本当にお寒うございます。
みな様方におかれましては、体調その他もろもろ、くれぐれもつつがなきよう(^^
何でも、今期最強の寒波が襲来したとかで、
今朝はσ(^^の通勤もブラックアイスと戦う道中になりました。
「大寒」と聞けば、さもありなん。
今期は、BSの新タイヤをインストールしたのですが、
これが実に素晴らしいタイヤで。お陰さまで、楽しく路面と戦うことが出来ました♪
さて、そんな寒い朝から遡ること約1週間、
障害者アルペンスキーワールドカップPanarama大会が最終日を迎えていました。
種目は高速系のSuper-G(スーパー大回転:SG)です。
(リザルトはこちら)
まずは大会ひと区切りのレースの模様はいかがなものだったか?
いつものように「山本新之介のワールドカップをまるで見てきたような観戦記」をお送りします!
その前に....
最近、このブログにお越しの方が急増しておりまして、いま一度のお断りをしておきます。
「見て来たような観戦記」は、公表されているリザルトの情報のみを頼りに、
止めどなく「妄想」を重ねて書き進めています。
リザルトに記載のあること、またはそこから読み取れること以外は、
全て「フィクション」ですので、間にお受けにならぬようお願いいたします(^^
くれぐれも、「事実と違うじゃねーか!」と訴えたりしないでくださいね♪
ところで、リザルトの情報のみが頼りとはいえ、
今回のSG、一部では「ドラえもん」がレースに荷担したという事もささやかれています。
どのようなレース展開だったのか、「妄想」すら出来ないのもこのレースの特徴でした。
いろいろと「ぶっ飛ばす」ことになるSGレース。
では、現地の状況を確認していきましょう!
使用されたのは、PANORAMA MOUNTAIN VILLAGEスキー場の「Skyline」コース。
スタート標高1,802m、フィニッシュ標高1,236m、標高差566m、コース延長2,120m。
コースセッターはアメリカチームのコーチです。
ゲート数は36、ターン数も同じ数で36。
標高差に対するターン数は6.4%の、
ルール上最小のターン数を下回るハイスピードコースです。
天候と気温、それに雪質は公表されていません。
多分ですけどね、前日のGiantSlalom(大回転:GS)と同様に、
かなり暖かいコンディションだったのではないでしょうか。
ルールでは最小ターン数は40になるはずなので、
コースが荒れてレースにならないような事態を、
出来る限り避けようという目論見だったのでは?
標高差684mのDownHill(滑降:DH)が31ターンで競われたのと比較しても、
そんなに多くのターンが設定されたということではなさそうです。
では、我らがジャパンチームのスタート順を見てみましょう!
女子選手は11カ国24名。
Sitting(チェアスキー)クラス
24番 村岡桃佳選手
男子選手は17カ国59名。
Standing(立位)クラス
45番 小池岳太選手
51番 三澤拓選手
Sittingクラス
60番 森井大輝選手
62番 夏目堅司選手
63番 狩野亮選手
68番 鈴木猛史選手
77番 谷口彰選手
と、なっています。
泣いても笑っても1本勝負の高速系レース。いよいよ始まります!
....インスペクションの時から、村岡選手は苦戦することを予想していた。
ターン要素の強いSGならば自信があった。
その体格から表現される世界最深のバンク角と、
雪面に対する最少の荷重量が彼女の最大の武器だからだ。
しかし、このコースでは浅めのターンで、ただひたすら重力に身を任せるレースになる。
慣性重量の少ない彼女にとっては、その体が恨めしいコースになっていた。
この条件、チームメイト以外はおそらく理解出来ないだろう。
それはつまり、レースだからだ。
どのような条件でも勝てるレーサーにならなくてはならない。
この辛さ、悔しさ、いずれ晴らしてみせる。
伸び悩んでいるのは小池選手。
本来ならば、その類い希なる技術力で戦いたかったのだが、
自らが仕掛けられる要素の少ないレースでは、フラストレーションもたまる一方だった。
IT1~IT2の区間では2番手と、好タイムで滑り降りたが、
IT2以降で痛恨のミスを犯してしまう。
コースの恩恵を受けられなかったのは、三澤選手も同様。
Standingクラス唯一の1本スキーで戦うLW2の選手。
「係数」である程度は救済されるとしても、
滑走面に掛かる摩擦係数は、単純に考えても他の選手の「倍」。
ターン技術で戦う要素が少ないコースでは、当然のように苦戦を強いられた。
Sittingクラス、ジャパンチーム一番機は森井選手。
好調の波に乗りきった不動のエースに死角はない。
クラス3番手と早いスタートから、見るものを閉口させる程のスピードとタイムを叩き出す。
ひとり空けてのスタートは夏目選手。
IT1~IT2の区間タイムはクラス2番手をマーク。
これまでに取り組んできたことが着実に芽を出し始めた実感がある。
「ソチ」までの短い期間でさらなる飛躍を遂げたい。
まずは満足のいくフィニッシュだった。
間髪入れず狩野選手がスタート。
ここPanaramaでは、彼に女神はほほえんでいない。
だが、失意に浸るほど彼は弱くもなかった。
IT1。
「またか」と自分に嘯くほどのタイムしか出ていないとはっきり解ったが、
その直後から、歯車が噛み合い始める。
ゲート際を抉るようなスタイルは彼の持ち味。
フィニッシュへ続く最速ライン。
見えている。
行ける。
IT2以降、重力を最も味方に付けたのは彼だった。
リーダーズボードに掲げられた彼の名は森井選手の一段下。
ようやく胸をなで下ろす事が出来た。
しかし、0.6秒差。
森井選手は15m先でフィニッシュしていた事を瞬時に覚る。
もう少し、もう少しだ。
逆に、後半区間で急速にスピードを落としてしまったのが鈴木選手。
彼のいつもの照れ笑いも、少しぎこちない。
「Licencier le Morii」
これまで幾多のライバルたちが、それだけを狙ってスタートを切った。
しかし、止めるどころか、その差を1秒以内に収められたのは狩野選手ただひとりだった。
「Dans ma gloire」
DUECK Josh選手(CAN)は胸に秘めていた。
コーチからもたらされた分析では、
森井選手はIT1~IT2区間でタイムロスをしていること、
IT1までが速すぎた事が解っている。
そして、コースは荒れてしまっているということも。
突破口はある。
IT1までを耐え、それ以降、自分の限界に挑むことだ。
勝算?なければスタートしない。
まずはゲート3つ。
ここが決まらなければ勝負にならない。
4つ、5つ。気にいらない。
「この区間、なぜMoriiはそんなに速く?」
DUECK選手の体内時計が表示するタイムは彼を舌打ちさせるに十分だった。
同時に舌打ちしていたのは彼のコーチ。
手元のストップウォッチは1.7秒という圧倒的なタイム差を示していた。
巻き返せるのか?
同じようにIT2で時計を握るコーチに、無線で通過を知らせる。
荒れているはずの雪面。
DUECK選手のライン上には、ギャップが無いように見えた。
限りなく少ない雪煙。
緩まない落下スピード。
そのシルエットに、一瞬、手元が震えたが計測ミスは絶対にしない。
IT2で、コンマ9秒近く短縮された森井選手との差。
DUECK選手には、20mほど先に獲物のゴーストが見えていた。
少しずつ近づいている。
ゲートはあと10。
大きくなる森井選手の背中。
彼のラインよりインを抉る。
あと3つ。
間に合うか?
フィニッシュが見える。
飛び込め。
見上げたリーダーズボード。逆光に遮られた。
目を凝らすDUECK選手の耳に飛び込むジャパンチームと観客の歓声。
「負けた....」
0.54秒差。
果てしなく遠い0.54秒だった。
もう、見慣れた光景のフィニッシュエリアだった。
谷口選手の焦燥感は極限まで募っている。
何をどう試そうと、自身の滑りが好転してこないのだ。
復調への最短距離。
それは、かつてのイメージの再現なのか、
全く新しいアプローチが必要なのか。
それとも他に方法があるのか。
まだ焦る時期ではないと理解はしているが、
彼のキャリアを持ってしても、迷い込んだ迷路は深く暗い....
GSに続き、森井選手連勝!
おめでとうございました!
そして、お待ち申し上げておりました(^^
狩野選手もポディウムゲット!
DUECK選手とは0.06秒差ですから、本当に惜しい3位でした♪
では、最終結果を整理します(^^
女子Sittingクラス
6位 村岡選手
男子Standingクラス
10位 小池選手
17位 三澤選手
男子Sittingクラス
優勝 森井選手
7位 鈴木選手
3位 狩野選手
6位 夏目選手
20位 谷口選手
以上です!
「ソチ」へ向けて、海外勢も順調に仕上げているようで、
なかなか厳しい戦いになっていますね。
これからもますます激しいレースが続くでしょう♪
これでPanarama大会は閉幕し、
次回はNORAMカップの会場であったCopperMt.スキー場へ場所を移します。
CopperMt.では、GS2レース、Sallom(回転:SL)2レースが開催予定です。
熱戦はどこまでアツくなるのか、乞うご期待!(^^
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