一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年3月27日水曜日

何よりも楽しみな時間....


年度魔Ⅱですなぁ....(^^

世の中はさぞかし忙しないことでしょうね。


かくいうσ(^^は人事異動もかからず、

昇任試験にも落っこちて、

仕事柄年度越えの事務もなく....

まるで何事もなかったかのように日々を過ごすこととなりました♪


どんなに忙しい日々よりも、

何事もない方が苦痛きわまりないσ(^^の性分ですので、

何かシゲキを求めて彷徨う事にしています。


さて、そんなσ(^^にとってささやかなシゲキは、毎度おなじみの連載、

「山本新之介のジャパラをまるで見てきたような観戦記」を書くこと。

これを書いている間の完全な現実逃避は、ヨダレものの時間なんです(^^


どんなに不評でも、この時間は誰にも邪魔をさせない♪


てことで、始めますよ(^^

「ジャパンパラ冬季競技大会アルペンスキー競技(通称:ジャパラ)」は第3日目(23日)。

この日はGiant Slalom(大回転:GS)が開催されました。


ところで、σ(^^にとってはGSという種目は特別なものなんです。


障害者アルペンスキーでは、

世界を狙うのであれば、

オールラウンダーたるべし!

という考え方で取り組まれています。


が、本音を言えば、来る日も来る日もGSをやりたい!と思ってしました。

まあ、そんなこと出来るわけありませんでしたが(^^;


なんで、そうまで思うのかって、理屈じゃないんですよね。

なんというか、競技の「リズム」がσ(^^のそれとぴったりはまったと言いましょうか、
 
物理で言う「共振」というヤツですか?


たいていの物質の場合、共振は悪影響を与えるだけのものなのですが、

σ(^^の気持ちとGSのリズムが共振した時、

頭が真っ白になるほどの気持ちよさに包まれるのです。

まあ、滑りそのものはそんなに大したことなかったのですがね(^^;


100km/hオーバーで駆け下りるレーサーは英雄ですし、

スーパースラローマーの正確無比な滑りには惚れ惚れします。

しかし、もっとも魅力を感じるのは「無敵のGSマイスター」(^^


そんな存在に非常に憧れていますし、そんなレーサーになりたかった♪

まあ、夢物語の無い物ねだりですが(^^;


そんな特別な思いがあるものですから、

リザルトを見るのも特別な感情がわきます。


今日の「見てきたような」シリーズは、「聖地」八方でのGSレース。

いつも以上に気持ちを込めて書いていきますよ!


まずはリザルトをご覧ください。

IPCフォーマット(男子)

国内格式(男子女子


前日は春の暖かな日差しに包まれた白馬でしたが、

前夜未明から東日本上空に発生した低気圧によって、北よりの風が吹き始めました。
         ↑リンク切れ注意
でも、冷え込むというほどではなく、日が差さなかったという程度。


溶けたザラメ雪。

手で雪玉を作ってもすぐに崩れてしまいます。

あまりいい条件のコースにはならなかったことでしよう。

残念(^^;


1本目、スタート地点で「Mostly cloudy(ほとんど雲り)」

雪質は「Compact(締まっている)」気温が0℃

フィニッシュ地点では、天候は同じ「Mostly cloudy」

雪質が「Spring Conditions(春の状態)」+1℃

....面白くねーなぁ(^^;


スタート標高は1,190m。GSのスタート地点はタテッコの一番上の部分です。

天気が良ければ白馬村の町並みと向こう正面の山々が、

本当にすてきな光景を見せてくれるのですが....

標高904mのフィニッシュエリアも、なんだかどんよりとしています。


....ダメだダメだ。

こんなネガティブな書き方だと、

そんなレースの何が楽しいのか?なんて思われそうですね(^^;


コースセッターは、ジャパンチームの志渡コーチ

ゲート数34、ターン数32

標高差289mに対して11.9%、ルール上はかなりターンが少なめのコース設定です。

ターン数が少なめということは、雪面を荒らさないようにしたということ。

それはつまり、スピードが出るセットだということです。


まあ、荒れないといっても「比較的」という程度であって、

柔らかい雪は必ず荒れていくんですけどね(^^;


コース上の雪質、「Compact」から「Spring condition」に変わるのはどのあたりかな?

多分、タテッコの中間あたりから下じゃなかったろうか?


スタートから3旗門目までは多分、それなりにいい雪でしょう。

3~4ターンで最高速まで持って行き、

リズム良く滑って9旗門目あたりに現れる2ゲート1ターン(スルーゲート)。

ここでさらに気分良く行こうとした途端に、雪面の荒れがひどくなる!(^^;


硫安でまだらになった雪面が細かいうねりを作り出し、

掘り進められた雪はラインの外側にたまっていきます。

少しでもラインを外そうものなら、雪だまりに足を掬われてしまうでしょう。


荒れた雪面でコントロールしようとしても、

慣性で移動しているスキーはそう簡単に向きが変わらない。


雪面に叩かれる → ラインを守ろうとする → コントロール(したつもり)

→ ラインが外れる → 雪面に叩かれる → エンドレス....


こんな時、ひとつだけ秘訣があるのです。

それは「何がなんでも、どんなことがあろうとも、スキーを落下方向に向け続けること」です。


そうすれば、雪面に叩かれたスキーも、

エッジに任せてきれいなラインを描いていくことでしよう。

人間の仕事は、エッジが雪面から外れないように乗り続けるだけ。


それを踏まえて、インスペクション(コース下見)の時間をどのように過ごしたか?

準備万端の選手たち、そのスタート順をご紹介しましょう!


この日から技術系種目ですので、エントリーが増えております。

トップスタートは女子Standing(立位)高桑美希選手。お初でよろしくです(^^

ひとりだけですが、久しぶりのStandingレーサーです♪


Sitting(チェアスキー)はビブ(ゼッケン)2番の村岡桃佳選手から。

3番スタートは、奥山楽良選手。そして、大日方選手、梅野裕理選手と続きます。

奥山選手梅野選手チェアスキーチャンピオンシップにも出場されていました。

若手のエントリーが増えるのは嬉しいことです(^^


以下、ID(知的障害)クラスD(聴覚障害)クラス

男子Visually Impaired(視覚障害:VI)クラスときて、

男子Standingはその後。


ビブ11番小池岳太選手12番三澤拓選手13番伊藤史雄選手

   14番山崎福太郎選手15番春日寛人選手16番飯沼安弘選手

   そして17番阿部敏弘選手の順。


春日選手も随分と長い間活動されていますね(^^

飯沼選手はお久しぶり♪

飯沼選手とは、2007ファーイーストカップ(コンチネンタルカップ)韓国大会でご一緒しました。

初めての海外レース、初めての-18℃、初めてのカジノ....

わいわいと楽しんで遠征したいい思い出も6年も前の話になるんですねぇ(^^

お元気そうで何よりです♪


男子Sittingは、18番森井大輝選手、19番鈴木猛史選手、20番夏目堅司選手

          21番狩野亮選手、22番BUDGE Lincoln選手(AUS)

          23番PARK Jong Seork選手(KOR)、24番LEE Chi Won選手(KOR)

          25番今野英樹選手


....あれれれ?

谷口選手の名前がない?

どうしちゃったのかなぁ?(^^;

そして、PARK選手Did not start(不出走)のようです。


このあと、男子もID、Dと続きます。


さて、エントリーも増え、賑やかになった女子クラス♪

どんよりとした曇り空の下ですが、なんだか華やかでいいですな♪

現地に行けなかったことが、
本当に悔やまれます(^^オイオイ....


先日までのSuper-G(スーパー大回転:SG)SuperCombi(スーパー複合:SC)と、

大日方選手のタイムに絡んできた村岡選手

この日のGSはどうなった?

そして、ニューカマーたちの滑りやいかに?


男子Standing、Sitting、連日の大接戦はこの日も続くのか?

1本目の結果はこうなった!(^^


女子
Standing

高桑美紀選手 1位

Sitting

村岡桃佳選手 1位
大日方邦子選手 2位
奥山楽良選手 3位
梅野裕理選手 4位

男子
Standing

小池岳太選手 1位
三澤拓選手 2位
阿部敏弘選手 3位
伊藤史雄選手 4位
山崎福太郎選手 5位
飯沼安弘選手 6位

Sitting
鈴木猛史選手 1位 
森井大輝選手 2位
夏目堅司選手 3位
狩野亮選手 4位
BUDGE Lincoln選手(AUS) 5位
LEE Chi Won選手(KOR) 6位
今野英樹選手 7位

となりました。


やっぱりやってくれました♪村岡選手!(^^

1本目、大日方選手に0.51秒の僅差ですがリードしました!

もしかして?もしかするの??(^^


男子Standingは、いつまでも絡み続けますなぁ。
 
小池選手と三澤選手の差は0.25秒

この競り合いに決着が付くことはあるのか?


男子Sittingは、ワールドカップ総合タイトルをひっさげた鈴木選手が、

森井選手を1.04秒突き放してのラップ(トップタイム)!

3位の夏目選手とは2.59秒も!

今シーズンは最後まで手が付けられない男なのか?(^^


こんなに結果が楽しみなジャパラは久しぶりです♪

早く2本目を始めろい(^^マア、ソンナアセルナ....


2本目、少し天候が回復しました。

「Partly Cloudy(所どころ雲)」ですから、「Mostly cloudy」よりマシになったということ。

しかしあれですね、よく目にする「Partly cloudy」という言葉ですが、いつまでも馴染めません(^^;

頭が日本語に凝り固まっている証拠ですな....


スタート地点の気温は+1.5℃フィニッシュ地点は+3℃

雪質は、お約束の「Spring conditions」です。

もう、イヤになりますね(^^;


2本目のコースセッターは切久保コーチ。

ゲート数35、ターン数32。

対標高差は1本目と同じ11.9%。


多分、コースが荒れまくって、

同じリズムで左右を逆にする立て方しかできなかったのでは?と思います。


ゲートがひとつ増えてターンの数は同じということは、

スルーゲートがひとつ増えたということ。

それはどこかなぁ....


思うに、1本目はタテッコ中間にひとつと、

フィニッシュ前の緩斜面にひとつ、スルーゲートがあったと思うんですよ。


で、もうひとつスルーゲートが増えたとしたら、きっと馬留めジャンプ前かな?

あの場所でしっかりターンさせるセットだと、結構荒れるんですよね(^^;


午後になってグスグスに緩んだ雪面、

「タテッコ」でスピードをつけて「馬留め」で飛ぶ直前、

ボッコリと穴が空いていたらキケンキケン....(^^;


続く「咲花ウェーブ」は緩斜面。

雪面がよくないのでスピードも出ない。

それならばなおさら、馬留め前でスピードダウンをさせられない。

多分、追加のスルーはこの馬留め場所でしょう♪

なんか、このセットが目に浮かぶようです....ああ、滑りてぇ(^^


2本目のスタート順は、各クラスごとに1本目の順位を逆転させます。

女子のトップバッターはStanding高桑選手

ひとりしかエントリーのないクラスなので、順番を逆転も何もないのですが(^^;


レースそのものは張り合いがないのかも知れませんが、

滑っている瞬間だけはコースを独り占めしているという快感と、

他のクラスとのタイム差を意識して滑って欲しいものです♪


女子2番機は村岡選手

以下、梅野選手奥山選手大日方選手と続きます。

ちょっとまて(^^;女子は1本目タイムの逆順じゃないじゃん!


ややこしいことですが....

この大会は、IPCカテゴリーの選手国内戦の選手が混走になっています。

全選手の順位を一律にひっくり返したら、IPCレーサーにとっては少々不利になります。


ですので、順番はIPC選手→国内選手になっているようで(^^;

昨日までは気がつきませんでしたが、どうもそういうことらしいです。

こんなややこしいことにならないように、みんなでIPCの登録をしておきましょう!(^^


男子Standingは全員がIPC登録者。

飯沼選手、山崎選手、伊藤選手、三澤選手、小池選手の順。


男子Sitting

LEE選手(KOR)、BUDGE選手(AUS)、狩野選手、夏目選手、森井選手、鈴木選手、

最後に国内組の今野選手。以上の順番になっています。


さあ、いよいよ決戦の2本目が始まりました!


村岡選手は、その前にスタートした高桑選手の背中を見ていました。

スタートハウスからその姿が見えるのは2旗門目の先まで。


誰もいなくなった視界。

後に控える大日方選手との差0.51秒に意識が移る。


きっと、追い上げられる。でも必ず突き放してみせる。

小さな体からあふれ出す闘志をまとい、村岡選手は静かにスタートを切りました。


45秒の間隔を開け梅野選手、そのまた45秒後には奥山選手がスタート。


大日方選手は、少し首をかしげました。

フィニッシュした選手のタイムは、大会アナウンスで流れてきます。

しかし、村岡選手の名前はまだ告げられていないのです。


「....やっちゃったかな?」

小さくつぶやいた元女王は、ライバルのいなくなったコースに出て行きました....


競り合いの中、先に仕掛けるのが有利なのか、後攻めの方がやりやすいのか。

どちらかは、それぞれの好みによるでしょう。

でも、コイントスのないアルペンでは、スタートの順番は選べません。

先に出るならそれなりに気持ちを作らなければなりません。


この時、三澤選手はどんなことを思っていたでしょうか。

すぐ後に控える小池選手とは0.25秒差。

負けられない。ただその思いひとつを背負ってスタートします。


一方の小池選手

ミスとも言えないロスひとつで逆転されてしまうマージンしか持っていません。

コース上では、すぐ後にいる三澤選手の影、プレッシャーと戦うのです。

ふたりの決着はどうなる....?


1本目、快走を見せた鈴木選手

荒れた雪面状況なら、体幹の効くLW12/2の選手が有利なんてのは、

ジャパンチームの実力を知らない人が言うセリフ。

そんなレベルを超えたところで戦ってきたチームメイトの能力を、

鈴木選手はよくよく理解しています。


きっとどんなマージンもあっさりとひっくり返されることは経験済み。

チームメイトの恐ろしさはチームメイトでしかわからない。

この仲間と戦っている間は、常に持ち続ける恐怖心でしょう。


大会アナウンスで流れるフィニッシュ後のタイムが聞けたのは、

ふたり前にスタートした夏目選手まで。

鈴木選手を脅かすタイムは、まだ出ていません。


しかし、最も恐ろしい相手はすぐ目の前にいます。

鈴木選手がコースに入った時、森井選手はまだフィニッシュしていない。

結局、アルペンレースの帰結は自分自身との戦いにつきるのです。


スタート後の3旗門目。

ここのアプローチと同時に、コースの全景が視界にあふれます。

はるか先には、馬留めジャンプをクリアする森井選手


あの背中に追いつく!そうすれば負けることはない!

タテッコの急斜面も、海外のゲレンデに比べればそんなに威圧感はない。

荒れた雪面だって、嫌いじゃない。


ライン上の溝に惑わされることなく、スキーをラインに沿わせて落ちていく。

どんなに叩かれ暴れても、絶対に暴走させない自信がある。

ほんのわずかな重心移動で暴れ狂うチェアスキーを手なずける。


馬留めが見えてきた。

新たに立てられたスルーゲート。

やさしく、逆らわずに、そしてスピードは殺さない。


馬留め。

ターン方向は右から左へ。

この方向を間違えば勝負は終わる。


右ターンでスルーゲートをクリアしながら、上体は馬留めの向こうを狙う。

ゲートをかすめ飛び出した時、誰よりも理想のラインをとれたことを確信する。


咲花ウェーブを超えていく。

見え隠れしていたフィニッシュエリアが大きくなってくる。


あと3ターン。

森井選手が見ているのがわかる。

みんなが見ているのがわかる。


アウトリガーを突きだし、見えないフィニッシュラインを断ち切る....

勝ったのはどっちだ....?


では、GSの最終結果です!(^^


女子
Stabding

優勝 高桑美希選手

Stting

優勝 大日方邦子選手
2位 奥山楽良選手
3位 梅野裕理選手
DNF 村岡桃佳選手


男子
Standing

優勝 三澤拓選手
2位 小池岳太選手
3位 阿部敏弘選手
4位 伊藤史雄選手
5位 山崎福太郎選手

Sitting

優勝 鈴木猛史選手
2位 森井大輝選手
3位 夏目堅司選手
4位 狩野亮選手
5位 BUDGE Lincoln選手(AUS)
6位 LEE Chi Won選手(KOR)
7位 今野英樹選手

となりました。


村岡選手、きっと攻め続けたんでしょうね(^^

大日方選手と競り合うことの厳しさをかみしめていることでしょう。


大日方選手の偉大さは、タイムを2本ともしっかり揃えられたことでしょう。

難しい状況の中、さすがベテランといったところでしょうか(^^


男子Standingは、三澤選手が逆転!

小池選手は、ほんの少し後れを取った!
 
最終のタイム差は、0.68秒!


男子Stting

2本目は、森井選手にラップを奪われた鈴木選手でしたが、

1本目のマージンは、それを補ってなお余裕がありました!
 
余裕があると言っても、その差はたかだか0.66秒....

それは余裕なのか???(^^;


σ(^^はこれまで経験したことがないのですが、

「コンマ以下の戦い」って、どんな感じなんでしょうかねぇ....

小数点以下なんて、体重計に乗ったときの一喜一憂しか経験ありません(^^;


でも、これがこの世界の現実です。

けっして、実感出来ることなんてないでしょうけどね....♪


さあ、いよいよ次でジャパラも最終回!

これでシーズンオフになります!

その最後の最後のドラマは、何が待っているのか?

乞うご期待!(^^


....てか、もう結果は出てるんだけどね(^^;

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメント、ありがとうございます。