一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年3月27日水曜日

おつかれ!そして、また来期!....


「もっと上手くやりたいんだけどなぁ....」

「激しく突っ込まないとダメだよ」

「だって、痛いんだもん」

「初めのうちだけだよ。慣れてくると痛くなくなるから」

「そんなこと言っても、痛いのはイヤ」

「大丈夫だって。ちゃんと付けておけば安心だし」


....何か誤解がありますか?(^^;

この会話は、Slalom(回転:SL)の初心者の頃にしていた会話です。

変な風に聞こえるのは考えすぎです♪


SLという競技は、スキー技術はもちろんですが、SL独特の技術も必要です。

他の種目のように2本のポールでゲートが立てられているのではなく、

1本のみで立てられるのがSL。


例えばGiant Slalom(大回転GS)だと、

ゲートフラッグで結ばれているポールの間に飛び込んでしまえば、

簡単に吹っ飛んでしまいます(^^;









これは
GSゲート







でも、SLの場合は、ゲートにあたっても1本だけですからなぎ倒していくことが出来ます。









これはSL







その分、限りなくイン側を突いたターンが出来るのですが、

ポールに当たる衝撃に耐える必要があるのです。

これがあんた、痛いのなんのって(^^;


打ち身が腫れるのは当たり前。






















ゴーグルのレンズは割れるわ、











サイン入りゴーグルレンズ
(抽選で1名様プレゼント用)


....ただし応募ゼロ(^^;






ヘルメットが割れるわ。









新品のヘルメットを、
5秒で壊した人(^^;











挙げ句の果てには、歯が折れたり骨を折ったりする選手もいます。


初心者の頃は、それを嫌がってゲートに当たらずに滑るのですが、

大変大回りで窮屈なターンになります。

そんなことではとてもレースにはなりません。


で、無理矢理当たらなくてはならないのですが、

何でこんな目に遭わなくちゃ行けないんだよ!というのが正直な感想でした。

そんな時にしたのが、上の会話です(^^


滑り慣れていけばラインが安定しますし、その分、体勢もしっかりと作れます。

綺麗にターンをすることが出来るようになれば、

ポールを胸板の分厚いところに当てたり、脇の下に通したりと、

「痛くない」当たり方を見つけることが出来ます。


もっと慣れてくれば、顔面めがけて入ってくるポールを避けることも出来るようになります(^^

慣れてくると痛くなくなるというのはそういうことです。


ただ、チェアスキーだと、弾いたポールが足を強打します。

σ(^^のようなマヒのない選手には、それはそれは大層痛いもので。

マヒのある選手に直接の痛みはないのですが、痛みがない分、大ごとになります。

....気がついたら骨が折れていた!!なんてこともよくある話。


ですので、足にはプロテクターを「ちゃんと付けておけば安心」なんです。

ね?何も変な話はしていないでしょ?(^^


さて、今日はSLのお話です。

「ジャパンパラ冬季競技大会アルペンスキー競技(通称:ジャパラ)」

最終日(24日)、種目はSLでした。


好みは別として、SLもとても大切な競技です。

GSと併せて、SLの技術はアルペンの上達には欠かせません。

なんてったって、「技術系種目」というぐらいですからね。


さらに「スピード系種目」の技術も身につければ、

あなたの技量はより高まることでしょうし、

アルペンレーサーが求めるべきは、トータルバランスです。

オールラウンダーを目指してトレーニングすることは、

あなたのレーシングライフをより魅力的なものにすることでしょう!

....って、誰に言ってんだ?(^^;

閑話休題。


では、最終日のSL、そのコースプロファイルを見てみましょう!

スタート標高1.085m、フィニッシュ標高950m、標高差135mです。


スタートハウスは、八方尾根スキー場オリンピックコース2の、

「たてっこ」と呼ばれる急斜面、その後半部分に作られています。

「馬止めジャンプ」と言われる棚の少し上の結構な角度の斜面を造成、建設されました(^^;


1本目のコースセッターは、MARUYAMA Koheiさん。

お初に目にするお名前ですなぁ....(^^;

まるやまこうへいさん....地元白馬でコーチ活動されている方なんでしょうか?

どんなセットを立てられたのか、大変興味があります(^^


ゲート数48、ターン数45。

標高に対するターン数は33%。

それなりのターン数ですな(^^

でもまあ、45ターンだったらそんなにしんどいこともないかな?


問題はコンディションです。

1本目の公式記録には天候などは出ていませんので、

気象台白馬観測所のデータを参考にすると....

0900時点で、気温+5.6℃、微風、快晴ということですので、

それはそれはポカポカと暖かい朝ですなぁ(^^;


当然、雪質はおなじみ「Spring condition(春の状態)」でしょう。

前夜も冷え込んでいなかったようですから....

はあ、目に映るようですねぇ....


ザラザラの悪雪、雪面に張り付く滑走面、

アウトリガーは雪面に深く突き刺さるし、

掘っていけばどこまでも深く掘り進むことが出来るでしょう(^^;


ゲート沿い、もちろん掘れてくるでしょうけども、

もっと気をつけなければならないのが、

ヘアピンやストレートといった「リズム変化」の入り口です。


こういったところはターン弧がとても小さくなりますから、

その掘れ方も半端ありません(^^;


インスペクションでは、ラインを読むことはもちろんですが、

そのライン沿いの掘れ方も予想しなくてはならないでしようね。


溝に逆らって進入した日にゃ、エッジをとられて、

あさっての方向にぶっ飛んでいくことになるでしょう♪

溝を嫌って大回りしても、ライン外側の雪だまりに突っ込むし....


いちばんいい滑り方は、溝に逆らわずに、まるで水が流れるように滑っていくこと。

もしくは、ラインの最内を抉るように、まっすぐまっすぐ滑ることです(^^

ええ、もちろんσ(^^はそんなこと出来ません♪


では、1本目のスタート順をおさらいです!


ビブ(ゼッケン)ナンバー1、女子Standing(立位)高桑美希選手

ビブ2番、女子Sitting(チェアスキー)村岡桃佳選手

以下、3番奥山楽良選手、4番梅野裕理選手、5番大日方選手と続きます。


男子Standing

ビブ11番小池岳太選手、10番三澤拓選手、12番伊藤史雄選手、13番山崎福太郎選手

   14番春日寛人選手、16番飯沼安弘選手、そして15番阿部敏弘選手の順。


Sittingは、18番狩野亮選手、20番森井大輝選手、21番谷口彰選手、17番鈴木猛史選手

 19番夏目堅司選手、23番BUDGE Lincoln選手(AUS)、22番PARK Jong Seork選手(KOR)

 24番LEE Chi Won選手(KOR)、25番今野英樹選手となっています。


いつもσ(^^は、スタートの早い女子選手が羨ましくてしようがありませんでした。

だって、コースの荒れがほとんど無いんですからね。


σ(^^が荒れていない雪面で、

ナショナルチームのメンバーは荒れまくったところでレースすることになれば、

少しはいい勝負が....いや、それでも勝てないかな?(^^;ソンナコトハドウデモイイ....


でもこの日は、女子選手といえども、きっと綺麗な雪面ではなかったでしょうね。

たぶん、前走の3人で十分に掘れていたと思いますよ。

それ以前に、インスペクションでも「うねり」が入っていたはずでしょうしね....


何にせよ、重力に、自然に逆らわずに、攻め気を忘れずに滑ることです♪


さあ1本目、まずは女子選手!

まずはStandingSittingともに全員がフィニッシュ!

難しいコンディションでは、やはり経験がものをいったか。

大日方選手が貫禄のぶっちぎり!


男子はどうだ?

なんとなんと、Standing小池選手が!Sitting森井選手がコースアウト!

LEE選手はラスト3旗門目をDisqualified(旗門不通過)!

小池、森井の両選手は、ソチパラリンピックに見立てたこのコンディションで、

きっちりと全開走行をしたんでしょうね。

つまり、伸るか反るかの大バクチ!


でも、このふたりならば、ただ吹っ飛んだだけでなく、

しっかりと次に繋がる材料を仕入れたはずです。


この難しいコースを攻めきったレーサーたちの結果、1本目はこうなりました!

女子
Standing

高桑美紀選手 1位

Sitting

大日方邦子選手 1位
村岡桃佳選手 2位
奥山楽良選手 3位
梅野裕理選手 4位

男子
Standing

三澤拓選手 1位
阿部敏弘選手 2位
飯沼安弘選手 3位
伊藤史雄選手 4位
山崎福太郎選手 5位
春日寛人選手 6位
小池岳太選手 DNF

男子
Sitting

鈴木猛史選手 1位
狩野亮選手 2位
夏目堅司選手 3位
谷口彰選手 4位
BUDGE Lincoln選手(AUS) 5位
今野英樹選手 6位
森井大輝選手 DNF
LEE Chi Won選手 DQ


いやいや、こうやってみるとやっぱり厳しいコンディション。

引き出しの数の多さの順に並んだ感がありますかね(^^;

とはいえ、男子Sittingは小さな差。

さすが層の厚いSittingチームです♪


2本目に向けて、着々と準備が進んでいきますが、気温も着々と上がっていきます。

スタート地点、フィニッシュ地点共に+10℃。

もう、ため息しか出ない暖かさです♪


スタートの方向は大きく角度が付けられ、

1本目のラインとかぶらないようにコースが設定されました。

そのセッターは切久保コーチが勤めます。

ゲート数、ターン数も共に1本目と同じ数。


改めて見てみると、1本目のラインはクレーターのように抉れています。

2本目の滑走中、こんなクレーターに落ち込んでしまうと考えたら....ガクブルですな(^^;


さあ、2本目は、泣いても笑っても今期最後のランです。

明日からは、来期のために使う時間!

すべてを出し切った最終結果はこうなりました!!


女子
Stabding

DQ高桑美希選手

Sitting

優勝 大日方邦子選手
2位 奥山楽良選手
3位 梅野裕理選手
DQ 村岡桃佳選手

男子
Standing

優勝 三澤拓選手 
2位 阿部敏弘選手
3位 飯沼安弘選手
4位 山崎福太郎選手
5位 伊藤史雄選手
6位 春日寛人選手

Sitting

優勝 鈴木猛史選手
2位 狩野亮選手
3位 BUDGE Lincoln選手(AUS)
4位 今野英樹選手
DNF 夏目堅司選手
    谷口彰選手


以上、この難しい状況の中、みなさんお疲れ様でした!(^^

興味深かったのは、女子の高桑、村岡の両選手は、

全く同じゲートでDQだったんですね。

28番ゲート....何があったんだろう?


28番っつったら、咲花ウェーブのふたつ目を越えるかどうかのあたりでしょうか。

先の見えないところでスキーが叩かれてラインを外しちゃったか、

ヘアピンやストレートなんかがあって、重なっているゲートを通りきれなかったか....

なんにせよ、「何か」あったんでしょうね(^^;


三澤選手は、極めて高いレベルで2本ともタイムを揃えて圧勝。

鈴木選手は、さらに速いタイムを叩き出しています。

このふたりにはきっと、雪面の溝なんて関係ないんでしょうかね(^^;

フタを開けてみれば、ふたりのスラローマーの完勝でした(^^


これで今シーズンのすべての予定は終了。

夜が明ければもう、「パラリンピックシーズン」が始まります。


ソチの期間中、ジャパンチームでは柔らかすぎる雪面を想定しているそうです。

あと少しの間の、春の「ザク雪」はソチを想定するトレーニングにはもってこい♪

みんなはどのように調整していくのかな?


ソチに行かない選手たちだって、

ゲレンデのクローズまでにしなければいけないことはいっぱいあるはず。


実はこの時期は、レーサーにとって本当に重要な時期なんですよ(^^

来期は、もっともっとレベルアップした滑りを見せてくださいね♪


しかしまあ、σ(^^も頑張りました!

だらだらだらだらと、ひと様の読み易さなんてお構いなしのこの連載も、

とうとう最後までσ(^^;のスタイルを貫き通しました。


最後までお読みいただいた方には、心からお礼申し上げます♪

こんな文体と文字量に辟易された方には、謹んでお詫び申し上げます(^^;


お詫びはしますが、なんせ文章力のないσ(^^ですので、

きっと来期もマイペースに綴るはずです。どうかご了承の程を♪


「我々スキーヤーにとって、大晦日はシーズンの最終日だ」

かつての恩師、元ジャパンナショナルコーチの伴一彦氏の金言です。

これでσ(^^も新しい年を始めることが出来るぞ♪

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