一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年12月18日水曜日

分岐点:20131212CopperMt.SL2....

みなさんは、1週間とか、それなりにしっかりとした旅行ってされたことありますか?

σ(^^は無いんです。「遠征」はたくさん経験しているんですけどね。

それでも、一番長くて10日を少し越える程度ですが。


雪上でトレーニングに費やすということが年末年始の恒例行事で、

その間じわじわと張り詰めた気持ちがすり減って、体力は使い切って....

楽しく過ごせていましたが、結構しんどいものでした(^^;


今回のジャパンチームの遠征は11月下旬に出発し、

NORAMカップの6戦をこなし、

仕上げのトレーニングをこなして帰国。

本当に、チームのモチベーションには驚嘆です(^^


いよいよ、NORAMカップもDay6、つまり最終日。

Slalom(回転:SL)の第2戦が行われました。

リザルトはこちら(女子男子


パラリンピックの本番なら、感慨深い最終日となるんでしょうけども、

まだまだ長い「ソチ」への道すがら。

ほっと息をつくヒマなど、戦士たちにはありません。


10月のゾルデン合宿から始まったチームの活動。

このNORAMカップをひとつ目の区切りとして戦い、

その仕上がりを検証して、次のトレーニングに繋げる。

そんな重要なターニングポイントであることは間違いありません。


これからに繋げるためにも、

最終日のDay6は「気分良く」終わらせて欲しいものです。


では、現地の状況を見てみましょう♪

この日は、頭に「ド」がつく程のピーカン!

「今まで寒い思いさせちゃったりしてごめんねウフ」

とばかりにお日様が頑張った!

おかげで、迷惑なぐらいに暖かくなっちゃいましたよ(^^;


1本目の気温は、スタート地点、フィニッシュ地点ともに-2.2℃。

雪質は「Hard」という公式発表ですが、どこまで「Hard」なのやら。

前日までとは違って、雪面は荒れていくでしょうねぇ。


そのコースセットはカナダチームのコーチが担います。

スタート標高3,567m、フィニッシュ標高3,424m、標高差は143mのコースに、

46のゲート、45のターン。

規則正しく立てられたSLコースは、標高差に対して31.4%の標準的なターン数です。


一方、暖かいとテンションが上がるのが観客。

インスペクションタイムから大騒ぎ♪

中には、スキーウェアを脱いじゃってる人もいます(^^


待ちきれないスタート前のこの時間に、

いつものようにスタートリストの確認です。

女子選手は7カ国27名、男子は12カ国75名の選手がエントリーしています。


女子Sitting(チェアスキー)クラス

20番 田中佳子選手
21番 青木辰子選手
27番 村岡桃佳選手

男子Standing(立位)クラス

37番 小池岳太選手
44番 三澤拓選手
45番 東海将彦選手
52番 伊藤史雄選手
54番 阿部敏弘選手
55番 山崎福太郎選手男子

男子Sittingクラス

70番 森井大輝選手
75番 鈴木猛史選手
78番 狩野亮選手
80番 夏目堅司選手
83番 谷口彰選手
88番 横澤高徳選手

と、なっておりますが、阿部選手の姿は見えません。

やはり、前日の1本目にトラブルがあり、それはかなり深刻だということでしょうか。心配です。


....待ち望んだスタートはいよいよ!


女子Sittingクラス。

3番目スタートのJOINES Kimberly選手が、

いきなりとてつもないタイムを叩き出す。

前日優勝した第1戦の1本目とほぼ同タイム。


続けてフィニッシュした田中選手は大きく出遅れた。


青木選手は勝負に出る。このレースだけでも好成績を残し、

ワールドカップ、そしてその次に繋げたい。

しかし、はやる気持ちが滑りに現れない。

残念ながらコースアウトに終わる。


今はまだ、キャリアを積み上げている途中。

そう割り切れるほど淡泊になれないのが村岡選手。

貪欲に攻めていきたいが、まだ思うように滑れない。

焦る気持ちと戦う技術系レースとなっている。


男子Standingクラス。

小池選手が先陣を切る。

が、次々とリーダーズボードでの順位を下げていく。


三澤選手が好位置に滑り込む。

前日の雪辱は始まっている。


東海選手は、それまでに滑った中では最後尾フィニッシュ。

「キング」の復調はワールドカップに持ち越しか。


いったい、この差をどうすればいいのか?

そう悩むのは伊藤選手。

両足が健脚の彼には、障害は「言い訳」にならない。


3人おいての山崎選手。

逆に、彼は「義足だから」と、言うことは簡単だろう。

しかし、そう口にした瞬間に、自分自身がレーサーではなくなってしまうことを知っている。

「道具」でもある義足のフィーリングを、より確かなものにしていきたい。


その15分ほどの後、男子Sittingクラスがスタートする。


まずは森井選手が切り込む。


それを塗り替えたのは鈴木選手。

1秒以上突き放した。


狩野選手も負けてはいない。

森井選手を上回り、2番時計をマーク。


夏目選手は、じわじわと水が押し寄せるように調子を上げていく。

トップとの差を縮めているのは明らかだ。


テクニックでは負けてはいない谷口選手にも、

鈴木選手の背中が見え始めたに違いない。

次に繋がる1本だったと感じているはずだ。


Sittingでは、ひとりだけ取り残されたか横澤選手。

自分の滑りを見いだせないままのフィニッシュとなった....


以上、1本目の結果はこうなりました!

女子Sittingクラス

1本目順位 2本目スタート順

  4位      4番目    田中佳子選手
  6位      2番目    村岡桃佳選手
  DF               青木辰子選手

男子Standingクラス

  5位      11番目    三澤拓選手
  10位      6番目    小池岳太選手
  12位      4番目    東海将彦選手
  19位      19番目    伊藤史雄選手
  21位      21番目    山崎福太郎選手   
  DS               阿部敏弘選手

男子Sittingクラス

  1位      15番目    鈴木猛史選手
  2位      14番目    狩野亮選手
  4位       12番目    森井大輝選手
  8位       8番目    夏目堅司選手
  11位       5番目    谷口彰選手
  20位    20番目(ぐらい?)横澤高徳選手。


見所は、まずは三澤選手の巻き返し。

2.26秒差は、表彰台まで射程圏内でしょう。


そしてジャパンチームが演出するSittingクラスの混戦も目が離せません。

1.01秒差で4位の森井選手まで、ジャパンチームは3名がランクイン。

もしかしたら、表彰台独占もあり得ます(^^


最後の最後、ガツンといっちゃってくださいね!


1本目のリザルトに夢中になってて気がつきませんでしたが、σ(^^は汗ばんでいます。

2本目への期待で興奮の汗かと思いましたが、そうでもなさそう。

まわりの観客たちには、Tシャツ姿も見受けられます。


そう、とうとう気温は「プラス」に突入です。

スタート地点、フィニッシュ地点ともに、「プラス」の1.1℃!
 
アルペンレーサーにとって、ここまで暖かいのは「Very very 大迷惑」なのですが、

それもこれも「自然との闘い」です。

やれることをしっかりとこなすだけ(^^


では、2本目のコース設定を確認!

セッターは、あの、GRAHAM Steve氏!

ターンのリズムを長めに設定する、オーストラリアの「あの」コーチ!


ゲート数48、ターン数47と1本目より多くなっていますが、

そのリズムは、悪く言えば「間延び」を感じてしまうかも知れません。

σ(^^は嫌いじゃないんですけどね♪ソンナコタァドウデモイイカ....


そんなコース、ジャパンチームはどのように分析したか?


村岡選手がまずスタート。

1本目とほぼ同タイムの滑りは、

ターン数が多い割に、ターンスピードが上がっている証拠。

セッターのクセというものを理解して次に繋げたい。


田中選手は、逆にタイムを落としてしまう。

このリズムは苦手か?


男子Standingクラスは、東海選手から。

1本目より2秒縮めたタイムで降りてきた。

足に負担の少ないセットだと、その実力は発揮されそうだ。

復調間近だと信じたい。


小池選手は、こんなはずではないと内心思っているかも知れない。

自分の実力にやや及ばないタイムでNORAMカップを終了した。


GiantSlalom(大回転:GS)と同様に下克上を狙う三澤選手、その自信もある。

気の持ちようはスタートの瞬間からシルエットに現れる。


ターン弧が長く設定された2本目。

SLレーサーがトレースすべき「センターライン」から、体の重心が全く外れない。

「SLが得意」と公言してはばからない彼は、その滑りをまざまざと周囲に見せつける。


最終的に1本目ビハインドが響いた結果となったが、

そのマージンに助けられた表彰台の選手たちは、背中に冷たいものを感じていた。


伊藤選手は、1本目から大きくタイムを落とす。


今回は義足の具合が良かったと実感したのは山崎選手。

そのフィーリングに磨きを掛けて進んでいきたい。


男子Sittingクラス。

ジャパンで始まりジャパンで終わるNORAMカップ。

そんな熱戦を観客たちは待ち望む。


谷口選手も何かを掴みかけているひとり。

ワールドカップまで余り時間はないが、このまま上り調子でいて欲しい。


滑り終えて、まずトップに立つということが多くなった夏目選手。

「ソチ」では台風の目となるか。


会場の空気が緊迫し始める。

Day6は「Japan day」となるのか。


まず、先制するのは森井選手。

彼はこのコース設定に勝機を見いだしている。

針の穴をつくようなギリギリのところだが、鈴木選手の牙城は崩せると感じていた。


フィニッシュの瞬間、それをなしえた実感を、

それまでの合計タイムを大きく上回る表示とともに確信した。


しかし、その「針の穴」を他の選手も当然のように狙ってくる。

DUECK Josh選手が、わずかコンマ29秒だが上回った!

ギリギリのプッシュを実らせた彼は、森井選手を2番手に後退させた。


リーダーズボードの表示が切り替わった次の瞬間、観客たちは大きなため息を漏らした。

その見上げる視線の先には、大きな雪煙が舞い上がっている。

観客のざわめきをかき消すかのように咆哮を上げた狩野選手だったが、

大きく落としたタイムを回復させることは出来なかった。


どんな「精密機械」でもほころぶ瞬間はある。

2本目のインスペクションから、その予感はうすうす感じていた。

もしかしたらGRAHAM Steve氏が、故意にこの瞬間を「演出」をしたのかも知れない。


鈴木選手はいらだっていた。

彼が最も不得手とするリズムに嵌められていたのだ。

少し、ほんの少しだけ狂い始めるリズム。

耐えることしかできないもどかしさ。


その時点でのトップ、DUECK Josh選手とのコンマ76秒というマージンも、

あてにすることは出来なかった。


たった40秒強という時間。

長い。

焦れば焦るほど、相棒であるチェアスキーが、スキー板が、

明らかにおかしな動きを見せる。


かいくぐるケートの、流れるスピードが明らかに遅いことにいらだつ。

自分から仕掛けられないことにいらだつ。

まるで溶けたバターの中を泳ぐような、もどかしさと気持ち悪さ。


観客の大歓声が耳に入り始める。

フィニッシュに繋がるセンターライン。

見えている。

しかし、いらだつ。


自分には、まだこんな「落とし穴」があった。

この経験は、このレースで手に入れた栄冠よりも貴重だった....


聞こえますでしょうか!

このフィニッシュエリアの大歓声!

コンマ29秒差で逃げ切った鈴木選手が、

チームメイトから手荒い祝福を受けています!


ジャパンで始まりジャパンで終わるNORAMカップが、これで完結しました!

2本目をコースサイドでレースを終えた横澤選手も、今、祝福の輪に加わりました!

鈴木選手、おめでとうございました!


最終のリザルトの確認です!

女子Sittingクラス

4位 田中佳子選手
6位 村岡桃佳選手
DF 青木辰子選手

男子Standingクラス

 4位 三澤拓選手
 9位 小池岳太選手
10位 東海将彦選手
18位 山崎福太郎選手
19位 伊藤史雄選手
 DS 阿部敏弘選手

男子Sitingクラス

優勝 鈴木猛史選手
3位 森井大輝選手
5位 狩野亮選手
8位 夏目堅司選手
9位 谷口彰選手
 DF 横澤高徳選手


まずは、ひと区切りといったところでしょうか。

これから、「ソチ」の代表選考が本格化します。


日本障害者スキー連盟が公表している基準

その追加推薦は2月に発表されるはずです。

そのためには、新年から始まるワールドカップで大暴れ、

アッピールする必要があります(^^


残念ながらワールドカップの出場資格を得られなかった選手もいますが、

それも厳しい勝負の醍醐味。

この分岐点も、「ソチ」というドラマのひとつです。


取り急ぎ、チームのみんなに伝えたいことは、お疲れ様でした!のひと言。

残りのトレーニングを無事にこなして、胸を張って帰ってきてくださいね!(^^

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