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2014年1月16日木曜日

最も過酷な戦い:20141012PanoramaSC....

アルペン競技において最も過酷なレースは、

SuperCombi(スーパー複合:SC)だとσ(^^は考えています。


DownHill(滑降:DH)またはSuper-G(スーパー大回転:SG)1本と、

Slalom(回転:SL)1本の合計タイムで競われる競技がSCです。


何が大変かって、一日に2種目を戦わなくてはなりませんし、

勝負をかけるためには、どちらも好タイムを叩き出す必要があるのです。

まあ、高速系のビハインドをSLでひっくり返すという傾向はありますので、

どちらかといえばSLが得意な選手が有利なのかも知れませんが。


それだけでなく、前日の準備も大変ですよ。

レース用の板を2種類用意しなければならないんです。

当然、高速系と技術系ではワックスチョイスが違いますから、

それぞれをしっかりと仕上げなくてはなりませんし、

エッジだって仕上げ方を変えるかも知れません。


なんにせよ、作業量は倍。

大変な作業ですよ(^^;


もっと大変なのはスタッフの方々。

特にSittingクラスのサポートは大変!

選手たちはチェアスキーで移動しながらレース板を運ぶことは出来ませんからね。


SC以外のレースだと、使用するレース板は1本で、

2選手で1組という運び方が出来るのでまだ楽かも知れませんが、

SCだと、運ぶ量も倍になります。


華やかなレースの影では、そんなご苦労もあるのですよ♪

選手たちにはいいレースをしてもらって、「倍返し」してもらいましょう(^^
                                コノフレーズモフルビタカンガアリマスナ....

では、現地からの中継の前に、リザルトをお手元にご用意下さい(^^

1本目DH詳細はこちら。DH+2本目SLはこちら


まずは1本目、「Rollercoaster/Skyline」の特設コースを見てみましょう♪

スタート標高1,802m、フィニッシュ標高1,236m、標高差566m、コース延長1,980mで、

DHのレースより短いコースプロファイルです。


DHレースのスタート地点を少し低い標高に変更して、

そこからフィニッシュまでのゲートセッティングは同じものです。

当然、コースセッターも同じ、地元カナダチームのコーチ。

短くなった分、ゲート数31、ターン数26と少なくなっています。


DHの分析でも書きましたが、

このコースは中盤からフィニッシュまでは、

どうにも厳しいレースバーンのようです。

ジャパンチームはどのように戦うのか?

2本目のSLを見据えた戦いが繰り広げられることでしょう。


幸い、DHの時より天候は良く、気温は下がっています。

スタート地点の天候は晴れ、気温は-6℃となかなかにいいコンディションのようです。

穏やかな空の下、かっ飛ばすDHはさぞかし気持ちいいでしょうね(^^


では、スタート順を確認します。

女子選手は10カ国22名のエントリー。ジャパンチームは無し。


男子選手は14カ国51名。

ジャパンチームStandingクラス

33番 小池岳太選手
38番 三澤拓選手

同じくSittingクラス

55番 鈴木猛史選手
56番 森井大輝選手
58番 狩野亮選手
61番 夏目堅司選手
70番 谷口彰選手 

となっております。


DHに続いて活躍なるか森井選手。

「高速系エース」狩野選手は面目躍如を期す。

DHを凌いで、得意のSLで勝負を賭けたい三澤、鈴木の両選手。

小池選手、夏目選手は上昇のきっかけを掴めるか。

谷口選手もそろそろ復調したい。


それぞれの思惑はどのようなタイムに現れるか?

いよいよ、1本目が始まる!


....ジャパンチームの1番機になることが多くなった小池選手。

自身の結果と同じぐらいに、大切な仕事がある。

きっちり滑り降りて、コース状況の報告をチームに上げなければならない。

何かを人に伝えるという行為は、自分にとってもいい経験になる。


前半こそ、いいタイムでIT1を通過したが、その後はじりじりと遅れていく。

Sittingクラス1番手スタートの選手と比べてもその差は明らか。

少し悔しい1本目となった。


勝負をSLに持ち込められば....

三澤選手は計算する。

リードが許されるのは3秒以内か。

ガマンのDHだったが、IT2前からスピードが落ちていくのが痛いほど解った。

唇を噛みしめながらフィニッシュ。


SL勝負なのは鈴木選手も同じ。

DH後半区間はLW12-2にとってはまだ相性がいいはずだ。

しかし、IT2通過後、滑走面の接地感に違和感を覚える。

摩擦抵抗が強くなった気がした。

それが錯覚ではないことはタイムが示していた。


IT2付近から、忍耐が必要なコースだとはすでに解っていた。

IT1を誰よりも早く駆け抜けた森井選手にとって、

タイムロスをどこまで抑えられるかがカギとなる。

1秒間に20m以上進んでしまうスピードの中で、その努力は報われた。


「高速系エース不振」

新聞記事にするならば、そんな見出しにせざるを得ない。

狩野選手にとって、1.78秒というタイム差は惨敗に等しかった。

IT1までにスピードを乗せられなかったのが大きく響いたのだ。


しかし、悲観はしていない。

これまでに彼が蓄積したセッティングデータの中に、その原因の回答がある。


夏目選手にとってのDHレースは、まだまだトレーニングの場に過ぎない。

ひとレースごとに糧を得ていく段階。

IT1までのコースアウトであっても、何よりも得難い経験であったはずだ。


谷口選手は焦りの色を隠せなくなってきた。

かつての滑りを再現出来ていないのは自分が一番よく解っている。

この不調からどうすれば抜け出せるのか、長い戦いは続きそうだ....


あまりにも良くない想像をしすぎてますか?

こんな書き方では、悲壮感を感じますねぇ(^^;


1本目の順位とタイム差を整理します。

Standingクラス

 7位 小池選手 4.22秒差
20位 三澤選手 8.17秒差

Sittingクラス

 2位 森井選手 1.09秒差
 6位 狩野選手 1.78秒差
10位 鈴木選手 2.47秒差
19位 谷口選手 9.07秒差
DidNotFinish(途中棄権:DF) 夏目選手

それぞれのタイム差を持って、2本目のSLに挑みます。


さて、2本目はフィニッシュエリアは同じですが、スタート地点が別コースになります。

フィニッシュエリア付近に固めておいたSL板を担いで、

スタッフの方々がリフトに上がっていきました。


代わりにDH板が並べられています。

DH板の長さの規程は205cm以上。

一般スキーヤーの方々から見れば、実に趣味の悪い長さでしょうね(^^;

重い上に曲がらない板ですから、乗りこなすのに相当な努力が必要です。


一方、出番となるSL板の規程は165cm以上。

軽いし良く曲がるし、へたっぴなσ(^^;なんかは、

吹っ飛ばされないように板に手加減をお願いしていたほどです。


こんなに性格の違う板を乗り換えて、

限界ギリギリのレースをしなければ行けない訳ですから、

SCという競技のタフさがよく解ります。

選手たちは、しっかりと「切り替え」が出来たかな?


2本目のコースプロファイルを見てみましょう。

スタート標高1,377m、フィニッシュ標高1,236m、標高差141m。

コースセッターはスイスチームのコーチがお務めで、

ゲート数45、ターン数46....


ん?

なんかおかしいぞ??

ゲートの数よりもターンの数が多い???

もしかしたらσ(^^;の知らないゲートの立て方があるんだろうか....


ひとつのゲートを2回通過するような立て方をすれば可能だろうけども、

斜面を下るアルペン競技でそんなことをしようとすれば、

360°ターンをさせるか、斜面を登らさなきゃならないぞ?

それに、2ゲート1ターンの「ディレードゲート」も立てなきゃならないから、

2回通過のゲートが複数必要になる....


こりゃ、ミスライティングだな(^^

ということで、46ゲート45ターンということで話を進めます♪


おっと、2本目の天候気温も書いてないぞ。

天候が急速に悪化、猛吹雪の中で行われたSLだったかも知れない。

....これについても、1本目と同じような快晴の元で行われたと思うことにします(^^


では、2本目のスタート順の確認♪

Standingクラス

 9番目 小池岳太選手
19番目 三澤拓選手

Sittingクラス

 7番目 鈴木猛史選手
10番目 狩野亮選手
14番目 森井大輝選手
17番目 谷口彰選手

以上です(^^


2本目の見どころは、まずなんといっても森井選手の滑り。

1.09秒という小さくないタイム差を跳ね返すことが出来るのか?

そして、森井選手から1秒以内に付けている6名の選手を振り切ることが出来るのか?


その6名のひとり、狩野選手にもまだまだチャンス有り!


そして、三澤、鈴木の両選手はスラローマーとしての意地を見せたいところ。


谷口選手は、どこで上昇のきっかけを掴むのか?

それはこのSLかも知れない。


SC最終決着、2本目が始まります!


....まずは4.22秒のビハインドを背負う小池選手がスタート。

ひとり前にスタートしていたBUGAEV Alexey選手(RUS)が、

すでに抜群のタイムを叩き出している。


BUGAEV選手と小池選手の間には、0.07秒しかマージンはない。

しかし、BUGAEV選手がフィニッシュする前のスタートのため、

今どのような状況なのか小池選手には解らない。

2.27秒という大差を付けられたことを、彼はフィニッシュエリアで知るのだった。


三澤選手のスタートまではまだ時間があった。

次々とアナウンスされるタイムを耳にして、

1本目上位の選手たちがSLでは順位を落としているのがよく解った。

その順位は彼の予想を大きく外れていない。

そして、目指す順位も自然と定まる。


SALCHER Markus選手(AUT)が1本目のマージンを守りきり、

おそらくは優勝を決める合計タイムを出した。

BUGAEV選手ですら、5番手に浮上するのがやっと。


勝敗は決したが、SLだけは譲れないという意地がある。

その結果はリーダーズボードには現れないが、リザルトのみが語りかける。

それが満足出来るものだったのか、彼の表情は曇っていなかった。


2.47秒差。

彼を知るものにとっては、大差ではないと感じる。

Sittingクラスが始まり、観客たちは鈴木選手のスタートにざわめいた。

かつてのように、あっけなく順位を入れ替えるに違いない。

そう信じる者たちが多かった。

しかし、その意に反し、鈴木選手は徐々にタイムを落としていく。

その前にフィニッシュしていたWALKER Tyler選手(USA)に大きく及ばなかった。


狩野選手のSLは未完成。

大きく順位を落としてしまった。


森井選手のひとり前、TABERLET Yohann選手(FRA)が、

それまでのトップであるWALKER選手を0.5秒上回りフィニッシュ。

すでにスタートしていた森井選手に、その状況は掴めていない。

目指すところは、RABL Roman選手(AUT)との差、

1.09秒を詰めることが出来るかどうかだった。


激しくプッシュする森井選手だったが、やはりIT1に鬼門は存在した。

ここでのタイムロスが勝敗を決してしまったのだ。

この時点で、リーダーズボードに表示された名前は2段目。

負けた。

天を仰ぐ森井選手。


そして、谷口選手帰還せず。

長く苦しい道のりに、光はまだ差してこない....


んー....

なかなかに厳しいレースのようでしたねぇ(^^;

SCの最終順位はこうなりました。


Standingクラス

 7位 小池選手
15位 三澤選手

Sittingクラス

3位 森井選手
5位 鈴木選手
9位 狩野選手
DF  夏目選手
    谷口選手


ここまでジャパンチームを苦しめたこのコース、一度、見に行きたいものですなぁ。

「マジっ!」ってぐらいに「すごい斜面」なのかも知れません(^^;


さて、気を取り直して。

明日はGiantSlalom(大回転:GS)の予定です。

「じーえす」という響きだけで、なんだか安心してリザルトを見られると思うのはσ(^^だけ?

どんなレースが繰り広げられたか、まずはお楽しみに♪

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