一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年2月27日水曜日

Japan as No1!....


昨日は、バタバタして投稿することが出来ませんでした。

申し訳ありません....(^^;


そして、もうひとつお詫びさせてください。

Slalom(回転:SL)からジャパンチームに2名の合流があったと書きましたが、

もうおひとりが合流されてました(^^;


その方の名は、田中佳子選手

ご本人やご関係の方々にはご迷惑と不愉快な思いをかけてしまったかも知れません(^^;

心からお詫びいたします....


簡単で申し訳ないですが、田中選手のSLの結果をご紹介しておきます(^^

あの厳しいコンディションの中、23番ビブでスタートした田中選手は、

1本目5番時計、2本目は4番、合計では4位に入る結果を出しました!

タイム差を見る限り、難いバーンに相当苦労したように思えますが、

持ち前のリカバリー能力できっちり完走したようです(^^


田中選手はもうひとレース、

Giant Slalom(大回転:GS)にも出場しますので、お見逃しなく!
                      ミノガシテイテモウシワケアリマセンデシタ....(^^;


では、障害者アルペンスキー世界選手権Day8です!

SuperCombi(スーパー複合:SC)でも、ジャパンチームは世界を席巻していました!


もうすでにリザルトをご覧になっているかも知れませんが、σ(^^;はまだなんです。

白々しく「見てきたように」書いていきますね♪


前日のSlalom(回転:SL)では、まるで鏡のような固い固い雪面に悩まされました。

この日もしっかりと冷え込んでいたようですので、同じようなコンディションなのでしょう。


さて、まずはSCとはどんな競技か、改めてご説明しましょう。


Super-G(スーパー大回転:SG)1本と、

SL1本のあわせて2本の合計タイムで勝敗を決める競技です。


「スピード系」のSGだけ速くてもダメ、「技術系」のSLだけ強くてもダメ。

どちらもバランス良く強くなければとても勝負をかけることは出来ません。

この競技は、まさに「キングオブアルペン」を決める1戦となります。


σ(^^;は、SGもSLもバランス良くビビっていましたから、

「問題外の外側の縁の陰」にいましたけどね♪


まずは、1本目のSGから見ていきましょう。

スタート標高2,075m、フィニッシュ標高1,705mの標高差が370mのコースです。


今回のコースは、先日のSGレースと違うコースで行われましたので、

DownHill(滑降:DH)やSGで上位につけた選手たちのアドバンテージはありません。

全くのイチからレースを組み立てていく必要があります。

それはまた、下位の選手たちにとってもチャンスがあるということ。


コースセッターはオーストラリアチームのコーチ

ゲート数27、ターン数26。

対標高差7%という、ルール上、最少のターン数が設定されました。

それはつまりどういうことかといますと....

このコースで考えられる最も高速レースが行われるということです!(^^


そして、雪面は「Compact(締まった)」ということですので、見応えは十分!

おもしろくなりそうですよ♪


1本目の天候は「Partly cloudy(所どころくも)」、つまりは「晴れ」。

スタート地点の気温-12.7℃、フィニッシュ地点は-8.8℃。


この寒気の中、コースに飛び出していく順番はこうなっています!

女子選手が11カ国25名。

Visually impaired(視覚障害:VI)クラスの選手はビブ(ゼッケン)26番から41番。

ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスが42番から64番。

ジャパンチームは小池岳太選手がビブ54番、東海将彦選手は56番、

           三澤拓選手が58番。


Sitting(チェアスキー)クラスが65番から95番。

ジャパンチームは、鈴木猛選手66番、狩野亮選手72番、

            森井大輝選手74番、夏目堅司選手83番。

以上、20カ国68名のエントリーです。


当然ですがSCでは、SGとSL両方の出場資格を持っていなければ出られません。

SLからチームに合流した横澤高徳選手はエントリー出来なかったようです。


また、同じく合流組の東海将彦選手は、スタートハウスに現れませんでした。

SLでのDid not finish(途中棄権:DNF)での影響が残っているのかな?....


まずは1本目、SGの結果はこうなりました!

Men's SuperCombi

Standingクラス
小池岳太選手 14位
三澤拓選手 12位

Sittingクラス
森井大輝選手 1位
鈴木猛史選手 5位
夏目堅司選手 7位
狩野亮選手 DNF

森井選手は2位と1.28秒もの差を付ける快走!

SLが得意の三澤、鈴木の両選手はどこまで巻き返せるのか?

小池、夏目の2選手にだってもちろんチャンスはあるぞ!(^^


ところで、この1本目、Sittingクラスの後半は、ものすごく荒れました。

夏目選手の前の選手から12人の選手が滑って、

完走は夏目選手を含めてたったのふたり!

それまで、DNFは「ぱらぱら」ぐらいにしかなかったのですが....

不思議なことがあるものです(^^;


さて、1本目終了後から、お日様は隠れてしまいました。

2本目は「Mostly cloudy(ほとんど雲)」

そんな書き方しなくても「曇り」だけでいいじゃん(^^;


2本目SLの会場は、先日のSLレースのコースへ移ります。

コースが変わるということは結構、大変なんですよ。

SCでは、SGとSLの板を使うわけです。


ホテルからそれぞれが2セットの板を持ち出して、

それぞれのコースに板を持って行かなくてはならない。

チームスタッフの方々は大変お疲れだったことでしょう(^^


そのSLコース、スタート標高1,876m、フィニッシュ標高1,710m、標高差は166mです。

昨日のSLレースは204mの標高でしたから、少し短いコース設定となりました。


コースセッターはカナダチームのコーチ

ゲート数53、ターン数52、対標高差は31.3%。


1345時のスタート時刻なのですが、気温は-10.4℃。まったく上がっていません。

昨日のSLレースの固い堅い硬いレースバーンは、

相も変わらず固い堅い硬い難いままなんでしょうね(^^;

また波乱含みの2本目になるのかな?


オールラウンダーの証明、SCレースの栄冠は誰の手に?

最終結果はこうなりました!


Men's SuperCombi

Standingクラス
8位 三澤拓選手
14位 小池岳太選手

Sittingクラス
優勝 森井大輝選手
2位 鈴木猛史選手
10位 夏目堅司選手

となりました!


森井選手は堂々の逃げ切り!

鈴木選手は一気に4つ順位を上げました!

ジャパン1-2フィニッシュ!おめでとうございました!(^^


三澤選手もSLでは6番手タイムを叩き出し、しっかりとランクアップしてます♪


しかしまあ、森井選手の好調ぶりときたらどうですか?
 
「オッズ」が出されるならきっと、連勝式で105円というところでしょうか(^^


この世界選手権も、残すはGiant Slalom(大回転:GS)と、

Team Event(国別団体戦:TE)のみとなりました。

長いレースウィークもあとわずかです。

もうひと気張り!しっかりやったってや!(^^


....これを書いている時、もうすでにGSの結果は出てるんですけどね(^^;

2013年2月25日月曜日

これでレースが成立したのか....


さて、本日も「障害者アルペンスキー世界選手権」のお話です。

昨日は、Slalom(回転:SL)が開催されました。

スケジュールでは一昨日だったのですが、

ご覧のように暴風のためキャンセルされました。



よくあんな風でスタートさせてみたものだと、ある意味感心しました(^^;


ところで、このSLから、ジャパンチームに合流した選手がいます。

「キング」こと東海将彦選手、そしておなじみ、横澤高徳選手のおふたりです!


東海選手は長い間、

Injury Status(故障者リスト:IS)」に登録されていて、戦列を離れていました。


かつてはトリノパラリンピックのGiant Slalom(大回転:GS)での銀メダルを始め、

レベルのチョー高いStandingクラスで勝ちまくっていた経歴の持ち主です。

まさに「キング」の名にふさわしい(^^


ISの間は、レースポイントが失効することがないという特例があるため、

じっくり怪我の治療に当たってきました。


ようやく実戦復帰のめどが立ったようで、

この世界選手権のSLから復活のようです♪

その活躍やいかに?(^^


まずは、リザルトをお手元にどうぞ。


昨日の暴風とは打ってかわって、本日はまずまずの天気ですね。

Partly cloudy(所どころ雲)」ですから、日本語では「晴れ」と言っていいでしょう。


スタート地点の気温が-12.1℃

フィニッシュ地点で-7.6℃

しっかりと冷え込みました♪


雪質は「Hard」ですから、今日もスキーびより♪と思いたい....

現地を見る事の出来ないこのシリーズでは、リザルトの文字情報だけが頼りなのですが、

σ(^^;の経験からくる「よからぬ想像」も混ざってしまいます。


前日の暴風でしょ?

しっかりと冷え込んだんでしょ?

ということはですね....


新しい軽い雪はすべて吹き飛ばされ、

むき出しになった古い固い雪が風で磨き上げられ....

そう!鏡面仕上げのレースバーンが姿を現したということです!!


σ(^^;も何度か経験したことがあります。

映像も残っています。



ギンギンに研ぎ上げたスキーのエッジでも、

しっかりと斜面で立つこともままならない雪面なんです。

そしてそれは、σ(^^;ごときでは太刀打ち出来ない雪面でした。
                             ナサケナイコトデスガ....


でも、La Morinaは「天下一武道会」の会場です。

σ(^^;のごとき選手なんて一人もいないはず!

かつての悪夢を振り払って、会場に目を向けていきましょう。


スタート標高1,914m、フィニッシュ標高1,710mで、

標高差204mというのが今回のSLコースプロファイル。


ルール上の標高差は140m~220mですので、かなり長いコースです。

そんなコースに、フランスチームのコーチは立ても立てたり63ゲート

ターン数では60と、タフなコースが出来上がったようです。

それでも、ターン数の対標高差は29.4%ですから、少ない方ですなぁ。
                     (ルール上は30%~35%±3ターン)

このコースにMAXでゲートを立てたなら何ターンだ?

35%+3ターンですから....74ターン!

σ(^^;がそんなコースを滑ったら、

完走出来たとしても「出し殻」みたいになりますな、きっと♪























このSLはエントリーが多かった。

高速系と違って出場資格のポイントをクリアしやすく、

男女あわせて116名ですか(^^;

これはちょいと想像しにくい人数ですなぁ。


では、スタート順を見ていきましょう。

女子選手が17カ国34名。

Visual impaired(視覚障害:VI)クラスの選手はビブ(ゼッケン)35番から52番。

ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスが53番から81番。

ジャパンチームは三澤拓選手が61番、東海将彦選手は70番、

           小池岳太選手がビブ73番。


Sitting(チェアスキー)クラスが82番から116番。

ジャパンチームは、鈴木猛選手85番、森井大輝選手90番、

            狩野亮選手97番、夏目堅司選手104番。

以上、26カ国82名のエントリーです。

ということですが....夏目選手の姿がありません。

どうしちゃったかな???


さて、先ほども書きましたが、

想像どおりに「鏡面仕上げ」の雪面だったとしたら、

そんなコンディションでのSLは、ある意味「エクストリーム」です(^^;

とんでもない結果になったのは仕方のないことかも。


それはリザルトが示していますね(^^;

82名のエントリー、

Did not start(不出走:DNS)が2名で80名のスタート、

Did not finished(途中棄権:DNF)が29名!

Disqalified(旗門不通過:DQ)も10名!!

1本目をしのぎきったのは約半数の41名!!!


ビブ92番の選手の後、24名中、完走者は7名。

その間にスタートした選手は次から次へといなくなっていくんです....カミカゼ?

これはもう、異常事態といってもいいでしょう(^^;


ジャパンチームの1本目はこうでした。

Men's Slalom 1st.run

Standingクラス
小池岳太選手 6位
東海将彦選手 DNF
三澤拓選手 DQ

Sittingクラス
森井大輝選手 5位
狩野亮選手DNF
横澤高徳選手DNF
鈴木猛史選手DQ

....なんだこの結果は?(^^;


特に、SLを得意とする三澤、鈴木の両選手がDQなんて、

二人の実力を知っているσ(^^;には信じられない事態です。

しかも、ふたりとも同じゲートでやっちゃったんですよ。
                            アリエナイ....

何とか生き残った、小池、森井の両選手には気を吐いてもらうしかない!


2本目、天候は「Sunny」で1本目より良くなって、

気温もスタート-9.3℃、フィニッシュ-4.3℃と、

冷え込みは緩くなっていきましたが、雪面が緩むということはないでしょう。


コースセッターはイタリアチームのコーチ。

ゲート数61、ターン数59ということですが、

どんなゲートかというよりも、どうやって鏡の上を滑りきるか?

問題はこの一点のみでしょうな(^^;


「鏡」の上を滑り降りるにはコツがありましてね。

とにかく板を横に向けてはいけないんです。

滑っていく方向と、スキーの角度がわずかでもずれてしまえば、

すてーん!と転んでしまいます。


丁寧に丁寧に、落下する方向へスキーを向け続け、

丁寧に丁寧に、エッジを雪面にあわせ、

リズム変化の場面も、丁寧に丁寧にスキーの向きを合わせていく。

コントロールしようと思って、ちょっとでも板をずらしすぎてしまうと....


そんなシビアなターンを60もこなさなきゃいけないなんて。

優勝者には神が降りてきたとしか思えない!(^^


で、2本目のジャパンチームはどうなった???

Men's Slalom

Standingクラス
DNF 小池岳太選手

Sittingクラス
2位 森井大輝選手

以上!


結局、生き残ったのは森井選手のみ(^^;

意地の第2位!おめでとう!


2本目は、1本目ほどではないにせよ、完走率は70%。

この数字にしたって異常ですわ(^^;

恐ろしい1日がこれで終わりました♪


IS明けのキング東海選手は、DNFでケガを悪化させたりなんかしてませんように。

他のみんなも気持ちを切り替えて、翌日のSuperCombi(スーパーコンビ:SC)をしっかり!(^^


なんて言ってても、この投稿を上げた頃、

現地ではSCの2本目の真っ最中。

寝る前には、結果がわかるでしょうな♪


最後になりましたが、

この日のSLのハイライトがIPCより公開されております。

どうぞご覧下さい。


これを書き終わってからσ(^^も拝見しましたが、

やっぱり、鏡のように磨かれた雪面だったようですなぁ。

想像は大正解でした。


想像しきれなかったのは、三澤、鈴木両選手のDQ。

このコース、よく見ればシングルポールと言われるセットのようです。


通常なら2本のポールでゲートを立てるのですが、

たまにSLでは1本だけでゲートを立てるときがあります。

外側のポールは、まあ、いらないっちゃぁいらないので、省略!

なんて事もあるのでしょうな(^^;


で、59ゲート目

ふたりが「やっちゃった」ところですが、

どんなセットだったかも映像から見て取れます。


一見、なんて事のないオープンセットのようにも見えますが、

ここはかなり難しいリズムなのです。


その上の「ディレードゲート(2ゲート1ターン)」の長いリズムから、

深く板を右に回してタン、タンと切り返し。

普段のふたりの実力なら、なんて事のない状況だったと思いますが、

このレースに限って言えばそれだけ余裕がなかったんだろうと愚考する次第です(^^;


大会もDownHill(滑降:DH)トレーニングから数えて5日目が過ぎました。

スケジュールはまだ3レースを残していますが、もうDay offはありません。

そろそろみんな疲れがピークに来てるだろうなぁ(^^;

2013年2月22日金曜日

嬉しや嬉しや♪....


昨日の憂さ晴らしですな♪

障害者アルペンスキー世界委選手権、

昨日のDownHill(滑降:DH)の低迷を吹き飛ばすかのようなリザルトが届きました♪

今日は、Super-G(スーパー大回転:SG)です。


結果を見て喜ぶだけではこの連載の趣旨に反します(^^

今日も「まるで見てきたよう」に書いていきますね。


天気は昨日に続いて快晴!「Sky Clear」ですよ。

単純に「Sunny」と言われるよりも、気持ちもすっきりします♪


ジャパンチームのみんなも、「やってやんぞ!このやろー!!」てな顔をしていしますね(^^


気温はスタート地点-6℃フィニッシュ地点-4℃

雪質はしっかりと締まっています(「Compact」


ゲレンデはDHと同じコースを使うようですね。

スタート標高2,100m、フィニッシュ標高1,685m、

標高差415mでコース長1,710mです。

ルール上は、SGの標高差が400m~600mですので、

短めのコースかなと思いきや、それでも1,710mと結構な長さですな。


昨日のDHより、スタートが100m、フィニッシュは15m下がりました。

これでコース長がDHより615m短くなったと。


緩斜面部分のスタートを100m下げてこんなに距離が短くなるなんて、

かなりダラダラとした斜面なんでしょうなぁ....

標高差100mで600m短くなった区間は平均斜度16.6%。

....16%なんて、面白くとも何ともない斜面じゃね?(^^;


昨日の投稿で臆面もなく繰り広げた「ろぼ理論」。

それが正解だとしたらジャパンチームとって、

「ハンデ」とも言える緩斜面区間が短くなるのは、ありがたいことです(^^


コースセッターはアメリカチームのコーチ。ゲート数29、ターン数28。

1,710mで28ターンということは?1ターンあたり61m!

全部が全部、そんなターンではないでしょうが、かなりゆったりなのは間違いない。

やっぱり、このSGも滑走性の勝負ですか。


さて、どんな結果になりますやら♪

スタート順を確認します。


女子選手が11カ国25名。


Visual impaired(視覚障害:VI)クラスの選手がビブ(ゼッケン)26番から41番。

ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスは42番から63番。

ジャパンチームは小池岳太選手がビブ47番、三澤拓選手が63番


Sitting(チェアスキー)クラスが64番から92番。

ジャパンチームは、狩野亮選手65番、鈴木猛選手72番

            森井大輝選手77番、夏目堅司選手85番。

以上、20カ国67名のエントリーです。


昨夜はきっと、DHの結果を受けてチームでも相当な検証がされたことと思います。

どんな対策をとったかわかりませんが、いい結果に繋がれば(^^


女子のVIクラスに始まり、各選手が次々にスタートバーをこじ開けていきます。


スタート地点には、47番小池選手がコースアウトとアナウンスが流れる!

どこでやっちゃった?体は大丈夫かな....


Standingクラス最後尾スタートの三澤選手がコースを攻めていく。

途中、コース脇で小池選手が手を振っている。ちと安心(^^

フィニッシュに飛び込み、順位は....13位!

トップと5.19秒の遅れでした。

やはり、1本スキーのLW2にはスピード系種目は苦しいか?(^^;


少しのインターバルがあって、

その間にリーダーズボードがSittingクラス用に書き換えられました。

同時に、スタートハウスも緊張感が高まります。

観客も、この間を待つのがもどかしそう(^^


Sittingクラス最初の選手がフィニッシュするのを待って、

2番手スタート狩野選手がスタート!

ジャパンチームが誇るスピードキングはどんな結果を持って降りるのか?


フィニッシュラインを先の選手より4秒以上速く通過!

まずは、レースの基準タイムを描きました!


その後、狩野選手の上に躍り出たのはTABERLET Yohann選手(FRA)

狩野選手を0.19秒上回る!


間髪入れず降りてきたのは鈴木選手、この時点で8人滑って7番目。

ちょいと対応出来なかったか?


次々に降りてくる選手たちも、トップにはほど遠いタイム。

その時、ゲレンデの空気が引き締まりました!


森井選手がスタート!

世界最強チェアスキーヤーは、このレースをどう彩るのか!

中間計時は....この時点の3番手の1.24秒遅れ!

この差なら、まだ取り返せる!


平均時速が60km/hにもならないダラダラ緩斜面を抜ければ、その先は得意の急斜面!

激しく、しかし鮮やかにターンを紡いでいく!


光電管を遮った時、リーダーズボードには最速レーサーの名が躍り上がった!

「1 MORII Taiki JPN 1:13.49」


全ての選手を引きずり下ろし、堂々のトップタイム!

その瞬間、歓喜を爆発させる森井選手

「大輝さん、ナイスランです!」

「仇は取ったぜ?亮ぁ!」


その後、終盤にスタートした「眠れる獅子」夏目選手は、

6番目に踊り出しジャパンチームの層の厚さを証明して見せる!

そのタイムは森井選手に遅れること1.32秒。

中間では、トップの森井選手より0.6秒しか離されていない!

これを復活のきっかけにして欲しい!!


さあ、最終結果を見てみましょう。

Men's Super-G

Standingクラス
13位 三澤拓選手

Sittingクラス
優勝 森井大輝選手
3位 狩野亮選手
6位 夏目堅司選手
21位 鈴木猛史選手


森井選手優勝!

狩野選手も堂々の3位!

おめでとう!!


と、いうことでめでたしめでたし♪で終われる記事にはしませんよ(^^


DHに引き続いて、

「ろぼ理論」の検証をしなければなりませんので、

もうしばらくお付き合いください(^^


σ(^^;の「おおざっぱで狂いのない計算」では、IT1までの区間は973mでした。

昨日のDHは1,588m。実に600m以上も短くなっています。


平均時速では、DHの優勝選手が約68km/h森井選手のSGで約57km/h

SGはDHより「曲がり」の要素は多くなりますので、これだけのスピード差が出ます。


昨日の投稿でも書きましたが、

直滑降であれば体重の重い選手が、

ターンは軽い選手が有利と書きましたが、

傾向はその通りであったように思います。


今日のSG、IT1のタイム順は、

Sittingクラス
森井大輝選手 5位
狩野亮選手  9位
夏目堅司選手 11位
鈴木猛史選手 21位(いずれも、完走者中の順位)

と苦戦気味でした。


一方、慣性力の減少に悩まされない最後の急斜面区間(IT1の後)は、

上位7名にジャパンチームのチェアスキーヤーが4選手とも入っております。

上位4名でいえば3選手!


Sittingクラス
狩野亮選手  1位
森井大輝選手 3位
夏目堅司選手 4位
鈴木猛史選手 7位(おなじく、完走者中順位)


急斜+ターンで勝負をかけた時のジャパンSittingチームの強さときたら(^^;

他国のチームは、開いた口がふさがらないでしょうね♪


こう考えていくとあながち、

「ろぼ理論」は間違った方向ではないと結論づけてもいいのかな?(^^


ただ、サスセッティングのデータまで検証しているわけではないで、

昨日の投稿の「オーリンズの優位性」まではわかりません。

これは選手たちの直感と、実物のテストで結論づけるしかないのか(^^;

ま、長い目で試していきますよ♪


さて、世界選手権はDay offを1日はさんで、

土曜日のSlalom(回転:SL)から再開です。

この連載も2日間お休みです(^^


1日のDay offで、何で2日間休むんだよ」って?(^^;

「オーリンズプロジェクトFeat.ろぼ」のため、明日から東京行きなんです♪

腰を据えて書いていくことが出来ないんで、ご容赦を(^^


ついでに、この投稿での想像を補完する映像が届きましたので、貼り付けておきます(^^
                                      ナンダ?エラソウナモノイイダナ....




8分17秒頃から、森井選手の登場です♪


では(^^

2013年2月21日木曜日

観客とは口性無いもの....


「山本新之介の世界選手権をまるで見てきたような観戦記」です(^^


DHレースがスタートして、いよいよ本格的にスケジュールが進んでいきます。

やっぱり、世界選手権ともなれば、主催者側の対応も早いですね(^^

昨夜、夜中にはDHのリザルトがIPCのページにアップされていました。
             (Standigクラス リザルト Sittingクラス リザルト
                         PDF版のリザルトはこちら)

寝る前に見るには、ちょいと刺激が強すぎた....(^^;




DHでは、コースプロファイルやセットの変更はありませんが、おさらいしておきましょう。

スタート標高2,200m、フィニッシュ標高1,700m、標高差500mでコース長2,325m。

コースセッターはスペインチームのコーチで、そのセットはゲート数30、ターン数19

もうおなじみの数字ですね(^^


この日の天候は「Sunny(快晴)」

雪質は「Conpact(締まった)」気温はスタート地点-4℃、フィニッシュ地点-6℃。

コンディションは最高じゃないですか♪

天気もよく、寒くもなく、絶好のスキーびよりかな(^^


では、DHレースのスタート順を確認!

女子選手が10カ国19名。

Visual impaired(視覚障害:VI)クラスの選手ビブ(ゼッケン)ナンバー20から33。

ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスは34番から49番。

ジャパンチームは小池岳太選手のビブが44番。


Sitting(チェアスキー)クラスが50番から73番。

ジャパンチームは、狩野亮選手63番森井大輝選手65番鈴木猛選手74番

夏目堅司選手はエントリーしていないようです。

以上、17カ国58名のエントリー。


今回は訳あって、途中で何があったかの「想像」を後回しにします(^^;

さっそく、結果をご覧ください。


Men's DownHill

Standingクラス
15位 小池岳太選手

Sittingクラス
14位 狩野亮選手
16位 森井大輝選手
17位 鈴木猛史選手


こんな結果を寝る前に見ちゃったら、すやすやと眠ることは出来ないでしょ?(^^;

なぜこの結果だったか、考えてみる必要があります。


本日だけは「想像」だけでなく、

選手のFacebookやブログから、

情報を仕入れて検証していることをご了承ください(^^;


まずは、リザルトから。

IT1というタイム表記があります。

これは、いわゆる中間タイムのことです。

長いコースを降りてくる訳ですから、

フィニッシュ時のタイムだけでは面白くないだろうということで計測されています(多分)。


IT1までと、フィニッシュタイムから後半区間のタイムも計算してみました。


まずは、IT1の順位とトップとのタイム差を。

Standingクラス
16位 小池岳太選手 7.70秒

Sittingクラス
19位 狩野亮選手 6.40秒
21位 森井大輝選手 8.00秒
22位 鈴木猛史選手 9.55秒


そして、後半区間のタイム差はこうです。

Standingクラス
14位 小池岳太選手 1.84秒

Sittingクラス
1位 狩野亮選手 0.00秒、つまり最速
4位 森井大輝選手 0.35秒
6位 鈴木猛史選手 0.52秒

何でこんなに違いがあるんだ???(^^;


後半は20秒強の区間で、あまり差がつかないとしてもですよ。

狩野選手は、優勝したHANFSTINGL Franz選手よりも、

0.93秒も速くこの区間を降りているんです。


森井選手や鈴木選手も後半は好タイムを出しています。

決して調子が悪いという訳ではないのは確かです。


みんなのFBをのぞき見てみますと、コメントや写真がアップされています。


どうも、前半はひたすら緩斜面

急斜面は、後半にだけ現れるようですね。


単純に、IT1までが緩斜面だけ後半は急斜面だけと考えると、

緩斜面のIT1区間はスピードは出ていなかったでしょう。


例えば....

緩斜面区間トップの平均時速が68km/hだったとして、

タイム差から逆算したトップとの距離差はそれぞれ、

Standingクラス
小池岳太選手 -41m

Sittingクラス
狩野亮選手 +161m
森井大輝選手 +190m
鈴木猛史選手 +172m

「-」は、トップ選手よりも先に行っていて、
「+」は、トップ選手よりも遅れているという事です。

ちなみに、「係数」で割り戻した「実測タイム」で、「実際」の距離を計算しています。
(σ(^^;お得意の「おおらかで狂いのない計算」です。あしからず....)



いったい、なぜこんな差が生まれるのでしょうか???


みんなの調子が悪いわけではないのは、後半区間のタイムが証明しています。

IT1までの区間も、「みんな揃って何かやっちゃった」といいうのは考えにくい


ワックスはどうだ?

ワックスチョイスのチーム方針が大外れして、

どうにも滑らない板が出来上がったか?


でも、ゲレンデスキーヤーの簡易ワックスならともかく、

最近のレースワックスは、どんなにチョイスを間違えても、

大差が付くほど滑らなくなることはありません。

だから、ワックスも考えにくい


あとは....体重の差

重力加速度は質量で左右されないのは物理の常識。

スキーヤーの間でまことしやかに言われている、

速度=重さというのも、実は迷信


引力による加速は、体重の軽重には関係ないのです。

ただ、雪面からの抵抗により慣性力は減少していくので、

同じ雪面抵抗値だとしたら、

慣性重量の小さい体重の軽い選手は、余計に減速することになります。


芝生の上を、ビー玉とボーリング玉を同じスピードで転がしたら、

どちらがより遠くまで転がるかとイメージしてもらえればわかりやすいかな(^^

こう考えると、緩斜面では体重の重い選手が圧倒的に有利なんだとわかります。


ちなみに、ターン中はこれと全く逆の現象が現れます。

Slalom(回転:SL)やGiant Slalom(大回転:GS)のような技術系種目ですと、

深く速くターンをすることが求められますが、

体重が重い選手のスキーには、遠心力で大きな抵抗が生まれます。


雪面抵抗が大きくなれば、板は滑らずスピードは遅くなりますし、

体重が重いと切り返しにも余計な時間が掛かり、

軽い選手よりもラインは大回りになります。


こう考えると極めて単純で重要なことがわかります。

つまり、スピード系レースは体重の重い選手が圧倒的に有利で、

体重の軽い選手は技術系種目に向いているということ。


でもこれは、単純に体重だけの話。

リザルトだけではわかりませんが、

上位の選手がみんなジャパンチームより「重い」ということもないと思うんです。


例えば、5位のDEVLIN-YOUNG Christopher(でぶりん やんぐ くりすとふぁー)選手、

白馬のワールドカップで見かけたのですが、デブでもヤングでもなかったのです(失礼^^;)。

きっと、今も変わらぬスタイルに違いないと思います。


でも、5位に入った。


今回のDHは多分、体重の差だけで勝敗が決まったのではないはずです。

大事なのは、スキー板に直接、雪面抵抗を受けないということ。

抵抗をうけなければ、慣性重量が小さくても重力加速度によってスピードは保証されます。


膝がある選手は、本当に細かなところまで雪面の抵抗を感じて、

しっかりと膝で吸収しなければなりませんし、

チェアスキーであれば、

滑走中の雪面抵抗による振動数に共鳴しないように、

サスセッティングを決めていかなくてはなりません。


それは、ばねの固有振動数であったり、ダンパーの減衰力であったり。

また、フレームそのもののたわみや共振も大問題になる時があります。

さらに、サスが「底付き」する回数が多ければ多いほど、タイムはロスしていきます。


IPCのFacebookに載っている写真を見ていると....

チェアスキーにはオーリンズのダンパーが多いなぁ(^^


もし、もしもの話ですよ?

トリノモデルOEMダンパーのKYB製が、

オーリンズダンパーより性能(雪面追従性)の劣っているモノであったとしたら、

ジャパンチームは戦う前から大きすぎるハンデを背負っていたということになります。


これはあくまで仮定の話で、詳細なデータを元に検証したわけではありませんが、

大いに可能性があることではないかと愚考する次第です(^^


この「仮定」を実証するためにも、

いま企んでいるオーリンズプロジェクトを速く進めなければ♪


もうひとつ。

次回、もしかしたらこの検証の続きが出来るかも知れません。

高速系のSuper-G(スーパー大回転:SG)のレースが行われます。


SGも同じコースを使用するとしたら、前半は同じく緩斜面が主体。

SGはDHよりターンが深く、前半の緩斜面区間は短いので影響は小さくなるとしても、

KYBダンパー使用のレーサーは苦労するのかも知れません。


この「ろぼ理論」、どうですか?あながち間違っていないと思うんだけどなぁ....(^^

(速報:この投稿後、とても嬉しいニュースと、
     検証しがいのあるデータが手に入りました!)

2013年2月20日水曜日

トレーニングラン2日目....


そういえば、「世界史」の授業は苦手だったなぁ....

中世まではヨーロッパが中心の勉強で、

何となく「遠い世界」のお話なんですよね。


おまけにスケールがでかすぎる上に、

人名やら地名やら何もかもがカタカタで表記されているわけです。

しかも、ヨーロッパ史では国境なんてあってないようなものでしょ?

そして民族や宗教の違いもあって....

どうにも理解を進めることが出来ませんでした(^^;


何でこんな書き始めをしたかというと、

障害者アルペンスキー世界選手権の開催地、

SpainLA MORINA SKI RESORTのことを調べていて、

ああ、何も知らないんだなと改めて感じました。


サッカーが強いとか、近年の金融不安などは有名ですが。

何でこんなに知らないんだろう?と考えていくうちに、

ああ、世界史の授業があまりにも「苦痛」だったから、

ヨーロッパにあんまり興味がなくなっていたのだなと(^^;


で、改めてWikipediaでスペインのページを読んでみると、いろんなことがわかりました。


長い支配の時代が終わり、迎えた黄金期とその後の没落と中興。

ふたつの世界大戦を中立の立場で過ごしたとか、

内戦や社会的な治安の悪化だとか、

1975年まで独裁者支配を受けていたとか、

知らないことばかりでした(^^;


多民族、多言語、一筋縄にいかない地域の自立心....

スペイン政府もなかなか苦労してそうですなぁ。

この世界選手権を機会に、いい勉強をさせてもらいました♪


さあ、大会2日目に目を向けていきましょう(^^

DownHill(滑降:DH)トレーニングラン2本目。

リザルトをお手元にどうぞ♪


この日、天候は回復したようですね。

昨日の「Blizzard」はどこに行ったのやら?

「Partly Cloudy」、所どころ曇りというお天気。

「晴れ」と表現すればいいのに....英語のニュアンスは難しいですね(^^


本日のコースプロファイルは昨日と少し変わりました。

スタート標高2,200mは同じですが、

フィニッシュ標高が少し高くなって1,700m標高差は500mとなりました。


DHレースの開催中はコースプロファイルの変更は基本的にないはずなのですが....

フィニッシュラインが35mも上がれば、フツーに考えるとそこは斜面上。

それはあまりにも危険じゃね?


35mの標高差、フィニッシュ前の斜度が25%だったとして、その距離は140m

時速80km/hで降りてきていたとしたら、6秒もの時間になります。

1本目より、そんなにタイムの短縮がされていないようですから、

きっとプロファイルの変更ではなくて、「訂正」だったのでしょうね。


ひとつありがたいのは、「Course length(コース長さ)」が公表されたこと。

2,325mという数字は、平均時速を計算するためには本当にありがたい(^^

これで、もう少し臨場感を高める「想像」が出来ます♪


DHレースは、トレーニングランから本番までコースセットの変更はありません。

超高速のレースですから、日によってコースを変えていると間違いなく大事故が起きますし、

迫力のあるレースは期待出来ませんからね。


この日も少し暖かいのが気になりますが、

雪質は「Hard」ということですので、いいコンディションではないでしょうか。


では、スタート順を見ていきましょう!

女子選手が10カ国20名。

Visual impaired(視覚障害:VI)クラス、ビブ(ゼッケン)ナンバー21から34。

ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスは35番から52番。

ジャパンチームは小池岳太選手のビブが46番


Sitting(チェアスキー)クラスが53番から78番。

ジャパンチームは、狩野亮選手66番森井大輝選手68番

            夏目堅司選手73番鈴木猛選手74番

でも、スタートハウスに夏目選手の姿がありません(^^;....何かトラブったかな?


以上、17カ国58名のエントリーです。

さあ、本番前の最後のトレーニングラン。

調整の具合はいかがかな?(^^


トレーニングラン2本目の結果です!

Men's DownHill Training Run2

Standingクラス
14位 小池岳太選手

Sittingクラス
6位 狩野亮選手

9位 森井大輝選手
20位 鈴木猛史選手
DNS 夏目堅司選手



となりました。


前日とこの日、

好調を維持した選手、

2日目に大きく順位を落とした選手、

2本とも走らなかった選手....

いろんな立場で本番を迎えることになりそうですね。


ところで。

この2本目、最もかっ飛ばした選手は誰だったのか?

....計算してみました♪


滑走タイムは、「係数」で計算されているタイムですから、

そのままでは速度は計算出来ません。

計算タイムを係数で割り戻し、平均時速を求めてみました!


公式タイム ÷ 係数 = 実測タイム
2,325m ÷ 実測タイム =平均速度


この日のスピードキングは....

VIクラス WILLIAMSON Chris選手  B3 CAN 85.49km/h
      (Guide: FEMY Robin)

Standingクラス BRUEGGER Michael選手 LW4 SUI 88.28km/h

Sittingクラス TABERLET Yohann選手 LW12-1 FRA 75.27km/h

「最も速い男」は誰か興味あったもので、リアルなスピードを出してみました(^^


ちなみにジャパンチームでは....

Standingクラス 小池岳太選手 82.23km/h

Sittingクラス 狩野亮選手 72.35km/h
         森井大輝選手 71.79km/h
         鈴木猛史選手 71.28km/h

レースとは全く関係のない「お遊び」の計算でした♪

Interval Timing(中間計時:IT1)の標高も公表されていればもっと楽しめるのに(^^


さあ、いよいよ明日は、DHレースの本番!

ジャパンチームの結果はいかに?

まあ、本番にはめっぽう強い選手たちです。

心配はしていませんけどね(^^


ここで、昨日に引き続いてタイムトラベルです。時空を越えて移動します♪

1月27日(日)、志賀高原西館山スキー場へ(^^


「全日本チェアスキーチャンピオンシップIN志賀」Giant Slalom(大回転:GS)2本目


朝早くに起床、スーパー大回転(SG)のキャンセルを経て、

GSの1本目が終了したところで、昨日の投稿が終わってましたね(^^


2本目のインスペクションの開始時間が正午過ぎ。

おなかがすいていても、昼食を取るほど時間もなし。

みんな、集中力が途切れてきてませんか?(^^


それでも、レース時間は無機質にその針を進めていくんですよ♪

しっかり、コースを憶えてくださいね(^^


1ターン目は1本目と逆。


スタート後のやや急斜面から緩斜面の入りは、1本目と性質を変えています。

4ターン目は斜面に逆らうようにアプローチし、しっかりと回して行かなくてはなりません。


スピードはすでに出ていますから、

5ターン目の入りを焦っちゃうと板がずれて止まってしまいます。

1本目、ここにあったスルーゲートは無し。

リズミカルにその後の5ターンを決めていきましょう。


「棚」の先を見越したライン取りは1本目と同じ。

ひとつ注意することは、

飛び込んだ先に1本目のライン際や2本目のコース整備で作られた、

雪だまりが残っているということ。

ここに突っ込んでしまったら、レースは終わります。

少しだけシビアにラインを取ってください。


すぐさま現れる「うねり」区間は相も変わらず厄介。

ですが、この区間はそんなに趣向を凝らしたセットは出来ません。

難しいのは同じですが、1本目と同じようなリズムになっているはず。

丁寧に丁寧にスキーを走らせて。


少々、ターンが詰まり気味でも大丈夫。

破綻さえしなれば、次の緩斜面にあるスルーゲートで一呼吸出来ます。

冷静になって最後の急斜面に飛び込みましょう。


飛び込むタイミングや方向を正確につかむのは踏んだ場数次第なんですが、

大切なのは、インスペクションのイメージと実際のラインを、

滑り終えた後に自分の中で比較出来るかどうか。

だらっと入っていてはいけませんよ(^^


さあ、2本目も終わり、最終結果が出ました!


チェアスキー女子
優勝 奥山楽良選手
2位 村岡桃佳選手
3位 梅野裕理選手
4位 原田紀香選手


奥山選手は、あれですか?

デビューtoウィンってやつですか?

かっこいいじゃねーか!(^^

おめでとうございました!


村岡選手には早くも試練到来か?(^^

2本のタイムを揃えるアルペンの難しさ、

誰もが悩むことですからいい経験になったと思いますよ♪


チェアスキー男子
リザルトどおり!マタソレカヨ(^^;


優勝はぶっちぎりで、チェアスキー協会競技部長「野島”じぃ”弘」選手!

もとパラリンピック日本代表は今も実力を誇示!(^^

優勝おめでとうございました!


ところで、リザルトの情報以外はすべて、

「想像」でお送りしているこのシリーズですが、ひとつだけ断言しておきます。


このGSは9位と奮わなかった高村俊彦選手ですが、

何か深刻なトラブルでもない限り、

こんな順位で終わる方ではないことを申し添えます(^^;


そして、チェアスキー2部優勝は四戸龍英選手!

この方も元パラリンピアン。

四戸選手の背中を見て育った選手たちは、

今、世界のまっただ中で戦っていますよ(^^


偉大な先達に囲まれた日本の若者たちは、本当に幸せなことと思います♪


今期、σ(^^;は参加することがかなわなかったチャンピオンシップですが、

こうやって書いていくうちに参加出来なかった寂しさがこみ上げてきました。

またいつか、必ず復帰しますので、その時はどうぞよろしくお願いします♪


次の国内戦は3月、白馬八方尾根で開催されるジャパンパラ大会です。

世界戦から凱旋してきたナショナルチームのメンバーに、

国内組がどこまで食らいつくことが出来るか必見です(^^

どうぞお楽しみに!

2013年2月19日火曜日

ラモリーナの空は青く輝くか?....

スペインの空。

σ(^^は行ったことがありませんので、

イメージだけですが、「青空」しか思い浮かびません♪

スペイン = ラテン系 = 青く輝く空と陽気な人々、

なんとなく、そんなイメージしかないんです(^^


障害者アルペンスキー世界選手権が、

LA MOLINA SKI RESORT(SPAIN)で開幕しました!

この大会でも、「見てきたように」書いていきますよ♪


前の投稿で「天下一武道会」と表現しましたが、

まさに世界最速のスキーヤーを決定するのがこの世界選手権。

早く開幕しないかとうきうきワクワクしていました(^^


初日はDownHill(滑降:DH)のトレーニングラン1本目。

青く輝くスペインの空のもと、ジャパンチームはどんな滑りを見せてくれたのか?

トレーニングランのリザルトをお手元にお付き合いください(^^


公式発表では、天候は....「Blizzard」

ぶりざーど?猛吹雪っすか???(^^;


誰だよ?スペインの空は青いなんて言ったのは?(^^;

よくそんな天候でDHなんか滑らすなぁ....


スタート地点で「Blizzard」、フィニッシュ地点で「Partly cloudy」

上は吹雪いているけど、下は所どころで雲。

....まあ、それなりにいい天気って事ですな。


どのあたりまで吹雪いていたかはわかりませんが、

滑らせておこうと主催者側が判断したんでしょうなぁ。

まあ、トレーニングランですから、無理そうなら止めとけという程度でしょうかね。


DHレースはスピードが出すぎるので、

インスペクション(コース下見)と、

2本のトレーニングランを行うことがルールで決められています。


スピードとコースにしっかりと慣れて、

最高の滑りを見せやがれ!ってとこでしょうか(^^


さて、今回のDHレースのコースプロファイルをご紹介しましょう!

スタート標高2,200mフィニッシュ標高1,665m

標高差は535mとなっています。


世界選手権のルールでは、

DHの標高差は450m~800mですので、

ちょい短めというところですな。


まあ、「ちょい短め」と言っても、DHはそんなに優しくありません。

σ(^^;なら....「死ぬかも」なんて思いながらスタートするでしょう。

そしてチキンなσ(^^;は、SLのように細かくターンをし続けるのに違いない。
                                     ガクガクブルブル....

ゲート数30ターン数19というコースセットですが、

ルール上、ターン数は「as required(必要に応じて)」

そのまま飛び出すと危険な箇所だけはゲートで規制して、

後は斜面なりに落ちていきやがれ♪というコースなんでしょう。


コースセッターはスペインチームのコーチです。

地元ゲレンデの何もかもを知り尽くした人が、最高の見せ場を設定したに違いない(^^

どんな結果になることやら♪


といっても、トレーニングランです。

特に1本目は「慣れる」ためという要素が強いでしょうから、

ガチで攻めるプレーヤーはいないでしょうな。

現に悪天候を嫌ってか、Did Not Start(不出走:DS)が6名もいますから、

この日はみんな、本当に「様子見」ということだったのでしょう。


それでも、何かありゃ「とんでもないこと」になってしまうがDH。

無事に降りてきた欲しいものです。


では、スタート順を確認しておきます。

女子選手が10カ国20名。

Visual impaired(視覚障害:VI)クラスはビブ(ゼッケン)ナンバー21から35。

ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスは36番から52番。

ジャパンチームは小池岳太選手のビブが100番。

100番???なんだこのでかいビブ?(^^;


おそらくですね....

この世界選手権へ出場するためには、2月8日時点で140Pts.が必要でしたが、

それに近いポイントを持っているからとかで、主催者判断で出場が許されたりしたのかな?

選手にとってはありがたい話ですな(^^


Sitting(チェアスキー)クラスが53番から102番。こちらもでかいビブが出てきました。

ジャパンチームは、狩野亮選手66番森井大輝選手68番

            鈴木猛選手101番夏目堅司選手102番

こちらは鈴木、夏目の両選手が「飛び入り」でのエントリーということなんでしょうな(^^


以上、17カ国59名のエントリーです。

今回、三澤拓選手はポイント不足でエントリーできなかったようです。


Super-G(スーパー大回転:SG)はエントリー出来るようですので、

そこでポイントを稼いで、ワールドカップファイナルやソチパラリンピックの、

DHレースへの出場権をゲットしてください(^^


それにしても、スタート地点は吹雪いている割に+3℃という気温です。

そのくせ、暖かいかといえばそうでもなくて、強風の中では体感気温はかなり低くなります。

イヤなコンディションでしたなぁ....


そんな中、選手たちはどう滑ったか?

トレーニングラン1本目の結果です!


Men's DownHill Training Run1

Standingクラス
16位 小池岳太選手

Sittingクラス
4位 鈴木猛史選手
5位 狩野亮選手
19位 夏目堅司選手
DNF 森井大輝選手


まあ、今回はあくまでも足馴らし♪

明日のトレーニングラン2本目で、本番に向けた調整をすればいいんです(^^

天気、回復するといいなぁ....

まずは、La Morinaはここまで(^^


引き続いても「見てきたように」書いていきますよ!


時とところが変わって、遡ること1月27日、場所は志賀高原西館山スキー場

「全日本チェアスキーチャンピオンシップIN志賀」の2日目です。


スケジュールはSGGiant Slalom(大回転:GS)の、

2レースが行われるタフな日が始まろうとしています。


この日の西館山は、晴れ♪

公式発表では「Fair」、つまり「いい天気」ということですね(^^

こんな日は気持ちよく、「かっ飛んで」滑ることが出来るでしょうね。


まずは、SG

AM7:00前にはリフトに飛び乗り2本乗り継いで、

標高差380mのスタート地点まで上がっていきます。


朝食を胃袋に流し込んでホテルイタクラを飛び出し、チェアスキーへ乗り込もうとしたその時!

「全員、その場で待機!」

なんですと???(^^;

「雪質が柔らかすぎるため、SGが開催できるか検討中」とのこと....マジカヨ


これはですね、SGはとても危険が伴う競技のため、

障害者の選手たちを危険な目に遭わせるわけにはいかないという、

主催者側の思いがあるためです。


選手の中には、SGの経験が少なく、

トレーニングどころか満足にSG板に乗ったことすらない、

という選手もいることでしょう。


無理にスタートさせてもまるでレースにならないどころか、危険きわまりないのです。

安全を確保した上でなければスタートさせない。

とても勇気のある判断だと思います(^^


結局、SGはキャンセルとなり、GSのインスペクションまで空き時間となりました。


SGがなくなったのなら、すぐにGSを始めりゃいいじゃん。

おっしゃるとおり(^^;


でも、そういうわけにはいかなくてですね、

昨日から併催のFISエントリーリーグは、SGをやっちゃったんですよ。

健常者なら、そんなに危険がないということなんでしょうかね。


キャンセルの決定後、ざわめいていたホテル前も少しずつ静かになっていきます。

「おれ、部屋でもう少し寝るわ」という選手が続出(^^

今朝はAM5:00に起きた人もいるようで。


GSのインスペクションはAM10:00開始。現在AM7:30。
                         (時刻は推定)
もうひと寝入りしても余裕です。

でも、ちゃんと起きてくださいよ(^^


寝るぐらいならとフリーで滑りに出る人、

ホテルイタクラのレストランで談笑する人、

時間のつぶし方は様々ですな。


AM9:00を過ぎればENLのSGは終わり、GSのコースセットが行われていきます。

GSはENLとの併催はなくて、チャンピオンシップだけです。

ホテルの窓辺から見えるコースには楽しそうなゲートが立ち始めましたよ♪


さあ、みんな。出掛けましょう!(^^


GSのコースプロファイルは、

スタート標高1,508m、フィニッシュ標高1,337m、標高差171mです。


リフト1本でコースの大半が見渡せるので、

実は、インスペクションはリフトの上から始まっています(^^


ゲレンデ幅いっぱいを使用しますので、

昨日のSLにはなかったコースのうねりが現れています。

これがなかなか手こずるんですよ(^^


1本目のセットはおなじみ、板倉裕木治様。

コース下の地面にすんでいるモグラの数まで知り尽くしています(大嘘)。

果たしてどんなセットになったかな♪


リフトを降りたところがスタート地点

そこから3旗門は少し斜度がきつい。


3旗門目を右ターンでクリアすると、左側への2ゲート1ターン

ここは斜度が緩くなりますので、スキーの踏み方を間違えれば、

ずるずるとアウト側へはらんでいってしまいます。


スルーといわれるその2ゲートターンを、

しっかりとスピードを保ったまま駆け抜け、その後の緩斜面を丁寧に4ターン

ここは、焦らず騒がず余計なことをせずに。


斜面なりに進んでいくと、SLのスタート地点だったところ、

「棚」といわれる落ち込みが現れます。

この先の次のゲートは上からは見えない。

飛び出す方向をしっかりと憶えましょう。


この先は、リフトから見たうねりが選手を待ち構えています。

なんてことの無いようなオープンセットに見えますが、

うねりを利用され、とんでもない落とし穴が現れます。


ゲート際が「逆バンク」になっていたり、

見た目以上にターン弧が小さかったり

棚から下の8ゲートぐらいは気が抜けません。


その先は最後の急斜面に飛び込む前の緩斜面

このあたりのミスでスピードダウンしちゃうと、

顔から火が出るぐらいに遅いスピードで滑らなければなりません。

しっかりと、ミス回避のガマンスキーですよ♪


さあ、いよいよフィニッシュ前の斜面へ!

もちろん、先なんて見えません(^^

飛び込む方向は定まっているかな?


どの方向からか決めて、向こうに見える風景なんかを目印にして飛べ!

実際には、飛ぶほどスピードは出ませんが(^^;


きれいに方向を決めたら、

フィニッシュエリアを睨みながら、慌てずに切り返し

スキーの重心は真ん中にね。


これでもう、することはなにもありません♪

スキーをまっすぐにして、ひたすら「落ちる」だけです。


ポイントはわかりましたか?(^^

あとは、インスペクション通りに滑りきるだけ。

みんな楽しんでいきましょう!


で、1本目の結果はこうなった♪

チェアスキー女子
1位 村岡桃佳選手
2位 奥山楽良選手
3位 原田紀香選手
4位 梅野裕理選手

チェアスキー男子
リザルト参照!オイ


まあ、男子の1本目は、だいたい実力順に並んでるかな?

昨日のSL覇者高村俊彦選手だけ、フツーに考えたらあり得ない順位でした(^^;

道中、何かあったんだろうなぁ....


もうひとつ、この大会には「2部」という設定があります。

往年の名スキーヤーたちが楽しんで滑ったり、

初心者レーサーが経験値を上げるためのものです。


そんなメンバーたちに混じってデビューした少年が、

佐藤林平選手!From野沢温泉(^^


菅平高原の講習会でも、みんなよってたかって教えるものですから、

その上達の度合いはめざましい(^^

将来が楽しみな選手のひとりです♪

やはり、野沢温泉は世界につながっているのか?(^^


さあ、まいてまいて2本目を終わらせないと、帰りが遅くなっちゃうわ(^^

早く始めましょう!


でも、このブログでは明日に続くんだな、これが....

ではまた!(^^

2013年2月18日月曜日

世界への扉の手前では....


「世界への扉」....

σ(^^が競技活動に明け暮れていた昨年まで、よく口にしていた言葉です。


ようやくドアノブに手が届き、ドアを開けようとした瞬間!

強い静電気を食らって思わず手を離してしまったというオチでしたが(^^;


今日は、σ(^^が開けられなかった扉、

その扉を開けようとしている国内の戦士たちのお話です。


「2013全日本チェアスキーチャンピオンシップIN志賀」

日本チェアスキー協会が主催する国内戦のひとつ。

この大会は、毎年1月下旬に志賀高原西館山スキー場で開催されています。


もう、チャンピオンシップは21回目の開催。

西館山での開催は、2001年からですから13回目になるんですねぇ(^^


ジャパンチームの海外遠征が同じ時期に行われている時期。

近年は少し寂しいエントリー数ですが、

そんな中でも、ナショナルチーム入りを、海外での活躍を夢見るプレーヤーが集います。


今期、σ(^^は諸般の事情により参加することはかなわなかったのですが、

この大会も「まるで見てきたように」書いてみましょう♪

リザルトをお手元にお付き合いください(^^


この大会は、本当にたくさんのボランティアの方々にお世話になっています。

会場となる西館山スキー場温泉ホテルイタクラ様へのアクセスには、

駐車場から少しの距離の移動と、障害者には少々つらい斜面を登る必要があります。


そんな中でも、

チェアスキーや何セットものスキーを担ぎ上げてもらい、

スノーモービルで体を上げてもらいと....


大会スタッフの方々のご協力がなければ、

ここまで長く続き、盛り上がることはなかったでしょう。

本当にありがとうございます(^^


26日(土)早朝、物々しくプロテクターを装着した選手たちが、

ホテル前でチェアスキーに乗り込んでいきます。


この日のレースは回転(SL)


地元にスキークラブがあって、

そのトレーニングに混ぜてもらえるようなことでもない限り、

SLは、「レースがトレーニング」となる場合が多いですねぇ。


σ(^^も菅平高原に通い始めるまでは、全く同じ状況でした。

ぶっつけ本番どころか「SLってなに?」というレベルでの参加はとても痛々しいものです(^^;


いや、本当に「痛々しい」んですよ。

ポールをなぎ倒しながら滑り降りていくのですが、その衝撃といったら....

ゴーグルのレンズは割れるは、






















「!」ってびっくりするぐらいに打ち身が腫れるは、






















海外では足の骨を折る選手もいたとか....(^^;


そんなこんなも、慣れてくればそんなに影響の無いように滑ることが出来るのですが、

「速く滑る=痛い」という矛盾と戦いながら、みんな経験を積み上げていきます(^^


西館山スキー場のSLコースプロファイルは、

スタート標高1,469mフィニッシュ標高1,337m

標高差は132mとなっています。


IPCのルールでは、国内戦のSLの標高は80m~140mですので、

かなり長い距離のレースということですな(^^


ゲート数45ターン数43

標高差に対するターン数は32.6%

国内戦としては、なかなかに本格的なコースセットです。


1本目のコースセッターはホテルイタクラ支配人、板倉裕木治様

いつもいつも、「実戦的」なセットをお立てになり、選手たちへ挑戦します(^^;


そして、経験の浅い選手たちが戸惑うことがもうひとつ。

この大会は、FISエントリーリーグ(FIS-ENL)が併催されているということ。

ENLは国際格式のレースで、健常者レースの「登竜門」的な扱いのレースです。


1本のコースで掛け持ちするレースならそんなに戸惑わないのですが、

この日は、ひとつのゲレンデにふたつのコースが現れます。

1ゲート目は同じものですが、そのゲートから左右に分かれる形で競技が行われるのです。


前夜の選手会では、左右どちらのコースを使うのか説明があるのですが、

インスペクションの時に必ずある会話は、「どっちに行くんだっけ?」です(^^


スタートハウスも共用。

1ゲート目をくぐって、「自分たち」のコースへ。


すぐ横にはENLのコースがありますから、コース幅を広く取ったセットは出来ません。

自然とターン弧は「縦長」になり、スムーズに滑れる代わりに、スピードが付いていきます。


45ゲートで作られるリズムはおそらく、

ヘアピン~ディレード~ヘアピン~ストレート~ディレード~ヘアピン

というところでしょうか。


スタートして5ゲートぐらいは単調なオープンゲート





















ゲートが縦に2つ並んだヘアピンでリズムを乱され、





















ディレードは2ゲート1ターンの大きなリズム。





















ストレートは、ゲートが縦に3つ。





















それぞれの間には、5~6つのオープンゲートがあります。


慣れてくるまでは、ヘアピンストレートといったリズム変化のあるゲートを、

目で探しながら滑ることになるでしょう。


リズム変化はつまりターンを細かくする必要がありますので、

切り返しに自信のない選手たちは、板をずらしてターンをしていきます。


その時、必ず起こる現象は、

「リズム変化の入り口」で雪面が大きく掘れていくということです。


公式発表では、天候は「SNOW」、雪質は「FRESH」ですから、

とても柔らかい雪が降り積もっていて、それは雪面を大きく荒らしていく原因にもなります。


このコースになれていない選手たちが、最後に迎えるのは4ゲート程度の急斜面

ディレードの大きなターンでスピードを付けて飛び込み、最後の斜面でヘアピンが現れる。

慣れてくるまでは、これはなかなかにタフな状況です♪

さあ、みんなどのように攻めるかな?(^^


この日のエントリーは次の通り。

知的障害(ID)クラス女子がビブ(ゼッケン)ナンバー1~2、男子が3~9。

視覚障害(国内表記は「B」)クラスが、男子のみビブ10~11。

チェアスキー(国内表記は「座位」)クラスの女子がビブ12~15。

海外で言うStanding(国内では「立位」)クラスがビブ16番1名。

チェアスキー男子、ビブ17~26。

全26名のエントリーです。


元日本代表選手から、最近になって滑り始めた選手まで、かなりのレベルの幅があります。

きっと、インスペクションでは「講習会」さながらの風景になっていたことでしょう(^^

さて、そのとおりに滑り降りることは出来たかな?


その結果はリザルト参照!オイ(^^;


白状しますと....

チェアスキーの選手以外はそんなにつきあいがなかったので、

滑りがどうとかわかりません(^^;アシカラズ....


1本目にDisqualified(旗門不通過:DQ)だった、

チェア女子の梅野、奥山の両選手

ゲートNO.37と39のところでそれぞれやっちゃったのですね。


ここは最後の急斜面に飛び込む前後でしょうから、

ゲートを見失っちゃったのかな?なんて考えます。


このおふたりには、まだお会いしたことがありませんが、

もしかしたら、最近チェアスキーに乗り始めたばかりで、

SLレースは全くの初めてだったのかも知れません。

DQはきっといい経験になるはずですよ♪


ちなみに....それぞれのお名前をググってみると。

奥山楽良選手はバスケットガールなの?

梅野裕理選手はヤマハのサポートを受けてるの?

いやはや、なかなか頼もしい選手たちじゃないですか(^^

日本のチェア女子にも、明るい未来が広がります♪

(注:このシリーズは、あくまでもリザルトから「想像」するものです。
   勝手にググって間違った情報を書いていたらごめんなさい^^;)


チェア男子も荒れましたねぇ。

1本目でDid Not Finish(途中棄権:DNF)が4名。

純也さんまで何やってんだよ(^^;

















....多分、かなり荒れた雪面だったんでしょう。


チェアスキークラスはLW10-1からLW12-2まで、

5段階で障害の度合いを分けています。


LW10はかなり強度の麻痺があり、

LW12は体幹機能はしっかりと残っています。

コースが荒れてくると、LW10の選手たちは姿勢を保ち続けることが難しくなりますので、

DNFは「宿命」みたいなものかも知れません。


26名中、「いなくなった」選手が9名。

荒れましたなぁ(^^;

サバイバルレースの様相を呈してきました。


こうなると、その選手が持っている、

「引き出し」の数が勝敗を分けることになるんでしょうか。


2本目のインスペクションも、「講習会」だったことでしょう。

そして、「特等席」でもあったはずです(^^

というのも、となりで行われているENLの1本目が続いていたからです。


スタートハウスから1ゲート目までは、ENLがレース中で入ることが出来ません

インスペクションはおそらく、3ゲート目からしか見られなかったはず。

1~2ゲート目のラインは、横から眺めることしかできなかったことでしょう。


そして、コースへ入ってイメージを作り出したすぐ横では、

ENLの若者たちが駆け抜けていく。

思わず、見入ってしまう選手もいただろうなぁ....(^^


健常だから、チェアスキーだからという違いはなくて、

同じスキー板を使用しているわけですから、

同じように滑ることが出来るはずなんです。

すぐそばで若者たちの滑りをみて、どのように思ったかな?(^^


ところで、ゲレンデの半分が使えず、

1本目の荒れたラインを避けて立てられた2本目のセットは、

1本目とほぼ左右対称のコースになっているでしょう。


リズムの取り方もほぼ一緒。

最後の急斜面へのアプローチだって大きく変わることはないはずです。

ゲート数、ターン数が1本目と同じ45(43)という数字なのもそういう理由。


こういったセットを攻める場合、気をつけなければならないことがあります。

「鏡に映したような」というほどでもなくても、

同じようなリズムで、1本目と左右対称のコースの場合、

コース中盤あたりから「錯覚」を感じることがあります。

1本目のリズムの記憶が、2本目の途中で蘇ってきて混乱してしまったりするのです。


また、左右逆で同じようなコースを、

ターンの左右差なしに滑り降りることも難しいのです。

誰でも左右の癖は必ずありますからね。


そのあたりを明確に意識していないと、

コースは間違うわ、集中力が続かないわ....

あげくの果てに、1本目から降り続いている雪もやむ気配なし!

みんな、気をつけて滑ってね♪ッテ、モウオソイカ(^^;


さて、2本目の結果はいかに?


チェア女子の優勝は村岡桃佳選手!

彼女は新進気鋭の高校生レーサー。

昨年末から年越しNORAM CUPへ遠征していました。

そんな経験が少しずつ開花し始めたかな?

堂々の優勝です!


男子チェアは....元代表の高村俊彦選手

押しも押されぬ名レーサー、今も健在!


村岡選手、高村選手、優勝おめでとうございました!!


しかしまあ、2本目も荒れましたな(^^;

5名の選手が未帰還....

2本あわせて14名の選手がいなくなってしまいました。


1本目のDid Not Start(不出走:DS)を除いて、完走率44%!

生き残ったみなさん、お疲れ様でした(^^;


さて、翌27日はスーパー大回転(SG)大回転(GS)が開催されます。

毎年のことですが、SGとGSの2レースを走るのはとてもタフな仕事(^^;

みんな、お疲れ様でございます。


明日は、このチャンピオンシップ2日目と、

障害者アルペンスキー世界選手権のDownHill(滑降:DH)のトレーニングランの模様を、

「まるで見てきたように」お伝えいたします♪

2013年2月16日土曜日

本日は簡単に....

2013全日本チェアスキーチャンピオンシップ IN 志賀高原。

リザルトはこちらにございますよ!(^^


特定非営利法人 障害者スキー連盟


え?なんですか?

この大会も「見てきたように」書けって?(^^;


IDVIクラスはほとんど交流ないからわかりませんし、

Standng福ちゃんしか知らないし、

Sittingなんて、勝手な事書いたら殺されそうなメンバーじゃないですか(^^;


まあ、いいか....(^^;

σ(^^;も、なんやかんやで参加出来なかった後ろめたさもありますし、

年々、参加人数が少なくなっていますから、少しでも盛り上げるお手伝いをしなくては♪


面白く書けるかなぁ....(^^;

しばらくお時間下さい♪


(ついでですがこの記事は、このブログで1,000投稿目でした!^^)

2013年2月15日金曜日

舞台はWorld Championshipへ....

少しずつ、春の気配がありやいなや。

最近、「計画的二度寝」を楽しんでいる山本新之介です(^^


σ(^^は標高200m程度の峠道を越えて通勤しているのですが、

この冬はすでに5回の路面凍結を経験しています。

そのうち2回はブラックアイスバーン

とてもシビれる通勤路です(^^;


安全にクリアするためには、20分ぐらいの早起きが必要なのですが、

早起きして通ってみればなんの問題のない路面だったというのも切ない話。


そこで、最近は布団の中で、気象庁の観測データをチェックしています。

明らかに路面の凍結がない気温だったら、もう一度「お休みなさい」(^^

二度寝というのはとても気持ちのいいものです♪


さて、いつもお送りしております、「まるで見てきたような」シリーズ。

ここ2日ばかりは、少しやきもきする日が続いていました。

IPCのページに、リザルトの更新がなかったのです。


障害者アルペンスキーワールドカップログラ大会

前半のSlalom(回転:SL)の2レースのあとは、

Giant Slalom(大回転:GS)が2レース予定されていました。


種目によって得意不得意があるものですが、

GSは、苦手だとか嫌いだとかということをあまり聞きません。

ジャパンチームのみんなもGSは大好きなはずですので、

この2レースはとても楽しみにしていたのです。


ところがですよ、待っても待ってもリザルトが出てこない!

リザルトがなければ、見てきたように書くことが出来ない!

さあ、困ったぞ(^^;


リザルト以外の情報は入れずに書いてきましたが、

仕方なく選手ブログで状況を確認です。


リザルトが出ない理由はとてもシンプルでした。

2レースとも、悪天候のためキャンセル!

なんてこったい(^^;


悪態をついていても、大自然が相手の競技です。

お天道様には勝てませんやね....ということで気分を変えます。


ジャパンチームは現在、会場を移して行われる世界選手権へ移動中です。


世界選手権とはなんぞや?ちょいと書いてみましょうか(^^


正式名称は、

「2013 IPC ALPINE SKIING WORLD CHAMPINSHIP」

今年は、2年ごとに開催される順番なのです。


パラリンピックやワールドカップと同じくトップカテゴリーレースのひとつで、

IPC(国際パラリンピック委員会)の直轄で開催される大会です。


ちなみにワールドカップは1シーズンで4カ国程度を転戦する大会で、

IPCの委任を受けた各国のパラリンピック委員会(NPC)が主催する大会です。
                                (だったように思います^^;)

健常者スポーツでいえば、

オリンピックはIOC(国際オリンピック委員会)の主催、

世界選手権は各競技の世界連盟が主催します。


障害者アルペンスキーは、歴史も浅く健常者に比べれて競技人口も少ないので、

パラも世界選手権も、IPCが主催しているのです(多分^^;)。


そう整理すれば、パラと世界選手権とワールドカップは、

それぞれ全く別の大会ということで納得できます。


でもね、最近思うんですけど....

世界選手権やワールドカップといったトップカテゴリーのレースでも、

オリンピックやパラリンピックよりもカテゴリーとして「下」のような雰囲気なんですよねぇ....


競技によっては、世界選手権の成績がオリンピックやの出場権を左右したりしてますから、

そして、オリンピックは世界で最も盛大に行われる大会ですから、
 
さもありなんという感じですか(^^;


また、アスリートにとってみれば全ては勝利のために活動しているわけで、
 
最も注目の集まるオリパラを最終目標にすることもまた、さもありなん....


まあ、見る人によってはいろんな考え方も出来るわけで、

アスリートの中には、建前論には意味がないと考えている人もいるかも。


ただ、建前論も大切なものには違いありませんので、

σ(^^の中で整理したことを簡単に書いておきます。


オリンピック(パラリンピック) = 国境を越えていろんな競技のアスリートが集い、
                     オリンピック憲章の実現が目標で目的

  オリンピック(パラリンピック)は、勝った負けたとかメダルの数がどうということではなく、
 大会の成功、憲章が謳う結果に対して、贈られる名誉が競技成績ということにあるのかな?


世界選手権 = その競技の世界一を決める大会

  うだうだ言わずに黙って見てろ!勝ったヤツが一番偉いんだ!


ワールドカップ=1シーズンを通して戦い抜く強さ求められる大会

  別名「白いサーカス」と言われる。
  ワールドカップチャンピオンチップは、σ(^^にとって最もリスペクトに値する!
  (たまに、外人さんは「championship」を「ちゃんぴょっぷ」と発音している)

....こんなところかな?


結局のところ、アスリートが活動に集中できる環境には、

パートナーとしてのスポンサーの存在は欠かせません。

スポンサーシップは、アスリートがスポンサーに対して、

提示できるメリットがなければ成り立ちません。


アスリートとスポンサーがWinWinの関係を築くには、

注目度の高い大会での好成績が最もわかりやすい。

自然と、オリンピック(パラリンピック)を目指すというのも仕方のないことでしょうかね。


スポンサーシップそのものは、その形だけで表現されるものではないのですが....

詳しくはこちらをご参照♪

スポーツスポンサー獲得Lab.


話がそれました(^^;

で、世界選手権ですが、
 
要は「天下一武道会」だと考えてもらえれば間違いないです(^^

純粋に、その競技の世界一を決める大会!


IPC ALPINE SKIING WORLD CHAMPINSHIPは、

2年に一度開催される障害者スキー王者決定戦なのです。

そんな戦いに向けて、ジャパンチームはヨーロッパを横断中です。

はたして、どんな戦いが繰り広げられるのか?乞うご期待!(^^


2013 IPC ALPINE SKIING WORLD CHAMPINSHIP

Location:LA MORINA SKI RESORT(SPAIN)

2月18日 Downhill(滑降:DH)公式トレーニング

   19日 DH公式トレーニング

   20日 DHレース(guess win KANO"SpeedKing"Akira)

   21日 オフ

   22日 Super-G(スーパー大回転:SG)レース(guess win MORII Taiki or KANO Akira)

   23日 Slalom(回転:SL)レース(guess Standing class 3rd. MISAWA Hiraku and....
                                                                  Sitting class  win SUZUKI Takeshi....of course♪
   24日 オフ

    25日 Super Combi(スーパー複合:SC)レース(guess win SUZUKI Takeshi)

   26日 Giant Slalom(大回転:GS)(guess win MORII Taiki....Please!!!)

   26日 Team Event(団体戦:TE)(guess win JAPAN!!...sure!!!)

I guess how number of medals will Japan team get....8!!!  so many,or not?

and....How many will σ(^^; get toasts???
                                                 ans: many,many,many and more.... 

2013年2月14日木曜日

初タイトルの喜び....

毎度おなじみ「山本新之介のワールドカップをまるで見てきたような観戦記」

お楽しみ頂いていますでしょうか(^^


IPCが発表するレースリザルトの情報だけを頼りに、妄想全開でお送りしております!

ご覧になってお楽しみ頂いているはずだと思うのも、妄想のひとつです(^^;


もしかしたら不評きわまりないかも、

もしかしたら現地の状況は全く違うのかも、

なんていう不安はそっちのけ、マイペースで書き綴っていきますね♪


でもね、今日の記事だけは、σ(^^;の乏しい想像力ではちと頼りない内容です。

長い間、アルペンレースのキャリアを重ねてきましたが、

ひとつだけ経験していないことがあるんです。


それは、「勝った」ということ....


ナショナルチームがいない国内戦で、例えるなら「空き巣」のような優勝経験はありますが、

トップレーサーたちと互角に戦ったということすらないσ(^^;にとって、

「タイトル獲得」というものを想像することは全く出来ません。


ですので、今回の表現はとても陳腐な書き方になってしまうかも、です。

ご了承くださいね(^^


こんな書き方したらネタバレだろうと気にしつつ、

脳内麻薬を垂れ流していきましょう....

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   ⅰ.戦いの前に....

「猛史?今日で決めちゃうんだろ?」

「もう、どきどきしてるっすよ(笑)」

「今回、ぽろっと転けたりしたら面白いんだけど?(笑)」


完全装備で出発しようとしているジャパンチームのひとコマ。

暖かいホテルから一歩踏み出せば、キンと冷えた空気が身を引き締める。


どうにも空模様は怪しい。

「Unstable」という英語の表現はいかにも頼りなさげだが、

それに負けず劣らず「今にも崩れそうな」天気だ。


歴戦の勇者たちは、アルペンは自然との戦いでもあることを十分に承知している。

天候に対して無頓着になっているのではなく、

どんな状況でも実力を出し切れるように、これまで戦ってきた。

今日も、いつもと同じように戦うだけだ。


アウトリガーが雪面に食い込む。

昨夜はしっかりと新雪が積もっていたのだろう。

圧雪されたとはいえ、やはり柔らかい。


鈴木猛史選手は、

いつもと替わらないゆったりとした態度だが、

タイトルへの重圧からか、その目はやや泳ぎ気味か....


一方、森井大輝選手の雰囲気は少し異なる。

SLタイトルの可能性は残されてはいるが、残るレースの全勝が最低条件なのだ。

少しでも可能性が残る限り手を抜くことは絶対にしない男は、

昨日に続いての勝利を貪欲に求めている。


よく見ればメンバーは全て、このレースへかける思いがにじみ出ているようだ。


三澤拓選手はなんとしてでもと表彰台を狙っているはずだし、

小池岳太選手も、もう一段の高みを望んでいる。

夏目堅司選手は昨日の感触を確かなものにし、

明日からのGiant Slalom(大回転:GS)を戦いたいはずだ。


鈴木選手のタイトルへの思いは、

メンバー全員のモチベーションに直結し、

それぞれの思いを昇華させている。


ただ、その輪の中に狩野亮選手の姿はない。

昨日のDid not start(不出走:DNS)は今日まで影響していた....


「1本目から勝負かけろよ」

1本目のコースセッターとして戦場を作り上げ、

そう激励するのはジャパンチーム志渡コーチ


コースセッターの思いやセットの癖など、選手にとっては言わずもがな。

これまで、共に十分なトレーニングを積んできた、絶対の信頼を寄せるコーチである。

林立するポールの光景をひと目見れば十分だ。

そのライン、そのリズム、起伏、斜面変化....


ゲート数40、ターン数39。

数える必要もない。憶える必要もない。

志渡コーチのリズムは体にたたき込んでいる。

インスペクションでは、フィニッシュエリアの歓声すらイメージ出来る....


   ⅱ.スタートハウス....

相変わらず、スタート地点はざわめいている。

レースである。それは当然だろう。

だが、ビブ(ゼッケン)の番号順に並び始めた選手たちは、

その高まりと反比例して無口になる。


女子選手の後、

ビブ番号8のVisual impaired(視覚障害クラス:VI)の選手たちがスタートする。

聴覚だけが頼りのVI戦士たちには、雑音を聞かせることは厳禁だ。

それまでざわめいていたスタートハウスは、水を打ったように静まりかえる。


ビブ16番の小池選手はすでに準備を終えている。

Sittingクラスでは3人目にスタートするのだ。

VIクラスが終わり喧噪が戻って来るなりコースに飛び出す。


三澤選手はビブ21番。

前後にチームメンバーがいないのは集中するにはいいのかも知れない。


Sittingクラスで真っ先にコースへ飛び出すのは鈴木選手だ

小池選手のスタートを見送り、ゆっくりとスキーウェアの袖を抜く。


空模様は相変わらずの顰め面。

手に届きそうなところにはうねりながら流れていく雲の塊。

こいつらはどこへ行くんだろうか....

天を見上げた森井選手の胸には「34」の数字。


昨日ポイントを獲得しランキングを上げた、

夏目選手のスタートは最後尾ではない。

ビブナンバーは40。


   ⅲ.1st. run....

コース上、やはり雪面は柔らかい。

女子を合わせてもまだ20人も滑っていないのに、

すでにゲート脇が掘れているのが上から見てもわかる。


荒れていくのは予想出来たが、意外にDid not finish(途中棄権:DNF)は少ない。

Standingクラスで1名のDNFがあっただけ。


淡々と、まるでベルトコンベアにでも乗せられているかのように、

選手たちはコースに飛び出し、レースは進んでいく。


スタートハウスからレッドビブのチェアスキーヤーが姿を見せる。

今日の観客のほとんどが、SLチャンピオンの誕生を目の当たりにしようと期待しているはずだ。

しかし、そんな事ぐらいではプレッシャーにはならないのだろう。


ビブの色だけでなく、他の選手とは滑りのシルエットが違う。

逆手でポールをなぎ払っていくその姿。

掘れた溝の、更にイン側をえぐり取るライン。

そして、明らかに違うスピード....


まるで、CGで描かれたような完成度の滑りは、見るものを魅了し、

また、他国のコーチたちには羨望と諦観を与えているだろう。


観客たちの興味は、リーダーズボードに表示されたタイムに、

他の選手がどれだけ近づけられるだろうかという事に移っていた。


ビブ31、DNS。

ビブ32、1.39秒遅れ。

ビブ33、1.27秒遅れ....


やはり、鈴木選手のタイムは圧倒的だ。

観客たちはそのタイム差を実感する。

誰も届かないワンサイドレースなのか?


だが、彼らはもうひとりの主役を待ち望んでいた。


昨日の優勝者。

フィニッシュエリアに迫り来るその滑りも、他の滑りとは違う。

やはり、SUZUKI Takeshiを止められるのはこの男か!


その場にいた全ての視線はボードに向かう。

しかし、リーダーは変わらなかった!

0.12秒!おそらく人間が正確に実感出来ない時間差は、

その場にいた全ての人間を黙らせ、ほんの一瞬の静寂は大きなどよめきにに変わる。


その後も次々と、選手たちがフィニッシュライン通過するが、

誰もトップ2の日本人に届くことはなかった....


Standingクラス
三澤拓選手 4位
小池岳太選手 8位

Sittingクラス
鈴木猛史選手 1位(ラップ:トップタイム)
森井大輝選手 2位
夏目堅司選手 DNF
狩野亮選手 DNS


   ⅳ.Interval....

1本目の終了後、三澤選手は静かに興奮していた。


彼のタイムはトップと0.82秒差。

この差は届かないタイム差ではない。

ようやく、求めていたものに手が届きそうなのである。

昨日は森井選手がエランへ恩返しをした。今日は自分が....


もうすでに、2本目のコースは出来上がったようだ。

3番手タイムのNOLTE Thomas選手の表情は明るい。

1本目のジャパン同様、今回はドイツチームのコーチがセッターを務めるのだ。

トップふたりを追い抜くためには願ってもない状況。その差は0.42秒。

インスペクションから彼の闘志は高まっていく。


2本目は15番目タイムの選手からスタート、ラップの選手が最後となる。

全ての選手がフィニッシュするまではそう簡単に勝敗が決まらない。

すでにリーダーズボード正面は、この戦いの終止符を待ちわびる観客で埋め尽くされていた。


   ⅴ.2nd. run....

「拓ぅ、やっちゃえよ!」

スタートハウスに入る直前、チームメイトが声をかける。

三澤選手Standingクラス12番目のスタート。

後に並んでいるのは、いずれもタイトル争いの真っ只中にいる選手たちだ。

おれもいつかは....見てろよ....


コースへ飛び込んだ三澤選手の姿は、スタートハウスから見えなくなっていった。

大会アナウンスではタイムの発表をしているはずだが、違う言葉は全くわからない。


すでに、コース上の主役はSittingクラスへと移っている。


暑い....

耐寒機能がほとんどないアルペンのワンピース。

朝は寒いと感じたが、この暑さはどうだ?

低気圧が近づいているのだろう。暖かいしめった風が会場を包んでいる。


NOLTE Thomas選手が気を発しながらスタートバーをこじ開けていく。

目の前では、「ビブ34」も気を放っている。


もう、自分には気負うものは何もないはずだ。

イージーに仕事をこなすだけ。

ウイニングランでもするような気持ちで降りていけば、それで全てが終わる。

気負うものは何もない....


閉じていた目を開けた瞬間、森井選手が飛び出していった。

上から見下ろしたその走りは、何かが取り憑いたように凄まじい。


その時から、実は、記憶がない。

途中、咆哮を上げながら滑っていたような気がしないでもない。

森井選手の背中を見送り、自分の中で何かが切り替わった。

気がつけば、大歓声の中へ飛び込んでいた。


そして、そこにあるはずの自分の名前をさがす。

「1  MORII Taiki JPN  1:14.44」

やられた....


「2  SUZUKI Takeshi JPN 1:14.72」

その差を確認し、一瞬だけ、敗北の切なさを感じた。

だが、やはりチームメイトの勝利はうれしい。

フィニッシュエリアの中で待っていた森井選手と握手する。

やはり、自分の勝利のように嬉しく感じる。


「猛史、初タイトルだな」

そうだった。だが、まだ何も感じない。

歴史に名前が残った瞬間だが、やはり、まだ何も感じない....


   ⅵ.戦いすんで....

夕方のチームミーティングでは今日のリザルトが配られた。

Men's Slalom

Standingクラス
5位 三澤拓選手
8位 小池岳太選手

Sittingクラス
優勝 森井大輝選手
2位 鈴木猛史選手
DNF 夏目堅司選手
DNS 狩野亮選手


「大輝さんとタケちゃん、今日もこんな差ですか(笑)」

ゲレンデに出ていなかった狩野選手は目を丸くしている。

0.28秒。

その他の選手を大きく引き離したこのふたりだけが、

レースをしていたようなものかも知れない。


「拓は惜しかったよなぁ....」

2本目で大きく遅れた三澤選手。でも、その表情は明るい。


窓の外は、風が唸りを上げているが....

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いやあ、あまりにも嬉しいものですから、がんばって書いちゃいました♪

ダラダラと長すぎて、途中でリタイアしちゃった方、申し訳ありません!(^^;


とにもかくにも、

森井大輝選手、優勝おめでとう!

そして、

鈴木猛史選手、SLチャンピオンおめでとう!


さあ、ポイントランキングを見てみましょう(^^

Men's Slalom PointRankings

Standingクラス
6位 三澤拓選手   176Pts.
7位 小池岳太選手 145Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛史選手 540Pts.
2位 森井大輝選手 371Pts.
15位 狩野亮選手   66Pts.
21位 夏目堅司選手  29Pts.


もう、鈴木選手のぶっちぎりですね(^^

前半戦の勝ちっ放しが決め手でしたな。


OverAll Rankingsはどうなりましたかな?

Men's OverAll PointRankings

Standingクラス
9位 小池岳太選手 221Pts.
11位 三澤拓選手  208Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛史選手 582Pts.
2位 森井大輝選手 541Pts.
17位 狩野亮選手  126Pts.
26位 夏目堅司選手  41Pts.


小池選手三澤選手は着実に順位を上げ、

そして鈴木選手森井選手は差が縮まってまいりました!

狩野選手夏目選手には、何としてでも巻き返しを図って欲しい!(^^


明日からはGSの2連戦。

久しぶりのGSレース、楽しんで戦ってくださいね(^^

気がかりなのは天気。悪くならなきゃいいんだけど....

2013年2月13日水曜日

Who is the man?....


障害者アルペンスキーワールドカップ、後半戦が開幕しました!(^^

会場はスロベニアログラ。再び、熱い戦いが繰り広げられようとしています。

まずはSlalom(回転:SL)から始まりますよ♪


ところで、スロベニアって、日本からはあまりなじみのない国ですよね。
                               σ(^^;ガシラナイダケ?

かってはユーゴスラビアという国だったと言えば、

そういえば聞いたことあるかもという方は多いはず。

スロベニアはユーゴスラビア連邦から1991年に独立した、随分と新しい国のひとつです。


ユーゴといえば一時、

セルビアとかボスニアとかコソボとか内戦が続いていた時期がありました。

ミロシェビッチという独裁者が無茶したとか、

それでNATO袋だたきにあったとかというニュースもよく流れていました。


幸い、スロベニアは西ヨーロッパに近かったことや、

独立のタイミングや地理的条件に恵まれ、

泥沼の独立戦争は経験せずにすんだようです。

また、旧社会主義国の中ではいち早く経済成長とげています。


それよりも何よりも、スロベニアといえばエラン

エランといえば森井大輝選手三澤拓選手

ジャパンチームのエランユーザーたちが、

そのスキーの母国を舞台にワールドカップを戦います♪

この二人の活躍やいかに?


いよいよ、その第1戦が始まろうとしております!

いつものようにリザルトから読み解く、妄想たっぷりのシリーズ、

リザルトをお手元にお楽しみください(^^


ついでに言っておきますが....

エランはσ(^^が使用していることでも有名です(大嘘)。


さあ、会場に目を向けてみましょう。

コース沿いには本当にたくさんのお客さんが陣取り、

レースのスタートを待ちわびているようです(^^

その熱気はまるで雪も溶かそうとするほど。


お天道様は姿を隠し、気温は-10℃を下回っているというのに、

寒そうにしているファンは誰一人としていません。


コース上、今はインスペクション(コース下見)の真っ最中。

インスペクションは、アルペンレースの7割を占めると言われるほど、重要な作業。

このインスペクションは、文字通り勝敗を分ける時間なのです。


さて、これから最高のレースが繰り広げられる、

コースプロファイルをご紹介しましょう!


スタート標高1,493m、フィニッシュ標高1,362m標高差が131mのコース。

SLのルールでは標高差は140m~220mとなっていますので、

ほんの少しだけ短いコースですね。


コースセッターはオーストリアのコーチ。

ゲート数40ターン数39標高差に対するターン数は29.7%


ルール上、ターン数のミニマムは、

標高差の30%-3の36ターンですので、

かなりスピードの出るセットでしょうな。


標高差の少ない短いコース、そして、ターンが少なくスピードが出るセット。

スピードが出ているところでのリズム変化やトラップがあり、

それらをきちんと処理できなければ大きくスピードを落とし、致命傷となります。

ワンミスで「終わってしまう」この1本目は、どれだけ集中できるかが勝負になりますな(^^


では、ここでスタート順の確認をしておきましょう。

女子選手が3カ国7名。

7名??えらく少ないな....


男子はビブナンバー(ゼッケン番号)8番から。

Visually Impaired(VI:視覚障害)クラスが8番から13番、ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスは14番から28番。

ジャパンチームは三沢拓選手が20番小池岳太選手が24番のスタート。


Sitting(チェアスキー)クラスが29番から40番。

ジャパンチームは、狩野亮選手30番森井大輝選手35番

            鈴木猛選手37番夏目堅司選手40番

以上、8カ国33名のエントリーです。


今回のエントリー、やっぱり少なすぎるぞ??

どうなってんだ???有力どころがごそっとエントリーしていないんです。....


ははぁ、わかったぞ。

このログラ大会の直後、2年に一度の世界選手権が予定されているのですが、

移動のスケジュールが何ともタイトなんです。


14日にログラのスケジュールを終え、

スペインラモリーナへ移動。その距離3000km!

「ちょっと移動」どころではないわけで、

18日から行われるDownHill(滑降:DH)のトレーニングランまで余裕がなさ過ぎ(^^;


で、今回エントリーしていない選手は、

世界選手権に「賭けて」いるということなんでしょうな。

なんてったって世界選手権は、まさに国の威信も賭けて戦うわけです。


ワールドカップの個人ランキングを犠牲にしてでも、

「獲り」にいかなければならない大会。

チームの方針も多分に影響しているのでしょう。


ジャパンチームはどうなの?

彼らは、そんな柔なチームじゃありません♪

きっと何事もなかったように世界選手権もやっつけてくれることでしょう(^^


さて、インスペも終わり、いよいよスタート時間が近づいてきております。

スタート前だというのに、ジャパンチームはいつもどおり和気藹々。

とんがった闘志は感じられません。


有力どころがいない間にワールドカップポイントを稼いでおこうか♪

鈴木選手なんか、あわよくばSLのタイトルを獲ってしまえ!的なことを企んでいたりして(^^


ですが、なにかいつもと違うような....

あれ?狩野選手がいないぞ???


「亮?なんか熱出したみたいだよ?」

え!スタートできないほどの高熱なのかい....?

そりゃ大変だなぁ(^^;


脊髄損傷による麻痺を持っている選手は健常者より体の免疫機能が低く、

突発的に原因不明の発熱を引き起こすことがあります。


これはフィジカルコンディショニングの問題ではなく、

どんなに気をつけていてもあり得ることなんです。

大事に至らなければいいのだけども....


ここでお断りですが、このシリーズはリザルトだけから想像する連載です。

本当に、発熱でのDid not start(不出走:DNS)かどうかは定かではありません。

もしかしたら何か違う理由でのDNSかも知れません。あしからず....(^^;


VIクラスが静かなスタートを切っていくのを皮切りに、

SL1本目が始まり、....そして終わった!

その結果はこうなった!


Men's Standingクラス
小池岳太選手 8位
三澤拓選手 5位

Sittingクラス
森井大輝選手 1位(ラップ:トップタイム)
鈴木猛史選手 2位
夏目堅司選手 9位


森井選手、ラップですよ!

スペシャルスラローマー鈴木選手を0.05秒押さえて!

鈴木選手がミスをしていたのではないことは、

Standingクラスのタイムと比べても一目瞭然です。


誰だよ?トリノモデルはSLに向かないなんていったのは(^^;


森井選手の後にスタートした鈴木選手は、

スタートハウスで森井選手の滑りを見ていたはず。

そして、フィニッシュした後、こう言ったかも。

「大輝さんの滑り、ヤバかったっすよ!」

....なんてね(^^


同じくエラン乗りの三澤選手も、

Standingのトップタイムから2.23秒遅れとまずまずのタイム。

2本目は大いに期待できます(^^


前半戦、SLが不調だった夏目選手だって、森井選手から遅れること3.05秒。

ここにきて安定感を増しているように思います。

2本目が楽しみですよ!


午後に入っても天候は曇りのまま。

気温は変わらず-11℃前後。


朝からがっちりとハードパックされた雪面は、

ガチガチのまま緩む気配はありません。

間違いなく、2本目も最高のレースになるはずですよ。


コースセッターはロシアのコーチ。

ゲート数46、ターン数44。

対標高差で33.6%。

ルール上、標準的なセットのようです。


ターン数が増えればスピードは落ちます。

その分、ターンのリズムは細かくなるので、

ひとつひとつのターンとその「繋ぎ」に精度が求められていきます。


つまり、上から下まで気を抜くことは出来なくなり、

ほんの少しのロスが積み重なっていくと、

コース終盤には何らかの形でラインの修正を余儀なくされ、

タイムは大きな影響を受けることになるでしょう。


しかも、-10度以下で冷やされた雪面は「ちょー」ハードパック。

まるで綱渡りのような、神がかり的スキーが求められます。


このコース、果たして神は降りてくるのか?

それは誰に乗り移るのか?

最終結果はこうだ!(^^


優勝 森井大輝選手!

2位の鈴木猛史選手をわずか0.08秒差で従えての堂々のウィナー!

今回、この二人の戦いは激しすぎました(^^


1本目は0.05秒、2本目が0.03秒!

いったいどんな差だよ?ってことで恒例のフィニッシュ時の距離計算♪


131mの標高差平均斜度が25%として、

37.28秒で降りてきた時の平均時速は50.6km/h


その時速でフィニッシュした場合、

0.05秒差というのは実に70cm!

2本目は0.03秒差で42cm!!

まさに手を伸ばせば届く距離!!!

こいつら、アツすぎる(^^


さらに面白いのが、上位6名のうちトップ2だったふたりは、

2本目は5位と6位に終わったということ。


ふたり揃って同じようなミスをしたというのではなくて、

きっと、トリノモデルの特性が生かされた1本目と、

逆に弱点が出た2本目ということが言えないでしょうか?

言えないですか。そうですか....(^^;


まあ、他の4名の選手たちが、

どのチェアスキーに乗っているかはわかりませんので、

これもあくまで「想像」の話。


では、この日のレースの結果をおさらいです。

Men's Slalom 

Standingクラス
5位 三澤拓選手
8位 小池岳太選手

Sittingクラス
優勝 森井大輝選手
2位 鈴木猛史選手
9位 夏目堅司選手
DNS 狩野亮選手

と相成った!(^^


三澤選手は調子を取り戻しつつあることが結果から見て取れます。

タイム差4.56秒ながらレースポイントが34.40ですから、

これはもう、まずまずの結果です。


そして、これまでSLでワールドカップポイントを獲得していなかった夏目選手も、

29Pts.をあげ、レースポイントも38.39と、こちらもしっかりと結果を繋ぎました(^^


そしてそして、注目のSLポイントランキングはこうなりました!

Men's Slalom PointRankings

Standingクラス
8位 三澤拓選手 131Pts.
11位 小池岳太選手 113Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛史選手 460Pts.
3位 森井大輝選手 271Pts.
15位 狩野亮選手 66Pts.
21位 夏目堅司選手 29Pts.


鈴木選手と2位のBONADIMANN Philipp選手との差は145Pts.

今期のSLはあと2レース。


ということは?

明日、初の種目別タイトルを獲得するという快挙に??


タイトル獲得対象は3位の森井選手まで。

Philipp選手が残りふたつを優勝して合計200Pts.を挙げたとしても、

鈴木選手が明日、3位で60Pts.ゲットすればタイトル獲得!


Philipp選手が残りひとつを5位の45Pts.以下で終え、

かつ、森井選手が残り2つを獲り200Pts.を加えても、

鈴木選手は2つのレースで合計12Pts.を挙げるだけでタイトルゲット!


12Pts.というのは19位で獲得出来るポイントです。

まさにチェックメイト

明日のリザルトは絶対に目が離せない!!


一方、混迷の度合いをますます深めるOverAll Rankingsはこうだ!

Men's OverAll PointRankings

Standingクラス
11位 小池岳太選手 189Pts.
14位 三澤拓選手 163Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛史選手 502Pts.
2位 森井大輝選手 441Pts.
16位 狩野亮選手 126Pts.
24位 夏目堅司選手 41Pts.

有力どころがエントリーしていないこのログラ大会では、

大きく順位変動があるかも知れません(^^

ひとつずつ見守っていくことにしましょう!


そして、狩野選手は無事にスタートを切れますように♪


さあ、明日の夜は祝杯かな?(^^
       デモ、マイバンノンデイマスケドネ....

2013年2月11日月曜日

3連休明けの平日の楽しみ....

最近、なんやかんやのグダグダで更新が滞りがちのブログです(^^;

ちょいと、個人的にいろいろとあったもので....


まあ、グダグダはグダグダ以上のものではないので、

「気の持ちよう」ひとつという事でもありますか。

ま、こんな時に思い出すのはこの言葉。


ケセラセラ!そう、人生なんとかならいな♪


ところで、お子様をお持ちの、いわゆる親父殿のみなさん。

ひとつお聞きしていいですか?


我が子が生まれた日の新聞とか、保存されてます?


愚娘が生まれた日の新聞を取っておいてやろうと思いました。

で、次の日、生まれた日の出来事は、翌日の新聞に掲載だということに気づきます。

もちろん、「こんにちは赤ちゃん」の出生届出欄に掲載の日のも....

都合3部、永久保存しようとしています(^^


その新聞、どうするのかって?

娘が20歳の誕生日に、見せてやろうと考えているんです。


当時、どんな出来事が世の中に起きていたのか?

どんな世の中に生まれてきたのか?

そして、その20年はどんな世の中の流れだったか?

そんなこんなをしみじみ語り合いたいなと(^^


その新聞を差し出したら、どんな反応をしてくれるかな?


「ちょ、マジ?新聞って紙だったの?ヤバ!チョーうけるんですけどwww」

と、こんな反応したら、グーで殴るかも知れません(^^;


「20歳の誕生日?そんな日に家にいるわけないじゃん?」

誰ですか、そんな寂しいことを言うのは(^^;


ま、親バカネタでした♪


さて、話は変わって....

今週は、障害者アルペンスキーワールドカップが再開されています。

本日(2/11)から、会場はSloveniaROGLA


レース日程は....


11日 Slalom(回転:SL)1レース目
12日 SL 2レース目
13日 GiantSlalom(大回転:GS)1レース目
14日 GS 1レース目

と、なっております。



実はですね、ある選手からこの連載の評価を聞きました。

「好き勝手書いてんじゃねーぞ!

 でも、当たらずとも遠からずでおもしろい(笑)」

これだけのことですが、嬉しいものですな(^^

今週もがんばって書いていきますよ♪


Roglaは、日本との時差が8時間。

日本時間で日付が変わる頃には、SL1レース目のリザルトが出るはず。


それまでにワールドカップランキングのおさらい!(^^

Men's Slalom Rankings

Standingクラス
10位 三澤拓選手 86Pts.
11位 小池岳太選手 81Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛選手 380Pts.
4位 森井大輝選手 171Pts.
13位 狩野亮選手 66Pts.

Men's GiatntSlalom Rankings

Standingクラス
13位 小池岳太選手 76Pts.
20位 三澤拓選手 32Pts.

Sittingクラス
5位 森井大輝選手 170Pts.
14位 狩野亮選手 60Pts.

21位 鈴木猛選手 42Pts.
25位 夏目堅司選手 12Pts.


Men's OverAll Rankings

Standingクラス
13位 小池岳太選手 157Pts.
16位 三澤拓選手 118Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛選手 422Pts.
5位 森井大輝選手 341Pts.
15位 狩野亮選手 126Pts.
25位 夏目堅司選手 12Pts.


さあ、どんなレースが展開されるのか?

そして、σ(^^はリザルト一枚でどこまで想像の翼を広げるのか?

どうぞお楽しみに!!!

2013年2月8日金曜日

なせばなる....

昨年から、「舞鶴市政策づくり塾」というものに参加しております。

市民有志と市職員とがあるテーマで侃々諤々の議論を重ね、

政策の提言を行おうという企画。

σ(^^は「防災チーム」として、防災に関する提言をまとめているところです。


今月は塾の最終回、

市長相手に、σ(^^がプレゼンをすることになっていまして、

今はその準備の真っ最中!

本番ではどのようにボケをかましてやろうか、そんなことばかり考えています。


当日のプレゼンは公開ですので、お近くの方は是非、

しどろもどろなσ(^^の姿を笑いに来てやってください♪


ところで、防災の研究をする中で、

防災上の「常識」とされるキーワードがあります。

「自助・互助(共助)・公助」といわれるもの。


これは、災害有事にはもちろん、

事前防災でもとても重要とされていることで、

その割合は「7:2:1」と言われています。


つまり、

自分の身は自分で守ることが7割、

お互いに助け合うことが2割、

役所がすることなんてたかが1割というもの。


防災というものは自分とご近所(地域)で取り組む事が9割もあると言うんです。

逆に言えば、普段どれだけ役所に文句言っていても、

実際のところ、そんなに助けになりませんよと。


そりゃそうですよね。

自宅で寝ている時に大地震が来て、

倒れてくる家具に潰されそうになった時、

役所の人間がスーパーマンのように、

その寸前で助けてくれるなんてあり得ない話です。


道路は液状化現象などで寸断され、救急車や消防車は来ない。

そんなとき、近所の人を助けることが出来るのは、

近似の人しかいないわけです。


この、とっても重要な「自助・互助(共助)・公助」という考え方は、

意外に古く、18世紀江戸時代中期、

米沢藩(現在の山形県)の藩主上杉鷹山公が、

藩を立て直す際のスローガンにしたのが始まりだとか。


戦後は、自助や互助といった概念はほとんど無いぐらいに薄れていますが、

先人の教えというのは大変重要なことがわかります。


σ(^^たち防災チームは、その自助を訴える政策を提言する予定♪

はてさて、どのようなことになるやら楽しみです♪


ちなみに、上杉鷹山公の名言をご紹介しましょう。

「なせばなる
 なさねばならぬ何事も
 ならぬは人のなさぬなりけり」

(やりゃあ出来んだよ、
 やらなにゃ出来ねーんだよ、
 出来ないのはやらねーから出来ねーんだよ!コノスットコドッコイガ!)


物事には「出来なかった」という結果があるだけ。

「出来ない」ということはあり得なくて、実は「やらなかっただけ」でしかないと。

「出来ない」と口走るよりも、「出来なかった」と胸を張れる人生を送りたいものです(^^

2013年2月1日金曜日

明日から3人暮らし....

明日、妻が退院し愛娘と帰宅します。

寂しい
自由な時間も今宵限り。

明日からは、気の休まる時間はないものと覚悟しています(^^


今夜は、最後の時間を利用して「見てきたような」シリーズをもうひとつ♪


会場はカナダ、キンバリー。

レースカテゴリーはNORAM CUP

ここに、単身で乗り込んだサムライがいます!


開催される種目はDownHill(DH:滑降)×2、

           SuperG(SG:スーパー大回転)×2。


生涯初となるDHレースに挑んだサムライの名は!

横澤高徳選手(^^


ブログのリンクを貼っちゃってネタバレなんですが、

構わずに書き続けます♪


昔話ですけどね....

横澤選手とは、同じ大会で「初ワールドカップ」を戦ったことがあります。


同い年で、チェアスキーを始めた年も同じ。

シャイでナイスガイなところも、うり二つ。

モーターサイクルはオンとオフの違いこそあれ、

昔からレースをこよなく愛してきたのも同じ。


σ(^^にとっては気の置けない戦友の彼。

シーズン中の動向はとても気になります。

横澤選手にとっては、σ(^^;はうるさいだけの存在かも知れませんが....


忘れもしない2008年。

横澤選手は、当時の「チェアスキーチャンピオンシップ」、

Giant Slalon(GS:大回転)で、「あの」森井選手を0.13秒差で破り優勝!

その戦績でもって、ワイルドカード(主催者推薦)枠で、

障害者アルペンスキーワールドカップファイナル白馬大会の切符を手にしました。


ついでに言わせてもらえば、σ(^^;

当時、白馬岩岳で開催されたポイントレースで、

ちょっとだけ「小マシな結果」で滑り降りてきました。

その結果を、当時からお世話になっていた伴コーチに押し込んでもらい、

大いなるチャンスを頂いたものです(^^ソノセツハオセハニナリマシタ


初ワールドカップとなった二人。

横澤選手は、前評判どおりにしっかりとレースポイントを稼ぎ、

不甲斐ないもう一人は、会場の雰囲気に飲まれてしまって....

その明暗は現在にまで続いております(^^;


「新之介、あの時は両肩が脱臼するぐらいがっかりしたぞ」

この言葉は、今でも伴コーチから聞く言葉です。

....不甲斐ないチキン野郎の話はどうでもいいですね(^^;


横澤選手の話に戻ります。

あれ以来、横澤選手はジャパンチームのメンバーとして、

堂々と世界を相手に戦ってきております。


今期は、チーム体勢がいつもと違うらしく、

ワールドカップチームとは別に参戦しているようです。

年末年始のNORAM CUPもそういった遠征でした。
「見てきたような」シリーズの前段としての連載もご参照のこと♪)


年越しのNORAM CUPではDHの開催はなかったので、

「貪欲」な横澤選手は、単身でキンバリーへ乗り込んだというわけです。


ということで、まずリザルトからご参照!

4つ、まとめてどうぞ!

MEN'S DOWNHILL TRAINING 1(DHトレーニングラン1)
MEN'S DOWNHILL TRAINING 2(DHトレーニングラン2)
MEN'S DOWNHILL 1(DHレース1本目)


この「見てきたような」シリーズは、

リザルトから「読み解く」ことがモットーです。


本人が無事だったから、こんな書き方が出来ますが....

いいですか?よく見て下さいよ?


トレーニングランの1本目。

横澤選手はDNFでした(^^;


2本目。

「DO NOT START」でした....


そして、レース本番は出場しておりません....


やっちまったのか?おい!(^^;


救急搬送中の写真でしょうか。

ブログには、彼らしい、強がりなピースでの写真があります。

ものすごく「強靱なハート」の持ち主ですから、

いたって平然と写ってますが、かなり辛いのでは?とも思えます(^^;


「いろいろと痛みはありますが、
 明日のスーパーGは気持ちを入れ変えてしっかりと集中したいと思います。」
                             (横澤高徳 公式ブログより抜粋)
あんた、本当にサムライだよ(^^

         
Kimberley Alpine Resortは、日本との時差が17時間あります。

現地時間31日10:00スタートのSGは、そろそろ終わっているはず。

どんなリザルトが公表されるのか、乞うご期待!(^^


みな様!

是非、横澤選手のブログへ激励のコメントをお願いします!(^^


....本当にクラッシュの影響はなかったのかなぁ?