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2013年1月24日木曜日

そのまま帰国と思ってた....


先日から、障害者アルペンスキーワールドカップを、

リザルトの情報だけを頼りに「まるで見てきたよう」に書き綴ってきました。


ジャパンナショナルチームは、前半戦終了後そのまま帰国と思っていたのですが、

貪欲な戦士たちは、カテゴリーレベルがひとつ低いEuropa Cupに参戦しているようです(^^

これまでまだ開催のない、高速系種目への「足馴らし」だとか。


開催地はItalyTarvisio

種目はDownHill(DH:滑降)SuperCombi(SC:スーパーコンビ)


高速系のレースは何本ものゲレンデを封鎖して、

徹底的に安全を確保した上で開催されますので、

そうそうトレーニングが出来るものでもありません。

正直、「ぶっつけ本番」でレースをする選手も多いでしょう。


ですので、ワールドカッパーともなれば、

カテゴリーレベルの低いレースへ「練習」のためにエントリーすることもあります。


特にDHは、「スポーツ」という枠を「突き抜けたレベル」でのスピードと危険があるので、

他のアルペン種目とは異なる運営がされています。


コースインスペクション(下見)でしっかりコースを見極めるのはいつもと同じなのですが、

DHではTrainning Runが設定されています。


このタルビシオ大会での当初の予定では、

21日~22日に1本ずつトレーニングラン、

23日~24日に1本ずつのレースでした。


4日間4本のランはいずれも全く同じコースで設定され、

日によって滑り方が変わるということはありません。

コースに慣れる分、選手たちはスピードの限界に挑むことが出来るので、

まさに「非現実的」なレースが展開されるのです(^^


イギリスではF1パイロットが英雄であるのと同じように、

ヨーロッパではDHレーサーがリスペクトされています


さあ、蘊蓄はこのぐらいにしておいて(^^;

リザルトを見ていきましょう!


とは言いましても、悪天候かなんなのか現地では予定が変更されています。

21日~22日はキャンセル、23日はトレーニングランの日となったようです。


DHではトレーニングランにもリザルトが出るんですよ(^^
              (1本目リザルト2本目リザルト


使用されたコースは、スタート標高1,300mフィニッシュ標高845m標高差が450m


コースセッターはイタリアチームのコーチが勤めました。

ゲート数が29、ターン数は公表されていません。


DHはゲートでコースを作ると言うより、斜面なりに滑り降りていくレースです。

ゲートの役目はターンをさせるのではなく、コースを「案内」するためのもの。

ルールに、DHのゲート数は「必要に応じて」と書いてあるのも納得です(^^


ちなみにDHの標高差、

ルールではワールドカップで450m~800m

       ヨーロッパカップでは400m~800m

いずれにしても、えらい高さから落ちてくるもんですなぁ....(^^;


天候は薄曇り、気温は0℃。

DHのような高速系種目では、低すぎる気温の空気が強制的に肺まで送られますので、

呼吸器系にダメージを受けることもあります。

だから、寒すぎないのはいいことかな?


では、この日のトレーニングランの結果をご紹介!


MEN'S DOWNHILL TRAINING1

Standingクラス
16位小池岳太選手
23位三澤拓選手

Sittingクラス
2位森井大輝選手
5位鈴木猛史選手
8位狩野亮選手
10位夏目堅司選手

1本目は14カ国54名のエントリーがありました。

なお、レース本番ではないので、リザルトにポイントは記載されません。


立て続けに2本目もいきましょう(^^

MEN'S DOWNHILL TRAINING2

Standingクラス
16位小池岳太選手
21位三澤拓選手

Sittingクラス
1位狩野亮選手
2位森井大輝選手
6位鈴木猛史選手
10位夏目堅司選手

1本目と同じ、14カ国54名のエントリーでした。


みんな、2本目はしっかりとタイムを削ってきていますね。

特に狩野選手はすごい(^^

2本目、中間計時、フィニッシュともにトップタイムで降りてきました。


「IT1」の欄、カッコ書き付きのあるタイムは、

「Interval Time1(中間計時)」として計測されています。


狩野選手本人は嫌がる言い方かも知れませんが、

ジャパンのスピードキングは健在です(^^


森井選手も2本とも安定した順位を出していて、

オールラウンダーの本領発揮が期待出来ますね♪


さて、このDHという競技、その凄さをいちばん実感出来るのはコース脇で見ることですが、

こちらではリザルトの文字しか見られません(^^;

「まるで見てきたように」感じるには、少し工夫が要ります。


計算しましょう♪

例えば、2本目Sittingクラストップの狩野選手の滑り。

450mの標高を1分5秒60で降りてきました。

これは係数での計算タイムですから、逆算した実測タイムは 1分18秒72。

この実測タイムで計算した平均秒速は5.71m/secです。

1秒あたり、2階の高さから地面までとほぼ同じ高さを落ちていきます。


重力加速度が約9.8m/sec.sec.ですから、

落下速度でいえば、0.6秒ほど落ちた頃のスピードということですな。

この時の平均時速は約20km/h


あれ?この程度のスピード?なんて言わないでくださいね(^^;

これは垂直に落ちただけのスピード。

コースは斜面ですから、もっと長い距離をもっと速いスピードで移動しているわけです。


例えばコースの平均斜度が20度であれば、そのスピードは100km/h

25度でも80km/hの速度が出ていることになります。


生身で100km/hのスピードで「何か」に突っ込んだら、きっと痛いに違いない。
                                    イタイナンカデスムモノカ(^^;


コントロールの出来る乗り物、例えばバイクの「100km/h」はきっと「快適」なスピードでしょう。

ところが、ブレーキ装置もハンドルもないスキーの「100km/h」は?


高いところから3秒ほど落ちたとき(空気抵抗のない場合)に出ているスピードが「100km/h」

ちなみに、自由落下で「100km/h」を出そうと思えば、約40m以上の高さが必要です♪


DHレーサーが「英雄」といわれる理由が、これで少しわかりますよね(^^

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