一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2014年3月3日月曜日

返す刀で:20140225TarvisioDH2....

春ももうそこまで来ているかと思いましたが、

まだまだ冬将軍は頑張るようですなぁ....

間もなく開催されるソチパラリンピックを前にして、

春だなんだとは気が早いのではありますが(^^;


日本障害者アルペンスキーチームは、既にチ入りをしているそうです。

しっかりと気持ちを高めて最高のレースを見せてもらえれば♪


でも、このブログでは時間が止まっています(^^;

早く「ソチ入り」しなければ....


てことで、前回に引き続き、

障害者アルペンスキーワールドカップファイナルTarvisio大会の模様をお送りします!


25日に行われたDownhill(滑降:DH)の2レース目です(^^

1日のうちに2つのDHレースを行うことはまれなのですが、

天候の都合などで急遽、ということはよくある話です。

主催者の判断ですので従うしかないのですが、選手たちは大変ですねぇ....


一晩空けてくれれば、スキーのチューンナップやマシンセッティングの変更など、

いろんな対応を余裕持って出来るのですが、

ただでさえ極限まで集中力を高めなければならないのに、

それが2レースも続いちゃうなんて....(^^;


でも、そんな柔なことをいうようではトップアスリートなんて勤まりません。

ガチでタフなアツいレース!その模様を見ていきましょう(^^

リザルトをお手元にどうぞ!


TrainingRunから数えると、4本目の滑走になるこの2レース目です。

DHレースの間は、ゲートセットが変更になる訳ではありません。


コースセッターはイタリアチームのコーチ、ゲート数、26ターン数20。

当然、スタート、フィニッシュ共に同じ場所にあるので、

スタート標高1,290m、フィニッシュ標高820m、標高差470m、延長1,780m

というコースプロファイルも変わりません。

もう、それぞれの選手はしっかりと攻略出来るように組み立てを終えていることでしょう。


晴れ渡った空は、

スタート地点0℃、フィニッシュ地点4℃にまで気温を上げていきました。

もう、スキーウェアは脱いでも寒くありません(^^


同じコースで行われるレースですが、スタート順だけは毎回変わりますね。

2レース目のスタート順はこうなっております!


女子のエントリーは5カ国9名。

ジャパンチームのエントリーはなし。


男子は9カ国35名。

Standing(立位)クラス

ビブ(ゼッケン)26番 小池岳太選手

Sitting(チェアスキー)クラス

32番 森井大輝選手
36番 狩野亮選手
40番 夏目堅司選手
41番 鈴木猛史選手

以上です。


さあ、選手たちは集中力を高めて、スタート時刻を今か今かと待ちわびています!

どのようなレースになったか見ていきましょう!


....膝の具合は良くもなく悪くもなくというところか。

小池選手にとって、状況によっては回避しても構わないレースだったはずだ。


何かに不安を感じるアスリートが取る行動は2通りある。

回避し、「温存」する。

もうひとつは、状況を「把握」するために、敢えて戦うという手段。


小池選手は後者を選んだ。

当然、「全開」の滑りは出来ない。

どこまで無理が利くのか。

咄嗟のアクションが出来るのか。

雪面とスキー、そして膝。

それぞれと相談しながら滑り降りる1分強。

小池選手の「ソチ」は既に開幕していた。


Sittingクラスの1番機は森井選手。

TrainingRunの1本目こそラップ(トップタイム)で滑り降りたが、その後は伸び悩んだ。

緩斜面主体という独特の状況が、彼のスペックを封印してしまったのかも知れない。

リーダーズボードを見ることなく、彼はフィニッシュエリアを後にした。


好タイムを叩き出したのは、続くBROUSSEAU Caleb選手(CAN)だ。

1レース目から2秒以上もタイムを削ってきた。

会心の滑りだったことがその表情から窺える。


2レース目、雪面は荒れてくる。

上がる気温、1本目と同じコース設定。

滑走タイムは間違いなく落ちていくはずだ。

狩野選手はそう読んでいた。


しかし、思わぬ伏兵が現れた。

彼が予想していた優勝タイムを上回るタイムがリーダーズボードのトップにある。

だが、この時の彼の頭の中に悲観的な思いはなかった。

誰かに出来ることが自分に出来ないはずがない。


スタートバーが彼にレースバーンを開放するや否や、

彼は瞬く間に斜面を駆け下りていった。


IT1Sittingクラス最速のタイムを叩き出す。


後半区間は、わずかながらタイムをドロップさせてしまう傾向が、彼には確かにある。

マシンの特性か、外国勢に巻き返されてしまう事が続いていた。

この2レース目もおそらくはそうだろう。


だが、そんなことは織り込み済み。

前半区間までにそれを跳ね返すだけのマージンを稼いだことを、

彼の正確な体内時計は感じ取っていた。


0.06秒上回り、トップに躍り出る。

拳を突き上げる狩野選手。

落胆するBROUSSEAU選手。


夏目選手は頭打ち。

1レース目からわずかにタイムダウン。

しかし、「頭打ち」とは観客が勝手に使う言葉。

彼にとっては1本目に引き続き、「全てを出し切ったレース」に違いない。


単調な緩斜面レースは苦手、そんなことを考えていたのかも知れない。

積極的に仕掛けることの出来ない状況に、鈴木選手はフラストレーションを溜めていた。

彼の並はずれた身体能力は、この単調なコースでは封印されている。

フィニッシュエリアで、彼は感情を隠さなかった。


最終滑走者はDEVLIN-YOUNG Christopher選手(USA)。

1レース目は、狩野選手の後塵を拝したとは言え、0.53秒差で食い下がっている。

まだ、彼が滑り終えるまで、ラップリーダーに勝者の表情は表れない。


IT1。

+0.28秒。

思ったより詰められている。

狩野選手の背中に冷たいものが走る。


DEVLIN-YOUNG選手は、後半区間が抜群に速い。

TrainingRun2本目と1レース目は、どちらも最速タイムで滑りきっている。

1レース目は、0.22秒縮められてしまった。


微妙な勝負になる。

狩野選手の視界、最後の斜面に現れた最後のライバル。


速い。


あとは、フィニッシュラインまで真っ直ぐ滑り降りるだけだ。

もう、テクニックの勝負ではない。

勝負の分かれ目は、滑走面にワックスが残っているか、もしくは運の強さ。


横たわるうねり。

軽くジャンプすればフィニッシュエリアは目の前。

飛び出す瞬間、荒れた雪面をエッジがわずかに噛む。


射出角度。体軸の角度。

観客たちは気づいていない。

狩野選手の眉が動く。


リカバリーとも言えないリカバリー。

着地。


やはり観客は気がついていない。

気がついていたのは本人と狩野選手。

間もなく、無慈悲で厳格な「時計」は、その事実を万人に知らしめた....


高速系エースに隙なし!

狩野亮選手連勝!!(^^

おめでとうございました!!!


緩斜面には緩斜面の、急斜面には急斜面の難しさがあるのですが、

このレースでは盤石でしたねぇ♪

この調子のまま「ソチ」へなだれ込んで欲しいものです(^^


その前に、SuperCombi(スーパー複合:SC)レースが残っていますので、

それも軽くやっつけちゃってから、ですが♪


DHの2レース目、リザルトのおさらいです!


男子Standingクラス

10位 小池岳太選手

男子Sittingクラス

優勝 狩野選手
 5位 森井選手
 9位 夏目選手
11位 鈴木選手

以上のようになりました!


そんなにそんなに気にしなくていいはずですが、

森井選手はちょいと思ったような成績を上げられませんでした。

そして、鈴木選手は2戦連続の最下位に終わりました。


どれだけ特殊なレースだったかは本人たちがいちばんよくわかっていると思います。

そして、きっとあっけらかんとしているとは思いますが、

「珍事」と言ってもいいのではないかと思います。

まあ、ソチ入りまでに「厄払い」が出来たと思うことにしましょうか(^^


非常に筆の遅い「観戦記」です。

ようやく、残すはSCレースのみというところまで来ました。

次回、いよいよワールドカップ最終日の模様をお送りします♪

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメント、ありがとうございます。