いよいよ、この、
「山本新之介のワールドカップをまるで見てきたような観戦記」も、
とうとう最後の投稿になりました(^^
いよいよ、ようやく、まもなく、「ソチ」が始まろうとしているにもかかわらず、
いまだにσ(^^;は、イタリアはTarvisioにいます♪
前回に引き続きTarvisio大会の最終日、
SuperCombi(スーパー複合:SC)レースの模様をお伝えします。
前回は1本目のSuper-G(スーパー大回転:SG)について書きました。
今回はその2本目、Slalom(回転SL)です。
(リザルトをお手元にどうぞ♪ 女子 男子)
使用するコースはDownHill(滑降:DH)レースから通して、
同じDi Pramperoコースを使用しております。
SLはスタート位置の標高を下げて、規程の標高差になるようにコース設定がされました。
スタート標高960m、フィニッシュ標高820m、標高差140m。
緩斜面主体のレースバーンというのは変わりませんね。
天候は曇り。
気温はスタート地点で-2℃、フィニッシュ地点は0℃と暖かいコンディションです。
雪質が「Hard」なのが、まだ救いでしょうか?
ワールドカップファイナルの最終レースの2本目のSL、
大トリを勤めるコースセッターは、我らがジャパンチームのコーチ、切久保豊さま♪
ゲート数41、ターン数39。
ジャパンチームのみんなには、馴染みきったセットのクセを最大限に利用し、
最高のフィナーレを迎えて欲しいものです(^^
では、1本目SGの結果を受けた、2本目のスタートリストを見てみましょう!
女子Sitting(チェアスキー)クラス
1番目 村岡桃佳選手
男子Standing(立位)クラス
8番目 三澤拓選手
男子Sittingクラス
6番目 鈴木猛史選手
9番目 夏目堅司選手
10番目 森井大輝選手
11番目 狩野亮選手 という順番です!
おっと、そうこうしているうちにレースが始まっています。
VisuallyImpaired(視覚障害:VI)クラスが終わり、Standingクラスがコースイン。
村岡選手もスタートハウスの中へ入っていきました。
では、ジャパンチームの滑りを注目していきましょう!
....果てしなく、なだらかな斜面が続くこのコース。
SGでは悩まされた村岡選手だったが、SLでは逆に、優しい「先生」のような安心感を感じる。
ラインの取り方、ポールへの当たり方、リズム変化への対応。
SLでの経験が少なく、ありとあらゆる事を吸収している真っ最中の彼女にとって、
緩斜面のSLは最高のトレーニングとなる。
ターンのひとつひとつを丁寧にクリアしていくことは、
スポンジが水を含んでいくように、彼女の貴重な経験になっていく。
「代表」という肩書きに囚われすぎていたが、彼女の、「本当の本番」は「ソチ後」だ。
焦ることなく、しっかりとレースを終えた。
得意なスラロームに勝負の舞台を移した。
三澤選手のボルテージは上がっている。
大きくジャンプアップを目論んでのスタートだったが、攻めすぎた。
ラインもスピードも、自身のイメージを表現する事は出来なかった。
悔しい結果に終わる。
待ちに待ったSLの時間。
鈴木選手は、これまでの鬱憤を全てスタートバーにぶつけた。
Sittingクラスが始まり、SGでは低迷していた選手たちが好タイムを連発していた。
しかし、その程度のタイムでは、猛りきった鈴木選手を止めることは出来ない。
誰も想像をなしえなかった38秒台。
鈴木選手がSLを走る時、世界は沈黙する。
「誰だ?SuzukiはSGで終わったなどと言ったのは?」
鈴木選手のタイムを耳にした外国勢は動揺する。
続くWALKER Tyler選手(USA)、OATWAY Kurt選手(CAN)は焦りからかミスを連発。
失ったリズムを取り戻すことなくコース外へ消えていった。
チャンスが巡ってきた。
夏目選手は高揚の中でスタートする。
1本目4位。
これほどの好位置で2本目を迎えることは今までになかった。
ワールドカップ初表彰台。
夢のひとつが目と鼻の先にあった。
軽やかにゲートをクリアしていく。
ラインが見えている。
コース全体が手に取るようにわかる。
ポールが体に当たる衝撃が強くなる。
ターンスピードが上がっている証拠だ。
その加速は止まらない。
ターンリズムの周波数が高まる。
最高のラインを描いていたスキー板が、そのリズムに追われ始めた。
徐々に溢れてくる。
ゲートから離れていく。
タイムロスを伴う大きなリカバリーは出来ない。
ラインの修正をしながら、なおかつ攻める。
夏目選手は咄嗟にそう判断したが、
次の瞬間、遠心力は彼をチェアスキーごと雪面から引きはがし、万事を休させた。
森井選手には、SLで新たなテストカリキュラムを組んでいた。
アルペン競技には5種目があるとは言え、
SLを捨てるということは2種目を諦めることに他ならない。
SLが最も難しいと考えていた彼だが、
5種目全てを制覇するためには、SLでも互角以上に戦う必要があるのだ。
そのために、新たなテストパーツを用意していた。
1本目、鈴木選手とは 1.26秒のマージンを得たが、
2本目は鈴木選手が別次元のタイムで滑り降りている。
その前には、少々のマージンなど意味をなさない。
はたして、テストする装備の有効性はどうだ?手応えはあったはずだ。
しかし、「森井大輝」というパッケージに加えられるほども使いこなせなかった。
リーダーズボードの表示を見ながら彼は、
「ソチ」まであとどのぐらいのテストトレーニングが必要かを逆算する。
狩野選手はトップスラローマーではない。
それは自身も認めている。
しかし、SLを捨てる訳にはいかない理由は森井選手と同様。
勝負を捨てるということはアスリートとして死ぬことと同義だ。
DUECK Josh選手(CAN)とのビハインドは0.85秒。
距離にして8m程度後方にいる計算になる。
小さな差ではない。
綱渡りのようなランが始まった。
1ターンあたり、約20cmずつ差を詰める。
理屈では成り立つ計算だが、実際のターゲットは背後に控えている。
気配。
感じる。
見られている。
手の内をさらけ出しているようなものだ。
プレッシャー。
受けているのか与えているのか。
フィニッシュラインを跨ぐ時、DUECK選手は既にスタートしている。
39秒台。
鈴木選手に次ぐ好タイムもライバルの耳には入らない。
心理戦の局面は終わっていた。
振り返り斜面を仰ぎ見た時、
自身のゴーストがライバルから離されているのが見えた....
これでワールドカップの全レースが終了しました!
ジャパンチームは1本目のSGに続き、
このSCでも2-3-4フィニッシュを飾る事となりました。
ジャパンの層の厚さを誇る素晴らしい結果だと思います。
DUECK選手ひとりにやられちゃったという悔しさは残りますが(^^;
このリベンジは「ソチ」本番、倍返しでお願いします!ツカイフルサレタフレーズダヨナ、コレ....
では、SCの最終結果をおさらいです!
女子Sittingクラス
4位 村岡選手
男子Standingクラス
5位 三澤選手
DidNotFinish(途中棄権:DF) 小池岳太選手
男子Sittingクラス
2位 狩野選手
3位 鈴木選手
4位 森井選手
DF 夏目選手
以上です!
しかしまあ、緩斜面でのレースというものはこんなに苦労するものなのですねぇ(^^;
急斜面のないレース、きっとσ(^^は嬉々として走りますが、
これだけ難しいと頭の中は「?」が一杯の結果を突きつけられることでしょうね♪
何はともあれこれでようやく、σ(^^も(気持ちは)「ソチ入り」出来ます。
初戦のDHがスタートするまであと2日。
いよいよ始まりますよ!
ああ、ドキドキします(^^
では、「ソチ」でお会いしましょう!
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