるでしょう。


と、有利な点を書いてみましたが、これらはレーシングスピードを出せている状況でのこと。

加速していく間の「慣性」は、技術やセッティングではどうしようもありません。

村岡選手にとってのこのTarvisioのコースは、

どうにもならない特殊な状況であった、という事でしかないんですよねぇ。


じゃあどうするの?

これから緩斜面のレースは諦めなきゃならないの?

んなこたありません(^^

方法はあるんです。


体重を増やせばいいんです。

そうすれば、緩斜面での加速局面での不利は少なくなります。

でも、ただ太れというのは芸がありません。

女の子ですしね(^^;


4年後の「平昌」に向けてσ(^^が大きなお世話で身勝手な提案を許されるならば、

「筋肉で5kg増量する」ということを言いたい♪

筋肉で5kg増というのはかなり苦しいトレーニングをすることになりますが、

そんな肉体改造に成功すれば、高速系はもちろん技術系でも大きな武器になるはずです。


もうひとつ。

これはジャパンSittingチームの考えに反するかも知れませんが、

チェアスキーそのものの重量増を提案したい。


とにかく軽量化を!というチームの開発方針と全く逆の方向性ですが、

重くすることで高速系の加速局面での不利を少なくする狙いがあります。

でも、ただ重くするだけではチェアスキーの運動性能を殺してしまうので頂けません。


ではどうするのか?


村岡選手の切り返しの軸、その重心弧の中心部分を重くしてしまうのです。

その位置は少々重くなってしまっても、ターンの切り返しの際に影響は出ません。


その部分だけを重くするだけでは能がありませんので、

中心部分から遠いところは徹底的に軽くして、近い部分を必要な分だけ重くする。

「マスの集中化」ってやつですね。


こうすれば、単体の重量は重くできますが、

運動性能は犠牲にならないという夢のようなチェアスキーが出来上がります。

そんなチェアスキーを作ってみてえなぁ....(^^


おっと、そんな与太話を書いているせいで字数が多くなってしまったぞ....

2本目のSLは次回としまして、今宵はここまでにしとうございます♪

2014年3月4日火曜日

あさイチ放送スケジュール!....

久々に、ドキドキワクワクしています(^^

以前お知らせしたとおり、NHK総合の番組、「あさイチ」に出演します。

その放送スケジュールが番組ホームページにアップされましたので、

謹んでここにお知らせ申し上げる次第です♪ナンカヘンナコトバヅカイニナッテル....


放送日時:3月10日(月) 0815時~

内容:「100倍楽しくなる!ソチパラリンピックの魅力」


ほぼ1時間という枠で、ソチパラリンピックの注目競技が取り上げられます。

アルペンの他、クロスカントリーやバイアスロンもご紹介。


σ(^^はアルペン競技でいろいろとお話しすることになりました。

σ(^^をご存じの方はいろいろとツッコミたくなるかも知れませんが、

そのあたりはどうかご容赦を♪

平日の放送なので、ご興味のある方はどうぞ録画でお楽しみください。


生放送のぶっつけ本番でどれだけ楽しくお話し出来るか、

そもそもσ(^^;はビジュアルに耐えるのか、

いろいろと不安は尽きませんが、精一杯頑張ってきますのでよろしくお付き合いください!


もうひとつ。

初めてのTV出演で頭がいっぱいになりかけているのですが、悩み事もありました。

これまでお楽しみ頂いていた(?)「見てきたような観戦記」について。


普段のレースだとその模様を目にする事が出来ないので、

これでもか!と好き勝手書いてきましたが、

「ソチ」については、NHKさんのダイジェスト番組もありますし、

スカパー!でもライブ映像がお茶の間に届くことになりました。


これでは、「見てきてように」書けねーぞ!(^^;と頭を悩ましていたんです。

でも、先日に頂いたコメントで、「いいヒント」を頂きました。

取り急ぎ、そのコメントをご紹介します。

------------------------
2月25日(火):「どうしようかな....」

匿名(遠山のキム)様のコメント

「スカパーで放送されるようですね♪
 そこで!「山本新之介のソチパラリンピック観戦記」として
 各選手の動画とか載せながら技術面や小ネタなどを
 実況されても楽しいかな~と勝手に思っております^^;」


ありがとうございました!

お返しが遅くなって申し訳ありませんでした。
けっして、放置していた訳でも無視していた訳でもありませんので、どうかお許しください(^^;

「見てきたように書けないのなら、見たように書きゃいいじゃん」
ということをおっしゃって頂いて、観戦記」の書きぶりを決める事が出来ました。

おっしゃっているように、
動画を貼り付けてやっちゃうと著作権法違反でパクられますので出来ませんが、
競技映像をあわせてご覧頂きながらという形でいろいろと思うことを書いてみようと思います。

リアルタイムな競技結果は、他のメディアにお任せするとして、
σ(^^は自分のスタイルで取り組みます!
お陰さまで、道が開けた気がします。
本当にありがとうございました!
------------------------

さらにもうひとつ。

「観戦記」をご覧になった、とあるメディアの方から、

執筆してみないかとお誘いを受けています。

こちらについても、受ける方向で調整中です。


どうせなら、ブログ連動企画なんて形でやってみたいなと思っています。

ボツになるかも知れませんけどね(^^;

正式に寄稿する段になれば、改めてお知らせしますのでお楽しみに♪


さあ、忙しくなりそうだぞ!(^^ガンバレσ(^^;

2014年3月3日月曜日

返す刀で:20140225TarvisioDH2....

春ももうそこまで来ているかと思いましたが、

まだまだ冬将軍は頑張るようですなぁ....

間もなく開催されるソチパラリンピックを前にして、

春だなんだとは気が早いのではありますが(^^;


日本障害者アルペンスキーチームは、既にチ入りをしているそうです。

しっかりと気持ちを高めて最高のレースを見せてもらえれば♪


でも、このブログでは時間が止まっています(^^;

早く「ソチ入り」しなければ....


てことで、前回に引き続き、

障害者アルペンスキーワールドカップファイナルTarvisio大会の模様をお送りします!


25日に行われたDownhill(滑降:DH)の2レース目です(^^

1日のうちに2つのDHレースを行うことはまれなのですが、

天候の都合などで急遽、ということはよくある話です。

主催者の判断ですので従うしかないのですが、選手たちは大変ですねぇ....


一晩空けてくれれば、スキーのチューンナップやマシンセッティングの変更など、

いろんな対応を余裕持って出来るのですが、

ただでさえ極限まで集中力を高めなければならないのに、

それが2レースも続いちゃうなんて....(^^;


でも、そんな柔なことをいうようではトップアスリートなんて勤まりません。

ガチでタフなアツいレース!その模様を見ていきましょう(^^

リザルトをお手元にどうぞ!


TrainingRunから数えると、4本目の滑走になるこの2レース目です。

DHレースの間は、ゲートセットが変更になる訳ではありません。


コースセッターはイタリアチームのコーチ、ゲート数、26ターン数20。

当然、スタート、フィニッシュ共に同じ場所にあるので、

スタート標高1,290m、フィニッシュ標高820m、標高差470m、延長1,780m

というコースプロファイルも変わりません。

もう、それぞれの選手はしっかりと攻略出来るように組み立てを終えていることでしょう。


晴れ渡った空は、

スタート地点0℃、フィニッシュ地点4℃にまで気温を上げていきました。

もう、スキーウェアは脱いでも寒くありません(^^


同じコースで行われるレースですが、スタート順だけは毎回変わりますね。

2レース目のスタート順はこうなっております!


女子のエントリーは5カ国9名。

ジャパンチームのエントリーはなし。


男子は9カ国35名。

Standing(立位)クラス

ビブ(ゼッケン)26番 小池岳太選手

Sitting(チェアスキー)クラス

32番 森井大輝選手
36番 狩野亮選手
40番 夏目堅司選手
41番 鈴木猛史選手

以上です。


さあ、選手たちは集中力を高めて、スタート時刻を今か今かと待ちわびています!

どのようなレースになったか見ていきましょう!


....膝の具合は良くもなく悪くもなくというところか。

小池選手にとって、状況によっては回避しても構わないレースだったはずだ。


何かに不安を感じるアスリートが取る行動は2通りある。

回避し、「温存」する。

もうひとつは、状況を「把握」するために、敢えて戦うという手段。


小池選手は後者を選んだ。

当然、「全開」の滑りは出来ない。

どこまで無理が利くのか。

咄嗟のアクションが出来るのか。

雪面とスキー、そして膝。

それぞれと相談しながら滑り降りる1分強。

小池選手の「ソチ」は既に開幕していた。


Sittingクラスの1番機は森井選手。

TrainingRunの1本目こそラップ(トップタイム)で滑り降りたが、その後は伸び悩んだ。

緩斜面主体という独特の状況が、彼のスペックを封印してしまったのかも知れない。

リーダーズボードを見ることなく、彼はフィニッシュエリアを後にした。


好タイムを叩き出したのは、続くBROUSSEAU Caleb選手(CAN)だ。

1レース目から2秒以上もタイムを削ってきた。

会心の滑りだったことがその表情から窺える。


2レース目、雪面は荒れてくる。

上がる気温、1本目と同じコース設定。

滑走タイムは間違いなく落ちていくはずだ。

狩野選手はそう読んでいた。


しかし、思わぬ伏兵が現れた。

彼が予想していた優勝タイムを上回るタイムがリーダーズボードのトップにある。

だが、この時の彼の頭の中に悲観的な思いはなかった。

誰かに出来ることが自分に出来ないはずがない。


スタートバーが彼にレースバーンを開放するや否や、

彼は瞬く間に斜面を駆け下りていった。


IT1Sittingクラス最速のタイムを叩き出す。


後半区間は、わずかながらタイムをドロップさせてしまう傾向が、彼には確かにある。

マシンの特性か、外国勢に巻き返されてしまう事が続いていた。

この2レース目もおそらくはそうだろう。


だが、そんなことは織り込み済み。

前半区間までにそれを跳ね返すだけのマージンを稼いだことを、

彼の正確な体内時計は感じ取っていた。


0.06秒上回り、トップに躍り出る。

拳を突き上げる狩野選手。

落胆するBROUSSEAU選手。


夏目選手は頭打ち。

1レース目からわずかにタイムダウン。

しかし、「頭打ち」とは観客が勝手に使う言葉。

彼にとっては1本目に引き続き、「全てを出し切ったレース」に違いない。


単調な緩斜面レースは苦手、そんなことを考えていたのかも知れない。

積極的に仕掛けることの出来ない状況に、鈴木選手はフラストレーションを溜めていた。

彼の並はずれた身体能力は、この単調なコースでは封印されている。

フィニッシュエリアで、彼は感情を隠さなかった。


最終滑走者はDEVLIN-YOUNG Christopher選手(USA)。

1レース目は、狩野選手の後塵を拝したとは言え、0.53秒差で食い下がっている。

まだ、彼が滑り終えるまで、ラップリーダーに勝者の表情は表れない。


IT1。

+0.28秒。

思ったより詰められている。

狩野選手の背中に冷たいものが走る。


DEVLIN-YOUNG選手は、後半区間が抜群に速い。

TrainingRun2本目と1レース目は、どちらも最速タイムで滑りきっている。

1レース目は、0.22秒縮められてしまった。


微妙な勝負になる。

狩野選手の視界、最後の斜面に現れた最後のライバル。


速い。


あとは、フィニッシュラインまで真っ直ぐ滑り降りるだけだ。

もう、テクニックの勝負ではない。

勝負の分かれ目は、滑走面にワックスが残っているか、もしくは運の強さ。


横たわるうねり。

軽くジャンプすればフィニッシュエリアは目の前。

飛び出す瞬間、荒れた雪面をエッジがわずかに噛む。


射出角度。体軸の角度。

観客たちは気づいていない。

狩野選手の眉が動く。


リカバリーとも言えないリカバリー。

着地。


やはり観客は気がついていない。

気がついていたのは本人と狩野選手。

間もなく、無慈悲で厳格な「時計」は、その事実を万人に知らしめた....


高速系エースに隙なし!

狩野亮選手連勝!!(^^

おめでとうございました!!!


緩斜面には緩斜面の、急斜面には急斜面の難しさがあるのですが、

このレースでは盤石でしたねぇ♪

この調子のまま「ソチ」へなだれ込んで欲しいものです(^^


その前に、SuperCombi(スーパー複合:SC)レースが残っていますので、

それも軽くやっつけちゃってから、ですが♪


DHの2レース目、リザルトのおさらいです!


男子Standingクラス

10位 小池岳太選手

男子Sittingクラス

優勝 狩野選手
 5位 森井選手
 9位 夏目選手
11位 鈴木選手

以上のようになりました!


そんなにそんなに気にしなくていいはずですが、

森井選手はちょいと思ったような成績を上げられませんでした。

そして、鈴木選手は2戦連続の最下位に終わりました。


どれだけ特殊なレースだったかは本人たちがいちばんよくわかっていると思います。

そして、きっとあっけらかんとしているとは思いますが、

「珍事」と言ってもいいのではないかと思います。

まあ、ソチ入りまでに「厄払い」が出来たと思うことにしましょうか(^^


非常に筆の遅い「観戦記」です。

ようやく、残すはSCレースのみというところまで来ました。

次回、いよいよワールドカップ最終日の模様をお送りします♪

2014年3月2日日曜日

アイウェアを作るなら....



行って参りました♪

eglasses by メガネの黒田屋さんへ!




いつかは、話を伺いたいと考えていましたが、

とうとう本日、お目もじ叶いました!(^^


お会いしたかったのは、店長の井上様。

FBで知り合って以来、そのお考えに共感すること多々あり。

機会があれば....と思っていたのです。


そして、いつかアイウェアを作ることがあるならば、

ぜひ、井上様に作ってもらいたい!

そんな事を考えていたのです(^^


でも、中途半端に目が見えているσ(^^にとって、

アイウェアは、なかなか縁遠いものでして....

眩しい時の為にサングラスを持っている程度で、

特に「眼」のことで考えることもありませんでした。


そんなに使いもしないメガネやサングラスをわざわざ買うのもなんですし、

舞鶴市から西成区までは、「よっ♪(^^」なんて気軽に行ける距離でもありません。


まあ、そのうちそのうち♪と思っていた時にこんな記事を目にしました。

バレーボールにもゴーグルの波が~


ほほぉ、これを付けてれば、

こんなアタックが顔面に入ってもへっちゃらなのね♪

そんな事を考えました。


dsc_0272.JPG
まてよ?


バレーボールが当たってもへーきなら、

車いすハンドのふにゃふにゃボールなど、

蚊に刺されたほども感じないのでは?


(画像はMA SPORTS様より拝借)




そうだ!

キーパーのKazzyに付けさせよう!

老眼だなんだで見えないとか言ってたし、

ラーメン好きだから、

「ラーメン食いに行こう!」と言って欺して、

お店で縛り上げて拷問かけて、

有無を言わさず買わせりゃいいんじゃね?


と、我ながら名案を思いついたので、さっそくGO!(^^


で、いざKazzyが「目ヂカラ測定」をしてもらうと、

ひとつずつ、Kazzyの「曇った視界」がつまびらかになっていきます。


測定用のメガネに、レンズをとっかえひっかえ....

井上様「これこれこんな風に見えていると思いますが、いかがですか?」

Kazzy「おっしゃるとおり」

井上様「『見える』と『見えすぎて疲れる』のバランスをとって『ベター』な『度』を見つけます」


Kazzy「....まるで目を取り替えたようだ!」

井上様「まだですよ。これはあくまでも「メガネ」用の調整です。
         これから、スポーツゴーグル用の補正をします」

Kazzy「ゴーグル用?」

井上様「はい。メガネはレンズが真っ直ぐに並んでいます。
     一方、ゴーグルは上から見て、『ハの字』に作られています。
          そのおかげで、『メガネより見えすぎてしまう』のです」

Kazzy「へぇ。そうなんや」

井上様「その補正をしました。この測定用の度合いで10分間辛抱してください。
     頭が痛くなったり、目眩がしたり、充血したり、金欠だったりしたら言ってください」

Kazzy「わしゃ、いつでも金欠やで?」



井上様「いかがですか?」

Kazzy「金欠以外は、なんの違和感もない。
    痛いとか疲れるとかなんも変な感じんし、むちゃくちゃよう見えるわ」

井上様「これが車いすハンドボールを想定した、
      Kazzy様の、より『ベター』な『度』となっています」

Kazzy「ほんま、よう見えるわ」

σ(^^「なら、フェニックス戦であと10点、失点を少なくしてね♪
     それだけ押さえてくれれば、間違いなく勝てるから(^^」

Kazzy「あほぅ!その前に、あと11点とってこいっちゅう話やろ!」

σ(^^「いやいや。
     0点で抑えれば、負けることは『絶対』ないけども、
        100点取ったって負ける時は負けるからね!」

Kazzy「やったら、101点取ってこいや!!!」

σ(^^;「....で、どのフレームにする?」

Kazzy「このフレームの『ネイビー』で頼むわ」

σ(^^「買う気満々やな、おい」

まあ、そんなこんなのコントみたいなやりとりがあったのです。


ところが話を聞いていて、σ(^^も自分の『眼』のこと、

まったく知らないことに気がつきます。


σ(^^;「井上様?
     もし、これからの時間、お忙しくなければσ(^^も測定してもらえます?」

井上様「そうおっしゃると思っていましたし、
      その時間を見越して、本日は予約を入れていません」


井上様、あんたサイコーだよ!!(^^


と、まあ、こんな感じのやりとりがあって、Kazzyはウキウキでゴーグルを注文。

σ(^^は、1.0の視力を持ちながらも乱視できちんと見えていないという事が判明。


乱視矯正のレンズで「下界」を眺むれば....

なんということでしょう!(^^;

見えなくてもいいことや、

見てはいけないことまで見えてしまう!!!


果ては....

見たくても見えなかったものまでが、
   はっきりくっきり鮮やかに!!!(^^

....嘘ですよ(^^;


でも、今まで「何となく」過ごしていた生活、

「ピュアな視界」を手に入れて、「弾ける」のも一手か?


σ(^^「でも、視力を矯正すれば、どんどんと眼は悪くなっていくのでは?」

井上様「ストレスを掛けないように「楽に見える」レンズを通して、
     いろんなものを見て、眼の筋肉を鍛えていけばいいんです」

σ(^^;「ほほぉ....勉強になりました(^^;」


そんなこんなでKazzyのゴーグルは1週間程度で納品だとか。

実は「メガネ嫌い」のKazzyがどんなインプレを出してくるか、

eglasses by メガネの黒田屋さんの実力の程を、お楽しみに♪


ついでに宣伝しておきますが、

「仕事で忙しくって、遠くって、どんなに興味があっても西成まで行けない!」

という方のために、大阪市中央区にも「夜のお店」を出されています。

南船場スポーツグラスサロン 眼’z ☆gan-zu
ブログはこちらのリンクで^^

お近くの方は、どうぞご利用くださいね♪


てゆーかね、井上様のお話を聞いていて思ったのですが....


てめーの眼に興味のねーヤツは、「アスリート」を名乗るな!

「アスリート」を語りたきゃ、井上様を訪ねろ!!

いいか?くれぐれも「教祖」様に失礼のないようにな!!!


Kazzy「おい、そんなことより、ラーメンはどうなった?」

σ(^^;「....井上様?この辺りで美味いラーメン屋あります?」

井上様「河童ラーメンがよろしいかと」


勧められるままに、近くの工場店で頂きましたが、

これまでのランクで言えば、「A」クラスに入りますな(^^

なかなか美味しゅうございました♪


しっかりこってり背脂豚骨でしたが、なかなか食べやすい口当たりで(^^

餃子を頂かなかったのがちと後悔....

Kazzy「わしゃ、女の子がキビキビ動いていたのが良かった」

そっちかい(^^;


「替え玉!バリ堅で!!」

隣の若者が威勢良く食欲を満たしています。

通い慣れた強者が持つ注文方法があるようですね(^^

何回か、機会があれば通ってみたいものです♪


とにもかくにも、井上様、ありがとうございました!

これからもよろしくお願いいたします!!!(^^