先日、軽くメダル予想をしました。
その数、みごと的中!ちょいと誇らしかったです♪
まあ、当てずっぽうだったので、誰がどの色というのは大外しでしたが(^^;
さて、「見てきたような観戦記」改め、
「わかったような技術解説」を前回から始めています(^^
昨日のDownHill(滑降DH)レースに続いての快挙、
ソチパラリンピックDay2のSuper-G(スーパー大回転:SG)について、
詳しく見てしいくことにしましょう。ワードンドンドンパフパフパフ....
まず手に汗を握ったのは、夏目選手の滑りです。
本当にきれいに滑り降りてきました。
中間計時でも後に続く狩野、森井の金銀コンビに引けを取らない好タイム。
実はこの時σ(^^は、NHK総合テレビ「あさイチ」の打合せの合間を縫って、
スカパーの中継を見ながら(笑)、近藤アナウンサーと「中継ごっこ」をしていました(^^
実際にスカパーで解説をしていたのは野島弘さん。
奇しくも同じような話題で盛り上がる近藤アナとσ(^^
もしかしたら、このコンビで中継する事も出来んじゃね?なんて事を話していました♪
それはさておき、夏目選手。
道中は、ケチの付けようのないぐらいに素晴らしいランでした。
前回のDHについても書きましたが、
全てをこの斜面にあわせて準備していたのがよくわかるぐらいに、
サスペンションがいい仕事をしています。
最後の急斜面に飛び込んできて、
他の選手が回しきれないような難しいターンをクリアした瞬間!
「来たぁ!」と叫んでしまいました(^^;ウルサクテゴメンナサイ....
お?少しラインが膨らんだかな?
でも、ギリギリ通せる!いける!!
と感じた次の瞬間、アウトリガーがゲートポールにヒット!
左腕を取られてしまった夏目選手は、
スピンするように滑落していってしまいました....
ほんの5cm程度だったと思うんです。
ほんの少し腕をたたんでさえいれば、
と悔やんでも悔やみきれないDidNotFinished(途中棄権:DNF)。
(「たられば」は言うべきではないことはよくわかっています^^;)
気を吐いたのは森井選手。
前夜はDHでの転倒により、「痛みでまともに眠れない」夜を過ごしたそうです。
でも、その程度では「火の玉」の力は弱まることがありません。
中盤の斜度変化(IT1〈第1中間計時〉後)。
右ターンから飛び出したラインは、
それまでに滑った選手とは明らかに違いました。
安全マージンを確保しながら飛び込むと、
着地した瞬間のスキー板は落下方向に対して「斜め」にエッジを掛けてしまいます。
その分、加速し始めるタイミングが遅れ、スピードを乗せる事が出来ません。
「安全マージン」とは、飛び込んだ先のゲートに入りやすくするためのラインの自由度のこと。
このマージンを大きく取ると急斜面の攻め方に余裕が持てますが、
飛び出しのスピードを殺し、なおかつ着地の瞬間にブレーキがかかってしまうために、
「初速」は大きく落ち込んでしまいます。
森井選手は、そんな「妥協」のラインを選びませんでした。
飛び込んだ先の次のゲートに対して「最短」距離、
つまり「真っ直ぐ」に、板を真下に向けて「最高速」優先のラインで飛び込みました!
当然、着地後すぐにターンを始めなければならないために、
相当なリスクがあったはずです。
でも、彼は回しました!
それも、後にも先にも森井選手以上のスピードで、
その局面をクリアした選手がいないというぐらいに!
σ(^^は、夏目選手の時以上の大きな声で叫びました。
「勝った!」と。ショクインノミナサンゴメンナサイ....
「近藤さん、これで決まりましたよ!」
後半の区間も森井選手のスピードは衰えません。
リーダーズボードを見た森井選手も、勝利を確信したはずです。
そのぐらいに会心の1本だったと見ました。
ところがですよ。
直後にスタートした狩野選手がやっちまいやがったのです(^^
IT1(第1中間計時)のタイムは表示されませんでしたが、
IT2(第2中間計時)では1.34秒。
あれよあれよの間に圧倒的なタイム差を叩き出しました。
この違いは何だ???
その場で見ているだけでは、
「スムーズな重心落下」というぐらいしかわかりませんでした。
あらためて録画した映像を繰り返し見てみると....
ターン初期からスキーエッジに乗り込んで最短ラインを描く森井選手は、
最もリスキーなターン初期の不安定感と戦いながら滑ります。
一方、狩野選手はその独特のターンインにより速やかにスキーの方向付けを行い、
加速状態に持ち込むと滑走面全体に荷重を移してターンを安定させています。
つまり、狩野選手の方がターン中のリスクを背負わずに走っていたことがわかります。
あの時の雪面状況では、狩野選手の滑り方に分があったということでしょうか。
ウェイティングスペースで狩野選手のフィニッシュを見届けた森井選手が、
一瞬、「やられた」という表情をしたのが印象的でした。
限界ギリギリのブッシュをした森井選手には、絶対の自信があったと思うんです。
残念ながら、手が届きかけていた自身初の「金」を取り逃がしてしまった訳ですが、
その後はチームメイトの狩野選手の勝利を、心の底から喜んでいるように見えました。
このあたりは、森井選手の懐の深さを感じられます。
さて、1-2がジャパンチームということになれば、
当然、「表彰台独占」に期待がかかります。
でも、鈴木選手は「3位に入ればいい」なんて事は考えていませんでした。
独占の頂点はオレだ!なんてね(^^
それは、森井選手以上にプッシュする滑りが証明しています。
スタート直後、アウトリガーで雪面を漕ぐ回数は、他の選手より1回多い。
そして、絶対的なボディバランスを武器に、ヒラヒラと蝶のようにゲートをくぐる鈴木選手。
σ(^^「おお!攻めてる攻めてる!」
その攻め気が裏目に出ます。
4旗門目の左ターン、バンクさせながらうねりに入る。
わずかに雪面ギャップに乗り上げ、一瞬の抜重、エッジグリップを失わせます。
ほとんど転倒していた状態から、リカバリーするあたりはさすが鈴木選手。
「ちぃっ!」と舌打ちが聞こえた気がしました(^^
0.5秒ぐらいでしょうか?
大きなロスを挽回するべく鈴木選手は、
さらに愛機へムチを入れていきます。
まだ間に合う。
σ(^^は画面の前で拳を握りしめていましたが、
思いは鈴木選手も同じだったはず。
もう、その滑りに「安全マージン」は確保されていません。
伸るか反るか....そのギャンブルの破綻は間もなくやってきました。
ギリギリのプッシュにメダルをベットした鈴木選手、その健闘は賞賛に値します(^^
リザルト上は、「DNF」の3文字しか表現はありませんが、
夏目選手にも、鈴木選手にも、そして他のDNFレーサーたちにも、
それぞれドラマがあるんですよね(^^
いやいや、アルペンレースって本当に面白い!
その面白さ、まだあと3種目もあります。
まだまだ、「わかったように」書いていきますね♪
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