一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年3月25日月曜日

その男多忙に付き....


ちょいと、投稿をサボってしまいました(^^;


まごまごしている内に、

「ジャパンパラ冬季競技大会アルペンスキー競技(通称:ジャパラ)」

の全日程が終了してしまっています....


現地でレースをご覧になった方や、

大会公式HPで結果をチェックされている方もおられることでしょうけども、

このブログではまだスーパー大回転(SG)が終わったばかり。

「後追い」でマヌケなことですが、マイペースで書いていきますね♪


「山本新之介のジャパラをまるで見てきたような観戦記」、

第2日目(3月22日)はスーパーコンビ(SC)です(^^


ワールドカップ編でも何回か書きましたが、

SCとは、SGを1本、Slalom(回転:SL)を1本、

その2本の合計タイムで順位を競います。


スピードを上げてぶっ飛ばすのが得意なだけではいけない、

くるくる回ることだけが上手くてもいけない。

高速系と技術系をバランス良く両立させなければ、

とても勝負なんて出来ないという大変シビアなレースです。


そんな厳しいレースの模様はどうだったのか?

まずはリザルトをお手元に(^^

IPCフォーマット(男子SC)

国内格式(女子男子


IPCフォーマットのリザルトには、面白い事が書いてありますね。

天候は「Sunny(晴れ)」、雪質が「Spring conditions(春の状態)」ですって(^^;

この時期にスキーをされる方はよくご存じの雪質でしょう。

簡単に言えば、「溶けずに残っている雪」ということです。


1本目のSG。

スタート地点の気温は0℃、フィニッシュ地点で4℃。

朝の段階でこれですからねぇ....


ちなみに、気象台白馬観測所が記録した当日の最低気温は-5.3℃

前の晩からずっと氷点下でしたから、それなりには締まった雪面だったかも知れません。

SG1本ぐらいはなんとか保ったかなぁ....(^^;


何とか保って欲しいというのはコースセッターも同じ気持ちだったでしょう。

セッターは、前日に引き続き切久保豊コーチです。

ゲート数40、ターン数35と、こちらもそれぞれ、前日と同じ。


このコース、実はそんなに変化を付けられるところではないのです。

違いを出せるとしたら....

スタート直後の緩斜面のラインで少し、

M's(エムズ)ジャンプの飛び出し方向、

馬留めジャンプの通過ライン....ぐらいかなぁ。


もしかしたら、前日のSGと全く同じようなセットだったかも。

経験の浅い選手もいるので、そんなに難しくも出来ないでしょうし....

切久保コーチもご苦労なことでしょうね。


標高差499m、コース長1705m、上からも下からも全部を見通すことが出来ません。

スタート地点から見通せるのは、直後の緩斜面のみ。


インスペクションでは「風景を憶えろ」とよく言われますが、

コースの全体像を把握できていないうちは、

自分がどの位置にいるのか、どの方向に進んでいるのかがわかりません。


「風景」を繋いで行くだけでは、いいラインをイメージすることは出来ないでしょうねぇ。

高速系競技はは経験を踏まないと、「風景」を繋ぐことは出来ませんよ(^^;


さて、SC1本目、スタートの準備が出来たようです。

順番を見ていきましょう。


この日も、トップスタートは村岡桃佳選手

そして大日方邦子選手が続きます。


男子はStanding、ビブ(ゼッケン)5番三澤拓選手を先頭に、

           6番小池岳太選手、7番伊藤史雄選手

           8番山崎福太郎選手、9番阿部敏弘選手


男子Sittingは、10番狩野亮選手、11番森井大輝選手、12番鈴木猛史選手

          13番夏目堅司選手、14番谷口彰選手海外の選手が3人続いて、

          殿が18番今野英樹選手となっています。


コース整備等でのインターバルをはさんでも、

スムーズに進めば30分ぐらいで男子Sittingまで終わります。

雪面の心配は要らないかな?(^^


前日同様、女子のIPCのコンティネンタルカップカテゴリーは、

エントリー不足のために残念ながらレース不成立です。

それでも、村岡選手にとってはとても意義のあるレースでしょう。

その理由は、すぐ後にスタンバっている大日方選手の存在。


元「女王」との差を確認し、少しずつでも詰めること。

滅多にないそんな機会をどこまで生かすことが出来るのか?

その小さな体がコース内に躍り出ます!


大日方選手もデビューは高校生の頃だとか。

現役高校生の村岡選手に、昔の自分をオーバーラップさせているでしょうか。


2人の違いは、村岡選手には指導者としての大日方選手がいるけども、

大日方選手のデビュー当時、大日方選手を導く女子選手がいなかったと。

そんな中でも積み重ねてきたキャリアをどのように後輩に伝えていくことが出来るか。

まだまだ大日方選手の戦いは続いています。


男子Standing。

昨日は0.55秒差で決着しました。

この日の1本目SGはどうなるのか?

三澤選手がリベンジをするのか、

小池選手が2本スキーとその長身をスピードに繋げるのか?


三澤選手はSLが得意。

小池選手にとって、SGで差を付けておかなくては。


一方、国内組もいつまでも指をくわえているわけにはいきません。

元パラリンピアンの阿部選手も、後輩たちに割って入り、

その実力を見せつけたいところ。


伊藤、山崎の両選手は、新旧のトップレーサーたちから、

いろんな事を学んでいかなくてはなりません。

そして、まず先に抜け出すのはどちらか?


男子Sitting。

昨日のSGはジャパンチームの独壇場でした。

慣れたコースでの勝負でしたから、さもありなんというところですか。


でも、彼らはこのBADコンディションをソチパラリンピックの前哨戦ととらえています。

先のワールドカップファイナルは、パラリンピックと同会場同時期の開催でした。

そして、そのコンディションはお世辞にもいいものではなかったのです。


ジャパンチームは、このジャパラのコンディションを、

「ソチ」のそれに見立てて戦っています。

雪質や気温、そして天候までを計算に入れて、

次の1年に向けたスタートをこのジャパラから始めようとしているのです。


様々な思いは、フィニッシュエリアでどのように昇華するのか?

1本目SGの結果はこうなりました!


女子Sitting

村岡桃佳選手 1位
大日方邦子選手 2位


男子Standing

小池岳太選手 1位
三澤拓選手 2位
阿部敏弘選手 3位
伊藤史雄選手 4位
山崎福太郎選手 5位


男子Sitting

森井大輝選手 1位
夏目堅司選手 2位
狩野亮選手 3位
鈴木猛史選手 4位
谷口彰選手 5位
BUDGE Lincoln(AUS) 6位
今野英樹選手 7位


なんとなんと村岡選手は、大日方選手と0.83秒の差を付けて1本目を終えました!

昨日の大差をしっかりとリベンジしてくるあたり、大器の片鱗が伺えます(^^


小池選手三澤選手は、この日も0.51秒の僅差。

ただ、SCは2本目のSLで勝負が決まります。

どんな死闘が繰り広げられるのか?


やはり、森井選手は頭ひとつ抜け出しました。

2位と1.25秒の大きな差。


意地の2位は、地元夏目選手

夏目選手はこの八方尾根スキー場の所属です。

地元も地元、まさに自分の庭でレースが行われているようなもの。気を吐きました(^^


狩野選手がそのすぐ後に付け、

スーパースラローマーの鈴木選手にとっては、1.74秒差は射程圏内か。


気温が上がり続けている中、2本目の戦いは本当にアツくなるはず!

2本目のSLはスタート地点を大きく下げ、馬留めジャンプの少し上のところから始まります。

スタート標高1,044m、フィニッシュ標高904m、標高差は140mとなりました。


コーセッターはジャパンチームの志渡一志コーチ

ゲート数52、ターン数49、対標高差は35%

雪面が緩んでくるんでしょうけども、しっかりとした数のゲートが立ちました。


2本目のスタート順は、1本目の成績順をひっくり返します。


村岡選手は、大日方選手の後。

SLのライン取り、ゲートのあたり方、リズム変化の処理、柔らかい雪面での走り方....

目の前で見せられる世界最高のお手本をどこまで吸収できるのか?

そんなふたりのスタートに男子の選手たちが声援を送ります。


村岡選手と同じ立場にいるのは、山崎選手伊藤選手

彼らにとっても、後に並んでいる選手たちは最高のお手本。


三澤選手にとって、小池選手とのビハインド0.51秒はあってないようなもの。

得意のSLで逆転を狙う。


一方、小池選手は相当なプレッシャーを感じていることでしょう。

守っていては間違いなく勝てない。


男子Sittingはどうだ?


鈴木選手がSLで巻き返してくるだろうと、みんながまず考えているでしょう。

基準は「猛史のSL」

その滑りにどこまで食らいつくことが出来るのか?


そのレース開始は1230時。気温は+7℃にまで上がっていました。

コースには硫安が撒かれていたでしょう。


たっぷりと硫安を染みこませて固めたコースなら、

男子Sittingまでの16名ぐらい、そんなに荒れずに済むかな?

荒れないで欲しい(^^


まずは女子Sitting、大日方選手がスタート!貫禄の滑りを見せる!


その滑りを盗みたいところだが、村岡選手は苦労しながら滑っていく。

SLには独特な技術が必要なので、経験が浅ければごまかしのきかない種目です。

でも、村岡選手は何かを掴んだことでしょう(^^


男子Standing、山崎、伊藤の両選手も経験が浅い選手と言えるでしょう。

何かひとつ掴むことが出来れば、トントントンと速くなっていくのですが....


阿部選手、巻き返そうと攻めたんでしょう。

途中でコースアウトしてしまいました....


そして、三澤選手がスタート。

その滑りはまさに、「水を得た魚」といってもいいでしょう!

その姿を見ていた小池選手は、ため息をついていたかも知れません。


男子Sitting。

実質的な勝負は鈴木選手がフィニッシュしてから始まります。

鈴木選手のタイムが2本目の基準タイムとなり、

そのタイムと1本目のマージンを考えて「どの程度」攻めるか。


もしかしたら、鈴木選手はみんなが呆れるぐらいのタイムを出すかも知れない。

そうでなければ、このマージンで逃げ切ることが出来るかも知れない....


そして、判断の参考になるのはチームメイト、

共にトレーニングを続けてきたStandingの三澤選手

三澤選手の2本目は、40秒06の好タイムでした。


鈴木選手がそれ以上のタイムを出せば、

選択肢に「諦める」という言葉が追加されるかも知れない。

さあ、鈴木選手はどうだった?


タイム....43秒27!

どうしたことか!

後に続く選手たちの表情には、驚きの色がにじみ出ていました。

しかし同時に、それはチャンスがやってきたということ。

1本目の結果以上にマージンが得られた事を知った選手たちは、

一躍、コースに飛び出していきました....


では、SCの最終結果を見てみましょう!

女子Sitting

優勝 大日方邦子選手
2位 村岡桃佳選手


男子Standing

優勝 三澤拓選手
2位 小池岳太選手
3位 伊藤史雄選手
4位 山崎福太郎選手
DNF 阿部敏弘選手


男子Sitting

優勝 森井大輝選手
2位 狩野亮選手
3位 夏目堅司選手
4位 鈴木猛史選手
5位 谷口彰選手
6位 BUDGE Lincoln(AUS)選手
7位 今野英樹選手

となりました(^^


1本目、村岡選手の後塵を拝した大日方選手でしたが、やはりSLは圧巻!

SLだけで、村岡選手に10秒近い差をつけて逆転優勝!

しかし、村岡選手はこの圧倒的な差すら糧にして、来期に望むことでしょう。


男子Standingも圧勝、三澤選手の優勝でした!

小池選手は奮闘しましたが2位に止まりました。


そして、男子Sitting。

こちらも森井大輝選手の圧勝!

2本目のSLもラップ(トップタイム)を叩き出し、

オールラウンダーの実力を遺憾なく発揮しました。


1本目SGで0.09秒というほんのわずかな差で3番手に甘んじた狩野選手でしたが、

2本目SLでは2番手の夏目選手を逆転しました!


惜しくも3位となった夏目選手でしたが、

2本の合計タイムでは、狩野選手と0.17秒差で食らいついていきました。

実際の距離にすれば、数十cmというあたりでしょうか。シビれる戦いでした(^^


何があったのか、σ(^^;もちょいとびっくりの鈴木選手

まだ2レースが残っていますから、そちらでの活躍を待っています!


ちなみに、1本目のSGのみでも男子IPCカテゴリーレースが成立したようです。

リザルトはこちら♪

これで、ジャパラではSGが2レース成立したという事になります(^^


さあ、翌日(23日)に予定されているレースは、GiantSlalom(大回転:GS)です。


σ(^^も一番好きなGS!

神様!なんとか、いいコンディションのレースを見せておくれ♪

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