一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年12月25日水曜日

人間、いろんな感情がありますなぁ....

いくつ歳を重ねても、

ワクワクドキドキという感情が沸き上がってくるのは、

大変嬉しいものでございます(^^


「ああ、このまま年老いて死んでいくだけなんだなぁ」

などと思うこともたまにあったりしますが、

いつまでも少年のように、興奮する瞬間を持ちたいなと思います。

誰ですか?そこで「ぷっ」と笑った人は?(^^;


昨日、ソチパラリンピック代表選手(アルペン、ノルディック)の一次発表がありました。

内定をもらっていた選手たちも、さらに気持ちを高めて突き進んでいくことでしょう。


σ(^^も、「秘密兵器」について関わっていることもあって、

まるで自分自身が代表にでもなったかのようにワクワクドキドキしてます。

彼らがどんな活躍を見せてくれるのか、「本番」が待ち遠しくてなりません♪


森井選手がチームの目標である「金3つ」についてコメントしていました。

「アルペンだけで3つ獲る」

頼もしいと思う一方、本当は、

「自分ひとりで3つ獲る」

と言いたかったんじゃねーの?なんてことも考えちゃいました(^^

本当に楽しみ楽しみ♪


一方では、σ(^^;の中に少し「黒い感情」もあることに気がついています。

「ソチ」へ。

そう思い続けていた相当な時間があって、

結局、夢果たせずに今を過ごしているσ(^^;にとって、

この発表に「嫉妬」してしまってもいます。


かつて2輪レーサーを目指して、そして足を潰して、

「フェンスの外側」にいることを強いられてしまった時の感情。

「そこには居られない」という寂しさ。

「スズカに忘れてきた何か」をもう一度探すために始めたチェアスキー。


結局、その「何か」は手に入らなかった訳で、

2輪にしてもチェアスキーにしても、

何もかもが自分に至らないところがあった結果でしかないんですけどね。


だとしても、やっぱり、溢れてくるいろいろな思いにやや平静を保てなかったりします(^^;

そんな思いも含めて諸々を、楽しんで過ごしたいものですが....


でも今回は、ごく一部だとしても「関係者」としての誇りもあります。

精一杯、σ(^^の出来ることを全てやりきって、

「あとは結果待ち」という状態で、吉報を待つことにします。

そう考えると、幸せな話ですなぁ♪


何はともあれ、あと2ヶ月強。

選手たちには「日の丸」を高々と、

そして数多く掲げて欲しいものです。


では、最後になりましたが、頂いたコメントのご紹介です!
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12月24日(火):「わしらをスキーに連れて行け....」

tohtah様のコメント

「歯はだいじょぶですか。
 ご無理なさらず。ご健闘お祈りします。
 てか、新兵器、気になりすぎ。」


ありがとうございました!

歯はですねぇ....
割れかけている奥歯を、削って、穴を開けて、神経を殺して、被せものをする治療中です。
痛みはだいぶ治まっていますので、楽になりました。
お気遣いありがとうございます!

「秘密兵器」、気になるでしょ?(^^
結果が出て、「箝口令」が解かれれば、
「犯行声明」を出しますのでお待ちください♪
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週末は、いよいよ菅平です♪

とっとと時間を見つけて、物置からスキー道具を掘り起こして準備しないと....(^^;

2013年12月24日火曜日

わしらをスキーに連れて行け....

ちまたでは、クリスマスイヴとかなんだとか....

σ(^^の誕生日の前日なんて、これっぽっちの感慨もありませんでしたが(^^;


タイトルは、「私をスキーに連れてって」をもじったものです(^^

誰も連れて行ってくれないし、連れて行く誰かもいないので、単独行と相成る訳で....


28日と29日、菅平高原パインビークスキー場へお邪魔します♪

もし、現地でσ(^^を見かけても、決して石を投げたり、エサを与えないでください。


久々のゲレンデ!とはいえ、遊びで行く訳ではないので、

まったりとした時間は取れないと思いますが....

何をしにいくかといえば、そう、例のアレです(^^

開発がいよいよ佳境に入りつつある中で、実地テストを目論んでいます。


「箝口令」の敷かれている中で書けることは限られていますが、

ジャパンSittingチームの好調からも想像出来るように、

かなり面白いテストになるのではないかと考えています♪

本当は、何もかもを書き散らかしたくてウズウズしているのですが、

何かを漏らしてしまえば「戦犯」となって永久追放されかねませんので....(^^;


しかし、あれだけ通い詰めた菅平なのに、

狂ったようにしていたスキーなのに、

まるまる1年を空けてしまいました。

もう、滑り方も忘れてしまっていることでしょう。

きっと、ゲレンデではリハビリから入る必要がありますな(^^;


それどころか、致命的な「忘れ物」をしそうで、怖くてたまりません。

心して準備しなければ(^^


あとですね、当日はチェアスキー協会競技部の講習会も予定されています。

懐かしい面々や、滑り始めた若いチェアスキーヤーたちもたくさん来るに違いない♪

そして、σ(^^はきっと、メカニックとして駆り出される事でしょう。

お役に立てると嬉しいんですけどね(^^


きっといろいろ「仕事」があるんだろうと考えると、

やっぱり、しっかりと滑る時間は無いかなぁ....


となると、朝イチ?

例によって0645時リフト前?


講習会の集合時間の0900時には、くたくたになるまで滑っておくか♪

2013年12月20日金曜日

ばいきんまんreturns....

歯ぁ、痛ぇっす....(^^;

ばいきんまんが、 は~ひふ~へほ~♪って....


虫歯じゃないんっすよ....

前のとまったく同じ状況....

しばらくはロキソニン漬けっす....


こんな時、アンパンマンがいてくれたら....

「さあ、ぼくの顔を食べて元気を出すんだ!」

無理っす....

何も噛めません....(^^;

2013年12月18日水曜日

分岐点:20131212CopperMt.SL2....

みなさんは、1週間とか、それなりにしっかりとした旅行ってされたことありますか?

σ(^^は無いんです。「遠征」はたくさん経験しているんですけどね。

それでも、一番長くて10日を少し越える程度ですが。


雪上でトレーニングに費やすということが年末年始の恒例行事で、

その間じわじわと張り詰めた気持ちがすり減って、体力は使い切って....

楽しく過ごせていましたが、結構しんどいものでした(^^;


今回のジャパンチームの遠征は11月下旬に出発し、

NORAMカップの6戦をこなし、

仕上げのトレーニングをこなして帰国。

本当に、チームのモチベーションには驚嘆です(^^


いよいよ、NORAMカップもDay6、つまり最終日。

Slalom(回転:SL)の第2戦が行われました。

リザルトはこちら(女子、男子)


パラリンピックの本番なら、感慨深い最終日となるんでしょうけども、

まだまだ長い「ソチ」への道すがら。

ほっと息をつくヒマなど、戦士たちにはありません。


10月のゾルデン合宿から始まったチームの活動。

このNORAMカップをひとつ目の区切りとして戦い、

その仕上がりを検証して、次のトレーニングに繋げる。

そんな重要なターニングポイントであることは間違いありません。


これからに繋げるためにも、

最終日のDay6は「気分良く」終わらせて欲しいものです。


では、現地の状況を見てみましょう♪

この日は、頭に「ド」がつく程のピーカン!

「今まで寒い思いさせちゃったりしてごめんねウフ」

とばかりにお日様が頑張った!

おかげで、迷惑なぐらいに暖かくなっちゃいましたよ(^^;


1本目の気温は、スタート地点、フィニッシュ地点ともに-2.2℃。

雪質は「Hard」という公式発表ですが、どこまで「Hard」なのやら。

前日までとは違って、雪面は荒れていくでしょうねぇ。


そのコースセットはカナダチームのコーチが担います。

スタート標高3,567m、フィニッシュ標高3,424m、標高差は143mのコースに、

46のゲート、45のターン。

規則正しく立てられたSLコースは、標高差に対して31.4%の標準的なターン数です。


一方、暖かいとテンションが上がるのが観客。

インスペクションタイムから大騒ぎ♪

中には、スキーウェアを脱いじゃってる人もいます(^^


待ちきれないスタート前のこの時間に、

いつものようにスタートリストの確認です。

女子選手は7カ国27名、男子は12カ国75名の選手がエントリーしています。


女子Sitting(チェアスキー)クラス

20番 田中佳子選手
21番 青木辰子選手
27番 村岡桃佳選手

男子Standing(立位)クラス

37番 小池岳太選手
44番 三澤拓選手
45番 東海将彦選手
52番 伊藤史雄選手
54番 阿部敏弘選手
55番 山崎福太郎選手男子

男子Sittingクラス

70番 森井大輝選手
75番 鈴木猛史選手
78番 狩野亮選手
80番 夏目堅司選手
83番 谷口彰選手
88番 横澤高徳選手

と、なっておりますが、阿部選手の姿は見えません。

やはり、前日の1本目にトラブルがあり、それはかなり深刻だということでしょうか。心配です。


....待ち望んだスタートはいよいよ!


女子Sittingクラス。

3番目スタートのJOINES Kimberly選手が、

いきなりとてつもないタイムを叩き出す。

前日優勝した第1戦の1本目とほぼ同タイム。


続けてフィニッシュした田中選手は大きく出遅れた。


青木選手は勝負に出る。このレースだけでも好成績を残し、

ワールドカップ、そしてその次に繋げたい。

しかし、はやる気持ちが滑りに現れない。

残念ながらコースアウトに終わる。


今はまだ、キャリアを積み上げている途中。

そう割り切れるほど淡泊になれないのが村岡選手。

貪欲に攻めていきたいが、まだ思うように滑れない。

焦る気持ちと戦う技術系レースとなっている。


男子Standingクラス。

小池選手が先陣を切る。

が、次々とリーダーズボードでの順位を下げていく。


三澤選手が好位置に滑り込む。

前日の雪辱は始まっている。


東海選手は、それまでに滑った中では最後尾フィニッシュ。

「キング」の復調はワールドカップに持ち越しか。


いったい、この差をどうすればいいのか?

そう悩むのは伊藤選手。

両足が健脚の彼には、障害は「言い訳」にならない。


3人おいての山崎選手。

逆に、彼は「義足だから」と、言うことは簡単だろう。

しかし、そう口にした瞬間に、自分自身がレーサーではなくなってしまうことを知っている。

「道具」でもある義足のフィーリングを、より確かなものにしていきたい。


その15分ほどの後、男子Sittingクラスがスタートする。


まずは森井選手が切り込む。


それを塗り替えたのは鈴木選手。

1秒以上突き放した。


狩野選手も負けてはいない。

森井選手を上回り、2番時計をマーク。


夏目選手は、じわじわと水が押し寄せるように調子を上げていく。

トップとの差を縮めているのは明らかだ。


テクニックでは負けてはいない谷口選手にも、

鈴木選手の背中が見え始めたに違いない。

次に繋がる1本だったと感じているはずだ。


Sittingでは、ひとりだけ取り残されたか横澤選手。

自分の滑りを見いだせないままのフィニッシュとなった....


以上、1本目の結果はこうなりました!

女子Sittingクラス

1本目順位 2本目スタート順

  4位      4番目    田中佳子選手
  6位      2番目    村岡桃佳選手
  DF               青木辰子選手

男子Standingクラス

  5位      11番目    三澤拓選手
  10位      6番目    小池岳太選手
  12位      4番目    東海将彦選手
  19位      19番目    伊藤史雄選手
  21位      21番目    山崎福太郎選手   
  DS               阿部敏弘選手

男子Sittingクラス

  1位      15番目    鈴木猛史選手
  2位      14番目    狩野亮選手
  4位       12番目    森井大輝選手
  8位       8番目    夏目堅司選手
  11位       5番目    谷口彰選手
  20位    20番目(ぐらい?)横澤高徳選手。


見所は、まずは三澤選手の巻き返し。

2.26秒差は、表彰台まで射程圏内でしょう。


そしてジャパンチームが演出するSittingクラスの混戦も目が離せません。

1.01秒差で4位の森井選手まで、ジャパンチームは3名がランクイン。

もしかしたら、表彰台独占もあり得ます(^^


最後の最後、ガツンといっちゃってくださいね!


1本目のリザルトに夢中になってて気がつきませんでしたが、σ(^^は汗ばんでいます。

2本目への期待で興奮の汗かと思いましたが、そうでもなさそう。

まわりの観客たちには、Tシャツ姿も見受けられます。


そう、とうとう気温は「プラス」に突入です。

スタート地点、フィニッシュ地点ともに、「プラス」の1.1℃!
 
アルペンレーサーにとって、ここまで暖かいのは「Very very 大迷惑」なのですが、

それもこれも「自然との闘い」です。

やれることをしっかりとこなすだけ(^^


では、2本目のコース設定を確認!

セッターは、あの、GRAHAM Steve氏!

ターンのリズムを長めに設定する、オーストラリアの「あの」コーチ!


ゲート数48、ターン数47と1本目より多くなっていますが、

そのリズムは、悪く言えば「間延び」を感じてしまうかも知れません。

σ(^^は嫌いじゃないんですけどね♪ソンナコタァドウデモイイカ....


そんなコース、ジャパンチームはどのように分析したか?


村岡選手がまずスタート。

1本目とほぼ同タイムの滑りは、

ターン数が多い割に、ターンスピードが上がっている証拠。

セッターのクセというものを理解して次に繋げたい。


田中選手は、逆にタイムを落としてしまう。

このリズムは苦手か?


男子Standingクラスは、東海選手から。

1本目より2秒縮めたタイムで降りてきた。

足に負担の少ないセットだと、その実力は発揮されそうだ。

復調間近だと信じたい。


小池選手は、こんなはずではないと内心思っているかも知れない。

自分の実力にやや及ばないタイムでNORAMカップを終了した。


GiantSlalom(大回転:GS)と同様に下克上を狙う三澤選手、その自信もある。

気の持ちようはスタートの瞬間からシルエットに現れる。


ターン弧が長く設定された2本目。

SLレーサーがトレースすべき「センターライン」から、体の重心が全く外れない。

「SLが得意」と公言してはばからない彼は、その滑りをまざまざと周囲に見せつける。


最終的に1本目ビハインドが響いた結果となったが、

そのマージンに助けられた表彰台の選手たちは、背中に冷たいものを感じていた。


伊藤選手は、1本目から大きくタイムを落とす。


今回は義足の具合が良かったと実感したのは山崎選手。

そのフィーリングに磨きを掛けて進んでいきたい。


男子Sittingクラス。

ジャパンで始まりジャパンで終わるNORAMカップ。

そんな熱戦を観客たちは待ち望む。


谷口選手も何かを掴みかけているひとり。

ワールドカップまで余り時間はないが、このまま上り調子でいて欲しい。


滑り終えて、まずトップに立つということが多くなった夏目選手。

「ソチ」では台風の目となるか。


会場の空気が緊迫し始める。

Day6は「Japan day」となるのか。


まず、先制するのは森井選手。

彼はこのコース設定に勝機を見いだしている。

針の穴をつくようなギリギリのところだが、鈴木選手の牙城は崩せると感じていた。


フィニッシュの瞬間、それをなしえた実感を、

それまでの合計タイムを大きく上回る表示とともに確信した。


しかし、その「針の穴」を他の選手も当然のように狙ってくる。

DUECK Josh選手が、わずかコンマ29秒だが上回った!

ギリギリのプッシュを実らせた彼は、森井選手を2番手に後退させた。


リーダーズボードの表示が切り替わった次の瞬間、観客たちは大きなため息を漏らした。

その見上げる視線の先には、大きな雪煙が舞い上がっている。

観客のざわめきをかき消すかのように咆哮を上げた狩野選手だったが、

大きく落としたタイムを回復させることは出来なかった。


どんな「精密機械」でもほころぶ瞬間はある。

2本目のインスペクションから、その予感はうすうす感じていた。

もしかしたらGRAHAM Steve氏が、故意にこの瞬間を「演出」をしたのかも知れない。


鈴木選手はいらだっていた。

彼が最も不得手とするリズムに嵌められていたのだ。

少し、ほんの少しだけ狂い始めるリズム。

耐えることしかできないもどかしさ。


その時点でのトップ、DUECK Josh選手とのコンマ76秒というマージンも、

あてにすることは出来なかった。


たった40秒強という時間。

長い。

焦れば焦るほど、相棒であるチェアスキーが、スキー板が、

明らかにおかしな動きを見せる。


かいくぐるケートの、流れるスピードが明らかに遅いことにいらだつ。

自分から仕掛けられないことにいらだつ。

まるで溶けたバターの中を泳ぐような、もどかしさと気持ち悪さ。


観客の大歓声が耳に入り始める。

フィニッシュに繋がるセンターライン。

見えている。

しかし、いらだつ。


自分には、まだこんな「落とし穴」があった。

この経験は、このレースで手に入れた栄冠よりも貴重だった....


聞こえますでしょうか!

このフィニッシュエリアの大歓声!

コンマ29秒差で逃げ切った鈴木選手が、

チームメイトから手荒い祝福を受けています!


ジャパンで始まりジャパンで終わるNORAMカップが、これで完結しました!

2本目をコースサイドでレースを終えた横澤選手も、今、祝福の輪に加わりました!

鈴木選手、おめでとうございました!


最終のリザルトの確認です!

女子Sittingクラス

4位 田中佳子選手
6位 村岡桃佳選手
DF 青木辰子選手

男子Standingクラス

 4位 三澤拓選手
 9位 小池岳太選手
10位 東海将彦選手
18位 山崎福太郎選手
19位 伊藤史雄選手
 DS 阿部敏弘選手

男子Sitingクラス

優勝 鈴木猛史選手
3位 森井大輝選手
5位 狩野亮選手
8位 夏目堅司選手
9位 谷口彰選手
 DF 横澤高徳選手


まずは、ひと区切りといったところでしょうか。

これから、「ソチ」の代表選考が本格化します。


日本障害者スキー連盟が公表している基準、

その追加推薦は2月に発表されるはずです。

そのためには、新年から始まるワールドカップで大暴れ、

アッピールする必要があります(^^


残念ながらワールドカップの出場資格を得られなかった選手もいますが、

それも厳しい勝負の醍醐味。

この分岐点も、「ソチ」というドラマのひとつです。


取り急ぎ、チームのみんなに伝えたいことは、お疲れ様でした!のひと言。

残りのトレーニングを無事にこなして、胸を張って帰ってきてくださいね!(^^

2013年12月17日火曜日

下馬評と世界レベルとのギャップ:20131211CopperMt.SL1....

「外の世界」から眺めていると、

どうにも「先入観」というものに囚われがちです。


「前がそうだったから」とか、「その実力なら」などと根拠のない判断を、

往々にしてしまうのが人間というものではないでしょうか。


そして、期待通りの結果が得られた時、プロセスをぶっ飛ばして、

「当然の結果」が得られたと思いがちではないでは?


この日はそのことを思い知らされた日になりました(^^;

そんな思いを含んだレース、リザルト(女子、男子)をお手元にどうぞ。


CopperMt.スキー場で開催されている6DaysのNORAMカップ、

Day5はSlalom(回転:SL)の第1戦。


「SLといえば鈴木猛史選手、
 鈴木猛史選手といえばSL」

そうお考えの方も多いのでは?(^^


昨シーズンのワールドカップでも、
 
鈴木選手は7戦中4勝、2位3回という、

圧倒的な結果で種目別タイトルを獲得。


そして、その勢いは種目総合タイトルまで手中に収めるという大活躍でした。

積み重ねられていくワールドカップポイントを眺めていて、σ(^^も狂喜していたものです。


それまでにも、「スーパースラローマー鈴木猛史」の名は定着していましたので、

SLのレースが行われるたびに、リザルトではまず、彼の名を探したものです。


このDay5のリザルトが飛び込んできた時もそうでした。

Sitting(チェアスキー)クラスで一番上に彼の名前を見つけて「当然」と頷いたのですが、

よくよく分析してみると、そんな簡単なレースではなかったことに気がつきます。


鈴木選手だけではなく、ジャパンチームの苦労、

そのあたりを書き進めてみようと思います。


予定されている6レースの5レース目。

オフシーズンのトレーニングで、常人には想像もつかないほどの体力を、

彼らは身につけているはずですが、この連戦はかなり辛いものだったと想像します。


σ(^^;なら、ワックスセットを間違えてとんでもないスキー板を作ったり、

種目を間違えて準備したりしたかも知れません....


しかし、「日の丸」を背負う彼らの気持ちは頑健。

彼らが意気揚々と現れたのは、

スタート標高3,567m、フィニッシュ標高3,424m、標高差は143mの「Copperopolis」コース。


澄み渡った青空に、一段と映える銀世界。

スタート地点、フィニッシュ地点ともに-10.0℃という気温も、

日光と解け合って心地よい寒さとなっています。


「Hard」な雪質も今までと変わらず。

選手たちは、レース前のアドレナリンで高揚しているようです。


1本目のコースセットはアメリカチームのコーチ。

ゲート数48、ターン数47。標高差に対するターン数は32.8%と標準的。


かつて、σ(^^が師事した元ジャパンナショナルチームコーチの伴一彦氏、

その言葉をお借りしてSLという競技を表現するならば、

「SLとそれ以外」に分けることが出来るほど、特殊な競技です。


基本的なスキー操作は共通ですが、

競技への対応という点でいえば明らかに異なる競技。

選手たちの、その対応を見比べることもこの競技の見所のひとつです。


さて、ここで恒例のスタートリストの確認です。

女子選手は7カ国26名、男子は12カ国76名の選手がエントリーしています。


女子Sitting(チェアスキー)クラス

19番 田中佳子選手
20番 青木辰子選手
26番 村岡桃佳選手

男子Standing(立位)クラス

41番 小池岳太選手
45番 東海将彦選手
46番 三澤拓選手
52番 伊藤史雄選手
54番 阿部敏弘選手
55番 山崎福太郎選手

男子Sittingクラス

69番 夏目堅司選手
71番 狩野亮選手
74番 鈴木猛史選手
77番 森井大輝選手
83番 谷口彰選手
88番 横澤高徳選手  と、なっております。


ジャパンチームの中で、まず最初に飛び出すのは田中選手、続いて青木選手。

ふたりとも、盤石のJOINES Kimberly選手と大きく差を付けられてしまった。

女子のしんがり、村岡選手は経験不足の感が否めない。


男子Standing。

小池選手は振るわず3秒以上のビハインド。


東海選手も、この種目では復調にはまだ遠い。


SLが最も得意と公言する三澤選手。

最高の結果を手に入れたGiant Slalom(大回転:GS)の勢いをそのまま持ち込みたかったが、

気負いが裏目に出てしまう。残念ながら、コースサイドでレースを終えた。


伊藤選手は転倒。

リスタートするも、その影響は大。


阿部選手は1本目は何かがおかしかった。

フィニッシュするも、順位、タイム以外の何かを気にしている。


山崎選手。

速く丁寧なスキー操作が必要なこの競技で、

その義足はまだ、その動きを表現出来ていない。

10秒近い大差を付けられてしまった。


男子Sittingの一番機、夏目選手。

種目ごとのムラが少ない選手のひとり。ここに来て、安定感が増す。

まずは、納得の滑りを見せたか。


狩野選手は、フィニッシュエリアで少し首をかしげた。

自身の滑りのイメージと、タイムに少し隔たりがあるのか?


それは鈴木選手も感じたギャップかも知れない。

もしくは、2番目にスタートしていたWALKER Tyler選手が速すぎたのか?


ジャパンチームのエース、絶好調の森井選手は攻めた。

鈴木選手の仇討ちなどというものではない。強者に牙を剥くのはファイターの性。

それまでに刻まれたポール際のレコードライン、さらにその内側。


フィニッシュ前。あと2旗門。

スキーの先端。ポールにあたる。

意図しない板の反発。通過したのはゲートの外側。


痛恨のDisqualified(旗門不通過:DQ)。

リーダーズボードには、幻のタイムが表示されていた。


谷口選手。

スムーズに滑り降りてきた。

タイム差ほど滑りに不満を感じていない。


LW10-2の横澤選手。

体幹の残存機能に比べて、細かく正確な動きが要求されるSL。

苦手意識がタイムに出たようだ。大きく遅れてしまった....


さあ、1本目、全ての選手が滑り終えました。

前日にダブルウィンを飾った森井、三澤の両選手が姿を消してしまうという波乱。

他の選手もやや苦戦ぎみでしょうか。


1本目の結果を整理しておきます。

女子Sittingクラス

1本目順位  2本目スタート順  
  5位       6番目     青木辰子選手
  6位       5番目     田中佳子選手
  8位       3番目     村岡桃佳選手


男子Standingクラス

1本目順位  2本目スタート順  
  9位       7番目     小池岳太選手
  10位       6番目     東海将彦選手
  14位       2番目     阿部敏弘選手
  17位       17番目     山崎福太郎選手
  25位       25番目     伊藤史雄選手
  DF                三澤拓選手


男子Sittingクラス

1本目順位  2本目スタート順  
  3位       13番目     鈴木猛史選手
  6位       10番目     狩野亮選手
  7位       9番目     夏目堅司選手
  9位       7番目     谷口彰選手
  18位       18番目     横澤高徳選手
  DQ                森井大輝選手。

2本目は、気持ちを新たにしてスタートして欲しいものです。


さて、お日様は偉大なもので、少しずつ気温が上がってきてますなぁ。

ポカポカ陽気で闘争心が薄れなければいいのですが。

そんなアスリートはσ(^^;だけでしょうかね。


2本目、スタート地点、フィニッシュ地点ともに-7.2℃。

暖かかくなると雪面も緩み始めます。

深いところは固いままでしょうけども、

表面は、わずかずつ、雪が溶けていきます。


微妙なエッジコントロールが勝敗を分けていくことになるのでは?

そんな雪面に、2本目はロシアチームのコーチがセットしました。

51ゲート49ターン。対標高差で34.2%のターン数。

1本目よりターン数が多いということは、少々きつめのセットになりますなぁ。


ここで、各クラス上位の状況を見てみましょう。

女子Sittingクラスは、トップと1位の差がなんと、約7秒。

このクラスは2位争いに注目、5位の青木選手まではそのチャンスがありそうです。


Standingクラスは上位が混戦。

ここにジャパンチームが絡んでいないのが非常に残念(^^;

一方、4位争いは混迷を増しそうです。

小池選手まではチャンスありか。


Sittingクラスはさらに混戦。

5位までが2秒以内。

鈴木選手はコンマ71秒落ちの3位に付けています。

狩野、夏目の両選手も諦めるにはまだ早い。


さあ、いよいよ2本目のスタートです!


まずは村岡選手がスタート。

彼女の課題はポールへの苦手意識の克服か。

最速のラインは、より内側に存在する。


田中選手も同様。

今ひとつタイムを削っていけない。


ベテラン青木選手には、ベストラインが見えている。

しかし、「攻め気」が結果に繋がらない。

このレースの表彰台も、エッジグリップを失ったと同時に届かぬ夢となった。


男子Standing。

2番目スタートの阿部選手の姿がない。

やはり、1本目に何かトラブルを抱えてしまったのか。


東海、小池の両選手は共に低迷。

SLでは、悩みが大きそうだ。


山崎選手の義足は、タイトなコースへの対応をまだマスターしていない。

大きくバランスを崩しリスタートしたが、激しく順位を落としてしまうこととなった。


伊藤選手は逆に、1本目のミスを2本目で取り返したかったが、

彼の名前もリーダーズボードには表示されなかった。


男子Sittingクラスは、

7番目スタートの谷口選手が、まずは順当にトップへ出た。


夏目選手がそれに絡むかと思われたが、12旗門目でDQ!

2本スキーで言う「片反」をしてしまう。


上位争いの基準タイムは狩野選手。

2本目、自身最高の滑りを見せ好タイムをマーク。

しかし、1本目のタイムロスが響く。

ひとりふたりとポジションを譲ってしまう。


表彰台圏内から狩野選手を引きずり下ろしたのは、

「逆手」の名手、鈴木選手だった。

狩野選手がその座を奪われたことを確信したのは、

鈴木選手がフィニッシュした時のことではない。


コースのはるか上の方、

「逆手」を自由自在に使いこなす、

独特なシルエットを目にした瞬間だ。


「精密機械」とも言えるその流れるような動作、

この競技がジャッジの採点で争われるもであるならば、

常に史上最高点で勝ち続けているであろう。


しかし、純粋な「速さ」で争われるアルペン競技では、

そのシルエットはあくまでも「結果」。

最も早く滑り降りる選手の姿が最も美しい。


チームメイトとしては見慣れた、ライバルとしては見飽きたその姿は、

狩野選手をもってしても抗う術を与えない。

圧倒的なタイム差でトップに躍り出たスーパースラローマー。


残るはふたり。


コンマ53秒差のCALHOUN Heath選手は沈んだ。


固唾を呑んで見守る観客。

鈴木選手はフィニッシュエリアに残ったままだ。

全ての視線は一点に注がれた。

WALKER Tyler選手のみが、その挑戦権を残す。


....後方、コンマ71秒差には鈴木選手のゴーストがいる。

しかし、そのアドバンテージは、決して小さくない。

焦ることさえしなければ、彼は、この日の栄光に最も近ったはずだ。


深いターンを仕上げる。

後方、ポールが雪面を叩く音が聞こえた。

いや、そんなものは聞こえないはずだ。


迷った。


WALKER Tyler選手の体が大きく宙に浮く。

リカバリー。スキーが再び雪面を捉える。

その瞬間、彼の体を、ゴーストがすり抜けていった....


鈴木猛史選手、逆転優勝おめでとうございました!

彼のこんな冷や冷やもののレースって、久しぶりに見たような気がします(^^;

でも、土壇場の勝負強さは、圧倒的なのでしょうね。

何はともあれ、まずはめでたい!


では、最終のリザルトを確認しておきます。


女子Sittingクラス

 5位 田中佳子選手 
 6位 村岡桃佳選手
 DF 青木辰子選手


男子Standingクラス

 7位 小池岳太選手
 8位 東海将彦選手
17位 伊藤史雄選手
20位 山崎福太郎選手
 DF  三澤拓選手
 DS   阿部敏弘選手


男子Sitingクラス

優勝 鈴木猛史選手
6位 狩野亮選手
8位 谷口彰選手
DQ  森井大輝選手
    夏目堅司選手
DF  横澤高徳選手  と、なりました(^^


こうやって時系列にまとめて見ると、

ジャパンチームは本当に苦労した1戦だったように思えますねぇ。

やはり、SLは特殊な競技ということなのでしょうか。


明日Day6もSLです。

そして、NORAMカップの最終日。

みんな笑顔で帰国出来るよう、健闘を祈ります!!


と、「夢の中」のお話のあとは、現実世界へ(^^

コメントのご紹介コーナー♪
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tohtah様のコメント。

「ラジオの葉書了解です。たびたびすみません。
 えと、すみません、過去ログを若干拝見し、
 遅ればせながら、選手でらっしゃったことに気がつきました。
 道理で迫力のある観戦記なのですね(^^) 

 バンクーバーでチェアスキーのかっこよさにときめいたものの、
 Resultsを見始めたのが2013年1月から(twilogで確認(^^;;;))でしたので、
 山本選手のご活躍を見損ねてしまいました。すみません。

 でもこのブログは、ファンとしてとても勉強になることがたくさんなので嬉しい限りです。
 今後ともよろしくお願いいたします。」


ありがとうございました!

ご丁寧なご挨拶、改めていただきました。恐縮です(^^

ひとつだけ、誤解があるといけないのでお断りをしておきます。
現在は活動を休止中(「引退」とは絶対に口にしません)ですが、
確かに、かつてはレーサーでした。

でも、歯にも端にもかからない、
ジャパンのトレーニングに混ぜてもらう事で満足していていた程度の、
頭でっかちクチだけアスリートでしたσ(^^;

妄想癖だけは「世界レベル」なので、ある程度は「見てきたように」書けています。
お楽しみ頂いていたら、幸いです♪
(それはそうと、ツイッターでご紹介いただいていましたね。ありがとうございます^^)

昨シーズンもジャパンチームが参戦した全てのレースを、
「見てきたように」書いていますので、よろしければご覧下さい(^^


引き続いても、tohtah様のコメントです。


「えと、僭越ながら、いっこだけ気がついたので。
 「チェアスキーは1本もしくは1本のスキーを使用することが出来る。」は、
 「sit-ski can be used in Uni-Ski or Dual-Ski.」なので、
 「1本もしくは2本の」と思います。重箱の隅ですみません。」


ありがとうございました!

おっしゃるとおり、誤記をしておりました(^^;
訂正の上、お詫びいたします。

あの翻訳のあと、なんやかんやでバタバタして、
体裁を整える事もせずに放置....

改めて見直すと、そのお粗末さに少々恥ずかしくなりました。
なんとか出来るかなぁ....(^^;

いずれにせよ、助かりました。
そして、そんなところまでご覧頂いて恐縮です♪
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さあ、チームの帰国が早いか、「観戦記」を書き上げるのが早いか。

第4コーナーでムチが入る!(^^

2013年12月16日月曜日

閑話休題....

日に日に、寒さが厳しくなっております(^^;

雪が降った積もったというニュースを見ると、

なぜか、取り残されたような不安に陥ります。


....やべえ、スキーの用意何もしていない。


今は競技をしていないお気楽なご身分σ(^^;

何をそんなに焦ってるんだか♪


さて、ご好評頂いている?「見てきたような観戦記」ですが、

NORAMカップDay5の、本日のアップを早々に断念しました!(^^;

というのもですね、なんだか内容が気にいらなかったので、

初めから全部、書き直す事にしました♪


最終の結果は、リザルトをご覧になっておわかりのように、

あの選手が、期待を裏切らず、きっちり勝っちまいやがったのですが(^^


それ自体は大変おめでたくて嬉しい結果なんですが、

書き進めていくうちに、「勝って当然」的な文脈になってしまっていたのです。


「....うぁぁ。これはいくら何でも失礼だ(^^;」

と思い直して修正しようしたのですが、どこまで遡っても直しきらん!

てことで、全削除決定♪


σ(^^がプロの物書きで、今日が連載の締切だったとしたら、

今頃きっと、担当編集者の顔は青くなっているか、赤くなっているか....

このブログの読者様は寛大なはず、ですよね?(^^;


今日の投稿はこれにて終了!というのも味気ない話。

「見てきたように」書いている舞台裏でもご紹介しましょう。


リザルトを眺めていても、「時系列」の情報はないんですよね。

ただ「最終の成績」が羅列されていて、「途中の状況」は断片的に記載されているだけです。


1本目の順位とか....

Did not finished(途中棄権:DS)はこいつらだったとか....

ビブ(ゼッケン)番号とか.....←1本目のスタート順


最終結果でそんな事を教えられても、

「ふーん」という程度の情報でしかないんですよね。

それはそれでさもありなん。


てすけど、「断片的」な「途中の状況」をつなぎ合わせていくと、

とても面白いドラマが見えてきたりするのです♪

で、σ(^^は1本目のスタート前から、状況を出来る限り再現する事にしています。


20131210CopperMtGS2.xlsx 

リンク先のデータをご覧下さい。

リザルトのPDFから、データをエクセルにコピペして加工しています。


何をしてるかというと....

余分な情報を削除した上で、

ビブ番号
選手名
1本目タイム
2本目タイム
合計タイム
獲得ポイント

を抽出し、さらに、

1本目、2本目、合計のタイム差とその順位

を計算します。


「物語」を書き進める上で、その状況に合わせて「並べ替え」をします。

「1本目スタート前」なら「ビブ順」、

「1本目終了時点」なら「1本目タイム順」

「2本目スタート前」なら、1本目タイム順の上位を並べ替え....

こうする事で、様々な「ドラマ」が頭の中に浮かんできたりするのです(^^


「2本目DF問題」とか、どうにも分析出来ない事もありますが、

わからない事は、テケトーに書いちゃいます(^^;

なによりも、自分が楽しいのが大前提♪


では、やり直しのDay5、頑張って書いていきますね(^^


最後になりましたが、コメントのご紹介をしておきます♪
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12月14日(土):「輝きを増す煌めき:20131210CopperMt.GS2....」

tohtah様のコメント

「本文でのリコメントありがとうございます。(ちょっと照れくさい(^^;;;))
桃佳ちゃんの名前違ってました、済みません。
森井さん三澤さんの2金すばらしいでした。
Dangan青木さんのど根性もかっけーです。

ご無理なさらず、また、「中継」お願いします(^^)」


ありがとうございました!

リコメでは少し驚かせてしまいましたか(^^;
これがこのブログでのスタイルですので、ご理解のほどを。
でもこういう形って、ラジオみたいで面白いなと思っています♪

もし、こういう形がご迷惑なら、コメント入力時にひと言お願いします。
「本文で紹介とか、しやがったらただじゃおかねーからな!!」と(^^

それはさておき....

素晴らしい成績を上げた選手や、記事にしやすいエピソードの選手とかは、
いくらでも文字にしていく事は出来るんですよね(ご本人に怒られない限りは^^;)。

ただ、ご本人がものすごく悩んでいる事を書いたりとか、
明け透けにスキー技術の解説を混ぜたりとか、
「マナー違反」はしないでおこうとは気をつけています。

ですので、どうしても文字数が少なくなってしまう選手もいますが、
彼らにも、特筆すべき「ドラマ」があるんですよね。
機会があれば、ジャパンチームの全員を注目したいなと思っています。

これから、ワールドカップの連戦、そして「ソチ」本番。
まだまだ、「悲鳴」を上げている時期ではありません。
頑張っていきますので、よろしくお付き合いくださいね(^^
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さあ、また1週間の始まりです!

「Get your beat! Get your beat! 
 Ass or war, name or eat them....」
                             聖飢魔Ⅱ「不思議な第3惑星」より


いい1週間をお過ごしください(^^;

2013年12月14日土曜日

輝きを増す煌めき:20131210CopperMt.GS2....

気がつけば。いつのまにか。


そんな言葉がいつもついて回るのが、時の流れです。

ほんの少し油断するだけで、

残酷なほどに、絶望的なほどに、

取り返しがつかなくなってしまいます。


「山本新之介のNORAMカップをまるで見た来たような観戦記」も例外ではありません。

オンタイムで書き上げられればいいのですが、なかなか思うように筆が進まず....


ようやくDay4を書き上げた今、

気がつけば、現地では全日程が終了しているのです....(^^;


お楽しみ頂いている方々には申し訳ないのですが、

頑張っておりますので、どうか暖かいお気持ちでお待ちください(^^;


さて、今回はDay4、Giant Slalom(大回転:GS)第2戦の模様をお送りします。

もうすでに、リザルト(女子、男子)や選手ブログなどから、

結果をお知りになっておられるかもですが、白々しく書き進めます♪


Day3では、三澤選手の大活躍をお伝えしました。

そして、Day4ではその「煌めき」がいっそう輝くのです。

現地では何が起こったか?中継を繋いで見ましょう!

CopperMt.スキー場の山本新之介レポーター?


はい、お伝えします!

私は今、スタート地点に向けてリフトに乗っております。


昨日まで、本当に寒うございました。

特に昨日などは、このリフトに乗っていると、

そのまま「天国」に行けるんだと思えるほど辛く感じたものです(^^;


でも、今日は寒気は通り抜けたようで、本当に暖かい日になりました。

公式発表では、スタート地点、フィニッシュ地点ともに-10.0℃となっております。

こんなに暖かいコンディションだと、選手たちも楽しく戦えるのではないでしょうか。


はい?-10℃でも、十分に寒い?

ええ、すでに感覚はおかしくなっております(^^;


ご覧頂いているように、天候は「Partly cloudy」、

つまり、曇ったり晴れたといったところですね。

すっきりしない天気ですが、いいんです。

暖かいので(^^


リフトからは、使用する「Bittersweet」コースが見えます。

コースプロファイルはスタート標高3,403m、フィニッシュ標高3,147m、標高差は256m。


今し方入ってきた情報では、コースセッターは地元アメリカチームのコーチで、

そのセットはゲート数34、ターン数32ということです。


先ほどからインスペクション(コース下見)が行われておりまして、

降りてきた選手の何人かにコースの雰囲気を聞きました。

するとですね、ターンが「きつい」と、みんな口を揃えるんです。

かなりテクニカルなコースで、タイムはかなり落ちるだろうなと、そんな感想でした。


こうやってリフトから眺めて見てもですね、赤と青のゲートの左右の間隔、

「振り幅」という言い方をしますが、確かに広いです。


いつまでもターンをし続けないと次のゲートが現れない、

そんな感じになるのではないでしょうか。

ターンの時間が長い、とにかくガマンのレースになることは間違いないでしょうね。


スタート地点が見えてきました。

ジャパンチームは....いましたいました。

ライムグリーンのスキーウェアが雪面に映えますねぇ。


ではここで、スタート順を確認しておきます。

女子選手は7カ国28名、男子は12カ国74名のエントリー。


女子Sitting(チェアスキー)クラス

26番 青木辰子選手
22番 田中佳子選手
28番 村岡桃佳選手

男子Standing(立位)クラス

41番 東海将彦選手
43番 三澤拓選手
44番 小池岳太選手
53番 伊藤史雄選手
54番 山崎福太郎選手
55番 阿部敏弘選手

男子Sittingクラス

72番 森井大輝選手
74番 狩野亮選手
78番 鈴木猛史選手
80番 夏目堅司選手
84番 谷口彰選手
85番 横澤高徳選手  以上です。


出来るならお一人ずつ、意気込みなどを聞いてみたいのですが、

スタート時間も迫っていますので雑音は控えることにします。

でもみんな、いい表情をしてますねぇ。

結果が楽しみです(^^


では、私のレポートはここまでにして、

レースの模様は実況担当の山本新之介からお伝えします。山本さん?....


....はい。実況、山本新之介がお伝えします。

たった今、前走者のスタートが終わり、

あと3分ほどで女子Visual Impaired(視覚障害:VI)クラスがレースの口火を切る。

選手を導くガイドがスタートバーの下にスタンバイ。

そのスピーカーからは、選手を気遣う優しい声が聞こえる。


ジャパンチームの1番手は田中選手。

ここ3戦、彼女は不本意なレースを重ねた。

このレースこそは納得の出来る結果を求めたいところ。


現在、彼女が持っているGSポイントは165.39pts.

このままでは、彼女が最も親しみを持つGSでの、ワールドカップの出場は難しい。

「ソチ」の選考に生き残るためにも、ここはしっかりとアピールしたいところだ。


状況が厳しいのは青木選手も同様。

「InjurySkier」という故障者リストに名を連ねてしまっている現状だが、

いい結果を出してなんとか打破したい。


逆に気負いがないのは村岡選手。

失うものは何もない彼女にとって、

ひとつひとつの経験が長いキャリアの下地となっていく。


「ソチ」の選考という大きな節目ですら、彼女にとっては通過点。

果たして最短距離を駆け抜けようとするのか、急がば回れと確実に歩みを続けるのか。


三者三様の女子Sitingクラス。


まず田中選手がコースへ飛び込む。

硬い硬い雪面を持てあましているようだ。

フィニッシュタイムは、トップから6.29秒遅れ。

1本目から厳しい結果となってしまった。


青木選手も果敢にコースに挑む。

本来なら、美しさすら伴うスキー操作の技術を持っている彼女だが、まだ調子は思わしくない。


しかし、「出来ることを出し切る」というのが青木選手の信条。

どのような結果であれ、常にそれは彼女のベスト。

その姿勢は、見習うべきところが多い。

9.28秒遅れとなってしまったが、悔やむことはないはずだ。


村岡選手は上り調子。

スキーが楽しくて堪らない時期ではないだろうか。

ひとつひとつ着実に成長を見せる。

この1本目、4.13秒落ちの4位に付けた。

フィニッシュエリアでは満足げな笑顔が見える。


女子のレースが全て終わり、

コースの情報が無線を通じて飛び交っている。

かなりテクニカルなコース、上がってきた情報をもとに戦略の再構築は行われたのか。


復調途中の東海選手。

古傷の影響は少なそうに見える。

かつて「キング」と称されたその滑りが、コースサイドからでも窺える。

ストレスのないスキー操作。悪いタイムが出ようはずが無い。


三澤選手。

明らかに昨日の滑りを上回っている。

非の打ち所のないそのスキー操作はまさに圧巻。

彼の時代がやってきたことの証明になるだろう。


GSでは1歩リードしていたはずの小池選手ですら、その後塵を拝してしまう。

しかしながらその差はわずかコンマ54秒。

2本目、波乱はあるのか?


伊藤、山崎の両選手、この1本目は伊藤が上回った。ふたりの差は1.98秒。

因縁の戦いに終止符が打たれるのか?


阿部選手の滑り、大きな破綻はなく安定している。

三澤選手との差、2.76秒を2本目にどう繋ぐことが出来るのか。

ベテランの戦い方に注目したい。


男子Sittingチームは、三澤選手のラップ(トップタイム)に興奮している。

2位との差がたったコンマ32秒とはいえ、

昨日を凌ぐ快挙を十分に期待出来る位置に付けているのだ。

このことは、ジャパンチームの中で最高の連鎖反応を起こすはずだ。


まずは森井選手。

まだSittingクラスでは4人目のスタートだが、

後に続く選手たちを呆れさせるタイムを叩き出してしまう。

まさに手が付けられない。


しかし、ジャパンチームは層が厚い。

狩野、鈴木の両選手も好タイムをマーク。

調子を上向きにしている夏目選手も、いい滑りで降りてきた。

タイムが振るわないのは、森井選手が速すぎるからだ。


谷口選手も、

他の選手がコースセットに苦しんでいるのを尻目に、

ベテランらしい滑りを披露する。


横澤選手だけがきっかけを掴めてないのか、今ひとつ伸びてこない。

悩める獅子の目覚めはいつだ?....


....はい、競技1本目が終了しました!

マイクを会場レポートの山本新之介に返してもらいます(^^

いやぁ、非常に面白い展開でしたねぇ。

きっと2本目も熱狂が期待出来るに違いありません♪


では、1本目の順位のおさらいとと2本目のスタート順を確認をしておきます。


女子Sittingクラス

1本目順位 2本目スタート順

  4位      8番目    村岡桃佳選手
  5位      7番目    田中佳子選手
  8位      4番目    青木辰子選手

男子Standingクラス

1本目順位 2本目スタート順

  1位      15番目    三澤拓選手
  5位      11番目    小池岳太選手
  6位      10番目    東海将彦選手
  10位      6番目    阿部敏弘選手
  13位      3番目    伊藤史雄選手
  15位      1番目    山崎福太郎選手

男子Sittingクラス

1本目順位 2本目スタート順

  1位      15番目    森井大輝選手
  3位      13番目    狩野亮選手
  5位      11番目    鈴木猛史選手
  8位       8番目    夏目堅司選手
  10位      6番目    谷口彰選手
  15位      1番目    横澤高徳選手


ふたり揃ってラップ(トップタイム)の森井、三澤の両選手。

今日のこのふたりは誰にも止められない、そんな印象を受けた1本目でした。


しかし、そうも言ってられないのが小池選手。

差はわずかですので、逆転優勝に期待です。


狩野選手にも十分に可能性は残されているはずです。

栄冠をジャパンで奪い合う、そんな素敵な瞬間を楽しみにしています。


山崎、横澤の両選手は、それぞれクラス1番目のスタートです。

荒れの少ない雪面、この有利な状況をどう生かすのか、ここも見所でしょう。


さて、その2本目コースセットの情報が入ってきました。

セッターはカナダチームのコーチ、33ゲート、33ターンということです。


ゲートとターンの数が同じということは、

「2ゲート1ターン」という立て方はしていないということですね。

これは「スルー」とか「バナナ」とか言われるゲートですが、

リズム変化によく利用されます。


また、選手たちによっては、

攻め続けてオーバースピードに陥りかけた時、

その立て直しに利用したりすることもあるようです。


こうやってリフト上からコースを眺めていて、

リズムがやや単調のようにも見えますし、

攻め続けることで息をつく事が出来なさそう、そんな印象を持ちます。


しかし目を懲らすと、

急斜面から緩斜面、又はその逆と言った「斜面変化」を利用して、

ほんのわずかですが微妙な変化を付けてあるようです。


急斜面に飛び込んだ時にエッジが外れて落とされたり、

緩斜面の手前で減速してしまってタイムロスをさせてしまったりと、

イヤらしいトラップが仕掛けられているかも、です。

これは、コースの後半部分で大きなタイム差がつくかも知れませんねぇ。


間もなく2本目のスタート時刻となる訳ですが、

3名の前走者が滑っていきました。

見てますと、斜面変化のところで一瞬ですが、「途切れる」感じがあるように見えます。

やっぱり、苦労しそうなコースセットですね....


女子VIクラス1番手のガイドさんがスタートバーの前に出てきました。

では、実況の山本新之介がアツくアツくお伝えします!....


....目から入る情報がほとんどないVIクラス。

信じられるのは自分自身よりもむしろ、ガイドの誘導。


人と人の信頼関係のみがレースを成立させる。

コースに躍り出たVIクラス7組のアスリートたちには、

「人間の可能性」というものを見せつけられてしまう。


しかし、ここは「戦場」。

誰にどのような事情があろうとも、

ルールと、「神のように」厳格な時計が全ての競技者を公平にジャッジする。


それぞれが持つ障害は、

ハンデキャップではなく、ひとつの「特徴」でしかない。

それが障害者アルペンスキー。


Standingクラスは「特徴」の多様性で言えば3クラスのうち最も色濃い。

そんな競技が成立するのもアルペンの魅力である。


一方、Sittingクラスの多様性は薄い。

体幹の残存機能の差はあるが、

チェアスキーというマテリアルをいかに使いこなすか、

求められるのはその1点。


青木選手は、長い長いキャリアの中、トリノモデルという「新型」を選択しなかった。

「長野モデル」に愛着を持つだけでなく、その可能性を追求し続けたのだ。

惜しむらくは、この重要なシーズンを迎える際に、「Injuay」という不運を得てしまったこと。

その努力がタイムに結びつかないのは残念でしかない。


逆に、経験の少ないうちにトリノモデルを選択したのは田中選手。

その順応性を開花させ、トリノ、バンクーバーとパラリンピックへ連続出場を果たした。

そして現在、「ソチ」への道中、苦しんでいるのがよくわかる。

フィニッシュエリアでも表情は浮かない。


村岡選手が使用するのもトリノモデル。

体格が小さいこともあり、使用していたのは「長野」ベースのジュニア用だったが、

「勝つ」ために選択の余地はなかった。

「無理矢理」に体を合わせて乗り込んでいるが、

悩みながらセッティングを繰り返し、明るい光が見え始めた。


村岡選手の強力な武器がある。

その小さな体が必要とする小さなシートである。


トリノモデルは、倒し込み(バンク)の角度が深くなればなるほど鋭いターンが可能であり、

村岡選手のシートは、通常の体格ではシートが雪面に干渉してしまう角度でもまだ余裕がある。

つまり、彼女のバンク角は世界中の女子選手の中で最も深い。


その深く鋭いターンは、浅いキャリアを補って余りある。

このGS第2戦の結果も、表彰台まであとわずか。

栄光に手が届くまで、どれほどの時間が必要だろうか....


男子Standingの1番スタート。山崎選手は戸惑っていた。

目の前に、男子選手は一人もいない。

荒れの少ない雪面。まだ彼がコントロールし切れていない義足への影響は少ないはずだ。

この好条件、だが気負いすぎたのか、徐々にリズムを乱していった。


ひとりおいてのスタートは伊藤選手。

さらにはその3人あとの阿部選手、ともに両足のハンデはない。

実測タイムに「係数」を掛けて導き出されるハンデキャップシステム。

その係数もほぼ100%。彼らを助ける要素は何ひとつもない。

あるのは自分自身の行動とその結果のみ。


「ソチ」までの道のりは、孤独で厳しい。

早いスタートの彼らの順位は、次々と塗り替えられていった。


東海選手はトップ三澤選手から約1秒のビハインド。

師弟の成長を喜びながらも、この状況を素直に受け入れられないのはレーサーの性。

しかし、厳しい設定のコース、古傷にとっていい影響がある訳はずはない。

思うようなラインを描けていなかった。


続く小池選手はコンマ52秒のビハインド。

事実上、ここからの5選手で勝敗を争う形になる。

しかし、早々に脱落したのも小池選手だった。

一瞬のスピードロスがフィニッシュまで響く。

上位に食い込めなくなった事を誰よりも本人が理解していた。


あと3人。

三澤選手は前に並んでいるライバルたちの数を数えた。

実際の距離よりもはるかに近いところに彼らはいる。

コンマ38秒とコンマ32秒がふたり。

誰もが、三澤選手を引きずり落とそうと目論んでいる。


まずはALYABYEV Alexandr選手が気を吐く。

2本の合計タイムを唯一の1分45秒台に叩き込む。

続くBUGAEV Alexey選手も45秒台だが中盤で届かず。

地元の大きな声援を受けたスタートしたSTANTON James選手、0.05秒届かなかった。


STANTON選手のフィニッシュの前には、すでに三澤選手がスタートしている。


1本スキーの独特なシルエット。LW2では世界最速のスキーヤー。

エッジが刻んでいくターン弧は、明らかに他の選手と異なる。


単調とも取れるリズムのコースセット。

Slalom(回転:SL)を得意とする彼は、一定のリズムで攻め続けることを苦としない。

そして、トラップであるはずのわずかなリズム変化も全て読み切っていた。

斜面変化でも雪面からスキーが外れない。


フィニッシュエリアが見えてくる。

通過をジャッジする旗門員が口笛を吹く。

数々のレースを見てきた彼にとって、すでに勝者が誰か理解するのは容易だった。


フィニッシュ前の緩斜面。

ほとんどの選手はスピードを落とす。

唯一の例外が、たった今、駆け抜けた。

水が流れるように....


2位と1.48秒差という圧倒的な勝利を、

Sittingクラス1番目スタートの横澤選手が耳にしたのは、

自身のスタート30秒前だった。


「拓、すげぇな....」

東北なまりのイントネーションは、やや高揚していた。

               (↓モトクロスライダー山本鯨選手のページから拝借)
かつてモトクロスレースを国際A級ライセンスで戦っていた彼は、

勝者のみが味わえる空気を知っている。

それだけに、その熱気冷めやらぬフィニッシュエリアに飛び込む、

自分自身へのもどかしさを感じてしまう。


青木選手同様、長野モデルにこだわってきたのが谷口選手。

この数年、自身が信じている長野モデルの性能を出し切れていない。

噛み合わない歯車が、思うように回り始めるにはもう少し時間が掛かりそうだ。


少しずつ歯車が噛み合い始めたのは夏目選手。

チームメイトたちのような派手さはないものの、その実力は確かなものがある。

彼のタイムを聞いた世界の有力選手たちは、また一人、ライバルが増えたことを実感した。


彼の名を聞いてまず最初にSLという競技を思い浮かべるのは、すでに失礼に当たるだろう。

オールラウンダーとして開花し始めた鈴木選手には、GSも「獲る」べき種目となっている。

だが、一瞬だけ破綻させてしまったスキー操作、Day3の再現とはならなかった。


鈴木選手からは日米の選手が交互にスタートした。

昨日、森井選手を阻んだWALKER Tyler選手。

ギリギリのプッシュで逆転の可能性を残す。

リーダーズボードの最上段に彼の名前を見た地元の観客は、両手を高々と突き上げる。


コース上にいるアメリカチームのコーチ。

彼はの仕事は、スタート地点へコース状況を報告することだ。

彼の仕事はWALKER選手の好タイムで報われた。


だが、まだ安心は出来ない。

視線を上げると、狩野選手がスタートしたところだった。


ジャパンはなぜ、こんなにいい選手たちが揃っているんだ?

アメリカチームに携わっている彼には、十分に世界で戦えるチームにした自負がある。

しかし、たった今、目の前を駆け抜けた狩野選手、

そしてこのあとに控えている森井選手のことを考えると、

恐怖すら覚えるのだ。


「Oh!....」

彼の感傷を妨げたのは狩野選手のクラッシュの瞬間を目の当たりにしたからだ。

その滑りが破綻しなければ、どんなタイムを叩き出したことか。


彼の低い唸り声はまだ続く。

1本目、最も森井選手に近い位置にいたCALHOUN Heath選手。

WALKER選手かどちらかが最高の結果をチームにもたらすと信じていた。

しかし、CALHOUN選手はコースサイドへ消えていく。

彼は手元のストップウォッチを止めた。

スタートから彼がいる地点までの区間タイムの計測も、彼の仕事だった。


「Jesus」

彼に神の加護はあるのか。


リセットされた時計が再び動き始める。

おそらくは彼が最も理想的と考えるスキーヤーがコースに現れた。


彼の鳥肌は寒さのせいではない。

ストップウォッチが表示した区間タイム。

「Crazy....」

彼には、そう呟くことしかできなかった。


絶対に計測ミスはない。

いったいどれほどのタイムが出てしまうのか。

自我を取り戻した彼に、無線から3.56秒差という報告が入る。


先ほどと同じつぶやきを、先ほどより低いトーンで、

彼はもう一度繰り返すのだった....


....さて、日中の熱戦、日が沈んだあとも興奮がまだ醒めません!

私は今、Prize giving celemony会場に来ております。

ジャパンチームのダブルウィン!

勝者のふたりは、先ほどから人だかりから解放されていません!


レース中はライバル、今は友人という他の選手たち、

そしてレース関係者が入れ替わり立ち替わり彼らを取り囲んでいます!

メディアのフラッシュもまったく途切れません!

彼らの偉業がどれほどのものだったか、本当によくわかります!


セレモニー開始の予定時間は過ぎておりますが、

この混乱はしばらく続きそうです!


先ほど、公式結果の配布がありました。

最終のリザルトを確認しておきます。


女子Sittingクラス

4位 村岡桃佳選手
5位 田中佳子選手
9位 青木辰子選手

男子Standingクラス

優勝 三澤拓選手
 5位 小池岳太選手
 8位 東海将彦選手
 9位 阿部敏弘選手
13位 伊藤史雄選手
16位 山崎福太郎選手

男子Sitingクラス

優勝 森井大輝選手
 4位 鈴木猛史選手
 6位 夏目堅司選手
 9位 谷口彰選手
13位 横澤高徳選手
 DF 狩野亮選手  以上です(^^


日に日に輝きを増すジャパンチームの「煌めき」、多くの言葉は要らないでしょう。

この光景が、「ソチ」で再現されることを、

そして、チームメイトみんなが笑顔でパラシーズンを終えることを祈りたい♪


お、そろそろセレモニーが始まるようですね。

こんな素敵な瞬間に立ち会えること、本当に嬉しく思います。


さて、明日はDay5、SLの第1戦を迎えます。

SLといえば!そう、あの選手が暴れるはずです!


素晴らしい結果をお伝え出来ることを祈って、

ここCopperMt.スキー場からお別れです。

ありがとうございました!