遅ればせながら、白馬入りです(^^;
σ(^^が住んでいる京都府は舞鶴市より、車で5時間半の行程。
北陸道糸魚川ICを降りて、さらに1時間半!
なかなかにシビれる距離ですよ♪
ところが!リザルトのみを頼りに書き進める、
「山本新之介のジャパラをまるで見てきたような観戦記」は、
自宅にいながらにしてレースを楽しむことが出来るのです!
σ(^^;が「妄想」に身を任せて悦に浸っているだけですけどね♪
さて、国内最高峰の障害者アルペンレース、
「ジャパンパラ冬季競技大会アルペンスキー競技(通称:ジャパラ)」が、
スキー界では「聖地」とも言われる白馬八方尾根スキー場で開催されました!
ジャパラの開催は例年3月なのですが、
今期はパラリンピックイヤーということもあって前倒しのこの時期です。
「ソチ」までの調整を考える上でもこの時期の開催は最適ですし、
なによりも、3月の「春スキー」レースはうんざりです(^^;
3月は雪が柔らかい上に、雨に降られることもしばしば。
いい雪でのレースは、滑る方も見る方も楽しいものです♪
まずは、25日に行われたGiantSlalom(大回転:GS)の模様から見ていきましょう!
リザルトをお手元にどうぞ!
IPCフォーマット(男子のみ)
国内格式(女子、男子)
前日の24日、気象台白馬観測所で記録された最低気温は-13.5℃。
日中は穏やかな晴れでした。
てことはなんですか?
日中に少し溶けて緩んだ雪面が、
今朝の冷え込みでよく締まったということですか?(^^
25日の最低気温は-9.1℃ですから、
いいレースバーンが出来上がったのか?と、
ワクワクしながらコースへ上がります。
使用されるコースは長野オリンピックの会場ともなった「オリンピックコースⅡ」。
そのリフト乗り場のたもとにある駐車場が大会専用になっています。
すでに、たくさんのスタッフの方々のサポートで、選手たちはリフトに乗り込もうとしていますね。
特にチェアスキーヤーは、スタッフ様々なのです(^^
チェアスキー本体とスキー板を、車いすの乗り換え場所へ移動。
そして乗り換えが終わった車いすを、通路を避けて整理整頓。
チェアスキーヤーがスムーズにゲレンデにアクセス出来るのも、
こういったサポートスタッフのおかげです。
本当にありがとうございます!(^^
インスペクション(コース下見)の時間に間に合うようにリフトに乗り込む0715時。
まだ空気は冷たくて、とても心地いい時間です。
もうすでに日は昇っているはずですが、雲が多くてそのお姿を拝むことが出来ません(^^;
天気図でも、高気圧と低気圧がせめぎ合っていて、気圧の谷が真上にいるような状態です。
そりゃ、雲は多くなるわなぁ....
コースへ上がる「国際第1ペアリフト」で10分程度揺られると、GSのスタートハウスはすぐそこ。
インスペクションの開始を今かと待ちわびる選手たちで混雑しています。
「オリンピックコースⅡ」には名物「タテッコ」といわれるバーンがあります。
最大斜度が35°という、圧雪車ですら自力で上がれないほどの急斜面!
ここの最上部がスタート地点。
「タテッコ」を降りきると、
「馬止めジャンプ」の棚、
咲花ウェーブ」の緩斜面と続いて、
その先でフィニッシュです。
このコースの見どころはやはり、「タテッコ」の攻略でしょうね。
35°の斜度。
それはスキージャンプの助走路とほぼ同じの傾斜と言えば、その凄さがよく解りますね(^^
そんな斜面を、正確なターンと圧倒的なスピードで駆け下りてくる訳です。
ここが見ものじゃなきゃなんだ?って話です♪
でも、本当の勝負は「馬止めジャンプ」から先にあるとσ(^^は考えています。
言うまでもなくアルペンレースは、タイムを競う競技です。
つまり、スピードダウンは即、「致命傷」となります。
「咲花ウェーブ」は2つの大きな「うねり」がある、単調ではない「緩斜面」です。
ここでスピードを維持出来なければ、どんなに「タテッコ」でいい滑りをしても台無しになるんです。
また、スキー技術もさることながら、
滑走面に施したワックスの仕上がり具合も大切な要素。
いかにスキーを滑らせるかがこの区間のポイントです。
スタート標高1,192m、フィニッシュ標高904m、標高差288mというコースプロファイル。
そして、そこに1本目の戦場を設定したのは、ジャパンチームの志度コーチ。
ゲート数35、ターン数33。
標高差に対するターン数が11.5%で、
ルールで規定されている標高差(11%~15%)では少なめです。
曇っていた白馬上空にもお日様は顔を出し始め、
「PartlyCloudy(晴れ時々曇り)」と天候は回復傾向。
当然、気温は上がり始めました。
1本目、スタート地点で-4℃、フィニッシュ地点は-2℃。
これ以上暖かくなったらσ(^^はイヤになってグダグダ言い始めます♪
案の定、雪面も緩み始めて、
スタート地点では「Hard」なのに、フィニッシュ地点では、すでに「Soft」。
多分、「馬止めジャンプ」あたりから緩んでいるんだろうなぁ....
ちょいと面白くない状況です(^^;
でも、ジャパンチームにとっては、好都合らしいんですよ。
なんでも、「ソチ」の雪質は日本によく似ているんだとか。
だとするならば、走り慣れたこのコースでの感覚は、最高のトレーニングになります。
みんな、鼻息が荒かったでしょうね(^^
では、1本目のスタート順を見ていきましょう!
女子Sitting(チェアスキー)クラス
2番 村岡桃佳選手
3番 大日方邦子選手
4番 原田紀香選手
男子Standing(立位)クラス
10番 三澤拓選手
11番 阿部敏弘選手
12番 伊藤史雄選手
13番 山崎福太郎選手
14番 春日寛人選手
男子Sittingクラス
15番 森井大輝選手
16番 夏目堅司選手
17番 狩野亮選手
18番 鈴木猛史選手
19番 谷口彰選手
20番 横澤高徳選手
23番 山本光文選手
24番 今野英樹選手 以上です!(^^
女子Sittingクラスは、成長著しい村岡選手が「元女王」の大日方選手に牙を剥く!
男子Standing、Sittingの両クラスの「代表組」の仕上がりはいかに?
そして、Sittingクラスでは韓国勢の襲撃をいかにかわすか?
最後の最後、土壇場での「代表」入りを賭ける横澤選手、そして、
「元ナショナルチーム」山本選手はどのように戦うのか?
いよいよ、ジャパラDay1、GSレースの始まりです!
その前に(^^
スタート前、前走者がコースの試走をするのですが、
その2人目に「RINPEI S」とありますなぁ。
野沢温泉の「りんぺー君」でしょうか♪
チェアスキーを始めてまだ間もない彼ですが、
森井選手を始め、みんなが寄って集ってビシビシと指導しているものですから、
メキメキと実力をつけ始めています(^^
この前走を引き受けたということは、
来期のレースデビューに備えてのことかな?(^^
また新たなタレントが誕生する予感♪
さあ、前走が終わり、女子のレースがスタートします!
....緊張の色が隠せない。
今期のジャパラは、彼女にとってその意味を大きく変えた。
大日方選手の引退と入れ替わるようにレースシーンに現れた村岡選手。
「代表」入り、そしてワールドカップでの初優勝。
国内の注目度は、これまでとは桁が違う。
スタートハウスから見える景色も、昨期とは違って見えているはずだ。
何よりも背中に感じる「元女王」のオーラに息苦しくなる。
無我夢中のスタート。
ようやく平静を取り戻したのは、しっかりと滑り降りたフィニッシュエリアであった。
「速くなったわねぇ」大日方選手は、「新旧交代」を喜ぶ気持ちを前面に出す。
村岡選手の成長を「知ってはいた」が、自らのタイムと比較して、さらに「実感」を強めた。
彼女に伝えられること、それはますます高度な要素を含んでいくことになる。
圧巻は三澤選手。
Standingクラスでは、頭ひとつ抜け出すタイムを叩き出す。
同じく「代表組」の阿部選手は、後塵を拝した形となった。
ここでもふたりの戦いは続いている。
伊藤、山崎の両選手は、「因縁」と言えるほど競り合うケースがほとんど。
1本目のその差はわずか0.51秒。
この戦いに終止符が打たれるのはいつのことだろう。
森井選手に死角無し。
万全の滑りで他を圧倒。
「庭」のようなこのコース、
森井選手の滑りに引っ張られるように加速していく夏目選手だが、プッシュしすぎたか。
DidNotFinish(途中棄権:DF)に終わる。
狩野選手。
森井選手を逃がしたくない。
地元長野でのレースはなおさらだ。
しかし、ターゲットのスピードは速すぎた。
食らいついたのは鈴木選手。
0.81秒差は射程圏内か。
いや、2本目は厳しい戦いになると感じていた。
「地元」という恩恵に最も預かったのは谷口選手だろう。
辛く長い自分との戦いに明け暮れたこれまでの遠征だったが、白馬のレースでは気分も一新。
トップとのタイム差は大きいが、狩野選手からは1.19秒落ち。
1本目は胸をなで下ろした。
歯車は確かに回り始めている。
悲運は、横澤選手を襲った。
クラッシュによる深刻なダメージは、
彼から以降のスタートの機会を奪ってしまう。
横澤選手のジャパラは終了した。
韓国勢、そして、しばらくレース活動から離れていた山本選手は、相次いでミスを犯す。
それに加え、ジャパンチームの仕上がりの良さが、彼らに絶望的なタイム差を与えてしまう....
んー、エントリーが少ないとはいえ、やはりドラマは生まれますねぇ(^^
では、1本目の順位を確認しましょう。
女子Sittingクラス
1位 村岡選手 0.00秒差
2位 大日方選手 2.52秒差
3位 原田選手 27.95秒差
男子Standingクラス
1位 三澤選手 0.00秒差
2位 阿部選手 1.68秒差
3位 山崎選手 6.53秒差
4位 伊藤選手 7.02秒差
5位 春日選手 94.19秒差
男子Sittingクラス
1位 森井選手 0.00秒差
2位 鈴木選手 0.81秒差
3位 狩野選手 2.44秒差
4位 谷口選手 3.63秒差
6位 山本選手 10.69秒差
8位 今野選手 25.82秒差
DF 夏目選手
横澤選手
以上のようになりました(^^
さあ、2本目です(^^
コースセッターは韓国チームのコーチです。
ゲート数34、ターン数32、対標高差が11.1%と、さらにターン数が少なくなりました。
でも、かなりクセのあるセットになっているようです。
雪面の緩み方にもよりますが、1本目よりタイムは落ちるでしょうね。
少しずつ気温も上昇傾向。
スタート地点で-2℃、フィニッシュ地点は0℃。
雪面がスタート地点で「Hard」、フィニッシュ地点は「Soft」、天候は「PartlyCloudy」と、
1本目と同じ表現ですが、とどのつまりは「いい天気」。
雪面の「緩み」は進んでいるでしょうね。
1本目より、少しだけ優しく優しくターンする必要がありそうです。
そして、滑走面のケアも忘れてはなりません。
後半の緩斜面で勝負が分かれるということは、
その後半までにワックスを保たさなければなりません。
前日にレース用板を仕上げる訳ですが、
むゃくちゃ滑るむちゃくちゃ高価なワックスは、
レースの2本分、最後まで保たないことがよくあります。
そのため、スタート地点では改めてワックスを塗り直す選手もいるぐらいで。
すでに勝負は始まっているのがよくわかります(^^
その勝敗を決する2本目、スタートリストの確認です。
女子Sitting(チェアスキー)クラス
1番 原田選手
2番 大日方選手
3番 村岡選手
男子Standing(立位)クラス
1番 春日選手
2番 伊藤選手
3番 山崎選手
4番 阿部選手
5番 三澤選手
男子Sittingクラス
1番 今野選手
3番 山本選手
5番 谷口選手
6番 狩野選手
7番 鈴木選手
8番 森井選手
以上の順番でコースへ飛び出します!
そしてその前に、前走で飛び出すのはりんぺー君!
彼の滑りは見たかったぞ!!(^^
さあ、いよいよ2本目のスタートです!!!
....大日方選手の指導は的を射ていた。
まるで「実の妹」のような愛情をかけた、
豊富な経験に基づいた理論での指導は、
彼女のすぐ後ろにいる後輩を急成長させた。
これまでは「口頭」での指導だったが、
これからは実技を「見せる」ことが大日方選手に求められることになるだろう。
背中を見せてスタートすることは、大きな意味を持つ。
もちろん、村岡選手は、そのような指導方針の変更を直接的に聞いてはいない。
「見て盗む」。
それが出来るか否かが、彼女のこれからに必要なスキルだとよく理解しいている。
大日方選手の姿が見えなくなるまで、スタートハウスで目を凝らした。
45秒後。
直前に刻まれたレコードラインをトレースし始める。
そんなところを通ったのか?
目を疑う。
彼女のベストラインよりも、大日方選手はイン側を抉っている。
自分も「そこ」を通らなければ、「女王」には近づけない。
「ソチ」で出会うことになる巨大な壁を乗り越えるためにも。
伊藤-山崎戦。
もう何番の勝負が繰り広げられたか数え切れない。
今回は、時計が勝敗を判定したのではなく、山崎選手のコースアウトで結末を迎えた。
ワールドカップには参戦せず、国内での調整に集中していた阿部選手。
名レーサーは、どの場所であってもトレーニングの質を高めることが出来る。
クセのあるゲートセッティングを、難なくクリアしていく姿は、そのことを証明した。
2本目、逆に後塵を拝したのは三澤選手。
阿部選手から0.87秒遅れとなる。
1本目のマージンに助けられたが、自身の課題へ取り組む必要を改めて感じていた。
1本目、そろってタイムを落とした韓国勢、そして山本選手だったが、
今度は、そろって自らの持てる実力を表現した。
やはり、1本目の滑りが悔やまれる。
水を得た魚。
この時の谷口選手をそう表現しても憚るところはないだろう。
長いキャリアの中で培った実力はまだ褪せていない。
堂々のタイムでフィニッシュ。
2本目、狩野選手はそのタイムに届かず。
1本目のマージンを削られたが、リーダーズボードの最上段はキープした。
しかし、1本目に背負ったビハインドは、そう簡単に取り返せないだろう。
このあとのふたりが速すぎる。
GSで森井選手に勝つ。
それは「世界」で戦う全てのチェアスキーヤーが貪欲に求めている事だ。
鈴木選手もそのひとり。
今期は互角に戦うことが多くなってきた。
この2本目、逆転を狙う。
そのスタートを見送る森井選手。
全身全霊を賭けた戦い、そしてそれに勝利することを何よりの喜びと感じている。
例えその対象が誰であろうと、だ。
ここ白馬の戦場は、彼らにとっては「ソチ」と既に同義。
守る戦いは不要だ。
急斜面中盤にさしかかる。
見慣れたヘルメットのチェアスキーヤー。
猛史?
次の瞬間、強大な遠心力が、雪面から森井選手の体ごとコースから引きはがす。
ふたりの勝敗は、コースサイドの同じ場所で痛み分けとなった....
男子Sittingクラスは、こんな結末だったのでしょうか(^^;
「レースは水物」とはよく言ったものです。
では、その結末をおさらいします♪
女子Sittingクラス
優勝 村岡選手
2位 大日方選手
3位 原田選手
男子Standingクラス
優勝 三澤選手
2位 阿部選手
3位 伊藤選手
4位 春日選手
DF 山崎選手
男子Sittingクラス
優勝 狩野選手
2位 谷口選手
4位 山本選手
6位 今野選手
DF 森井選手
鈴木選手
夏目選手
横澤選手 以上です♪
この内容をじっくりと見てますと、大変面白い事が解ります。
2本目の大日方選手の滑りは、素晴らしいタイムでした。
全選手を通して2番目スタートの大日方選手が滑った跡は、
はっきりくっきりと村岡選手には見えていたはずです。
その「最速ライン」をきっちりとなぞった村岡選手は、大日方選手に遅れること0.3秒。
これはものすごいことですよ。
村岡選手の吸収力と表現力、マジッパねぇ(^^
男子Standingクラス優勝の三澤選手は、
ワールドカップでも痛感した「2本揃える難しさ」を改めて感じた事でしょう。
男子Sittingクラス優勝の狩野選手も同じ思いだったに違いないはず。
ところで、何よりも谷口選手が調子を取り戻し始めたことが喜ばしい(^^
これをきっかけに「ソチ」まで駆け抜けて欲しいものです♪
2本目の森井選手と鈴木選手は、どんなDFだったのかなぁ?
「見てきたように」書きましたが、本当のところは解りません。
このあたりが「観戦記」の限界ですね(^^;
まあ、妄想主体で嘘八百の「観戦記」、そのあたりは割り切って頂ければ幸いです♪
では、次回はDay2のSlalom(回転:SL)レースの模様をお送りします!
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