筆の遅さに我ながら辟易としている山本新之介です(^^;
あれよあれよの間に、ソチパラリンピックも最終日を迎えようとしています。
が、このブログではまだDay3....
まあ、ぼちぼちと書いていきます♪
ワールドカップや世界選手権では、男女ともに同じ日に競技が行われますが、
パラリンピックでは、
DownHill(滑降:DH)とSuperCombi(スーパー複合:SC)のみ同じ日に、
他の競技は、男女別々に行われます。
男子では、ジャパンSittingチームの華やかな活躍が繰り広げられましたが、
女子は「まだまだこれから」という選手がエントリーしています。
彼女たちの、これからの成長を見守るというのが、女子競技の見どころだと思っています。
紹介しましょう!
田中佳子選手と村岡桃佳選手です!(^^
田中選手は技術系種目のみのエントリー、
村岡桃佳選手は、Super-G(スーパー大回転:SG)と技術系種目にエントリーしています。
ソチ入り後、男子の活躍を一番近くで目にした彼女たち。
待ちに待った自らのスタートをどのように迎えたでしょうか?
では、「山本新之介のソチパラリンピックのまるでわかったような技術解説」、
本日はDay3の女子SGレースと、Day5の女子Slalom(回転:SL)についてです!
女子SGは村岡桃佳選手が孤軍奮闘!
しかし、チームスタッフの暖かいサポートで気が和んだのでしょうか。
スタート直前は、笑みを浮かべるほどリラックスしていました。
本当に、チームや関係者のみなさんから愛されているのがよくわかります。
スカパー!の映像をご覧になった方は、
野島弘さんの解説をお聞きになったと思いますが、
野島さんはまるで「お父さん」のように応援していましたね。
解説というより、運動会を見に行ったお父さん(^^
それほどまでに、彼女のこれからを応援されている訳です。
「愛情」を一杯注がれて成長していく彼女の今後に乞うご期待です♪
これで終わっては「わかったような技術解説」にはなりません。
彼女の滑りを厚かましくも分析してみようかと。
ヘタなことを書くと、ジャパンチームのみんなから全力バッシングを受けそうですが(^^;
「見てきたような観戦記」でも何回か書きましたが、まずは村岡選手の「武器」から。
誰もが求めても得られない、決定的な優位性が彼女にはあります。
映像をご覧になって良くお解りでしょうけども、彼女、とても小さな体格をしています。
当然、そのシートも大変小さな作りです。
ということはですよ?
ターンの際、普通ではあり得ないぐらいにチェアスキーをバンクさせることが出来る。
つまり、誰も表現出来ないような小さなターン弧でゲートをくぐることが出来るのです。
ターン弧が小さいということは、ターンを早く終わらせられる。
ターンを早く終わらせられれば、その分だけ早く加速を始められる。
早く加速し始めれば....お解りですね(^^
これだけでも、とんでもない「武器」です。
さらにさらに。
彼女は体格の割に、腕が長い。
低い重心位置と長い腕という組み合わせは、
ターン中に腕でバランスを取るスキー競技において、その優位性が高まります。
「やじろべえ」を例えに出すのは、重心と支点の位置関係から不適切ですが、
腕が長いということは、安定感増し増しになることがよくわかるでしょう。
これがふたつ目の「武器」。
みっつ目の武器は、その「軽さ」そのもの。
体重が軽いということは、ターン中にかかる遠心力も小さくなります。
当然、雪面に対する荷重も少ない。
ということは、特に、技術系種目において、
減速要素となるターン局面での雪面抵抗が少なくなるので、
ハイスピードターンが可能になります。
また、滑走面の摩擦係数も小さくなりますので、
体重の重い選手と比べると、加速局面では大変有利になります。
さらにさらに、遠心力が小さいということは、
ミスリカバリーにかかる時間も少なくて済むというオマケまで付いてきます(^^
ただ、「軽さ」は諸刃の剣です。
ターン局面での優位性の一方、
「落下」の局面では大変不利に働きます。
重い鉄球とパチンコ玉を同時に斜面に転がすと、
重い鉄球の方が速いスピードで転がっていきます。
「慣性の法則」によって、大きなスピードの差が付いてしまうのです。
これはスキーでは致命的(^^;
特に高速系レースでは、
「軽量級」の選手は圧倒的に不利だといわれますが、
こういったことが理由な訳です。
体格の小ささがとても有利になる反面、大きなデメリットも抱える村岡選手。
彼女はこれからどのようなスキーキャリアを歩んで成長していくのか、
長く、暖かい目で応援してあげてください(^^
ジャパン女子はもうひとり。
田中選手は、こつこつと努力してきた選手です。
デビュー当初は、大日方邦子さん、青木辰子選手の「双璧」に割って入って、
揉まれて強くなっていくだろうと期待の大きかった選手です。
近年は、少し思うような成績を上げられていませんが、彼女も「努力の人」です。
モチベーションを切らさない限り、まだまだ「これから」と言っていいでしょう。
キャリアが長い分、斜面への対応力はしっかり持っていると思います。
ただ、それが「守り」に向いてしまう事が多々あるような気もします(^^;
少しずつ、「守り」から「攻め」に気持ちを移し替え、
もの持ち前の対応力を発揮させられればなぁと思います。
ふたりとも「平昌」を視野に入れているはずで、
次の「4年間」は目を離したくはありませんね(^^
さて、SG&SLでの、彼女たちの成績だけで言えば振るいませんでしたが、
積極的に技術的なことはどうだとか、まだまだ評価する時期ではありません。
彼女たちの本番は「平昌」なのですから(^^
口性ない人はきっと言うでしょう。
「そんなレベルの選手を出すな!」と。
とんでもない!!
国内ではアルペン女子レーサーはまだまだ育っていません。
その土壌を育むためには、こういった選手たちを大切に育てて、
将来の日本障害者アルペンスキー界の発展に繋げなければならないのです。
特に村岡選手については、
将来有望なジュニア選手を育てるため、
日本障害者スキー連盟が必要と判断し、
日本パラリンピック委員会が派遣した。
これも立派なジュニアアスリートの育成方法です。
税金?
必要な育成にはジャブジャブ使いましょうよ?
この経験を元にして、将来、彼女たちはざくざくとメダルを取ってきますよ(^^
と、今回はここまで。
次回は、「本命爆発」です♪
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