一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2011年7月19日火曜日

防災(連載):『その時』の....

いつもの連載に入る前に....


台風6号が猛威をふるっています。

避難勧告が出ている地域もあります。

暴風雨が来ている地域にお住まいの方は、

正しい情報を元に、慎重に行動をしてくださいね。


また、風雨が収まっても、

河川の増水や土砂災害の危険はしばらく残ります。

どうか、お気をつけて頂きますよう....


では、連載再開です。


....非常時はアドレナリンのせいで弱い痛覚は感じない。

体の機能を奪われたような酷い痛みもない。

暗闇。

何ひとつ、視認できるものはない。


おそらく、ありとあらゆるものが位置を見失っているのだろう。

転がっているダンベル。

ここになかったものだという事だけはわかる。


非常用に備えていたマグライト。

まず、こいつに出会えたことが僥倖。

昨日、電池の確認をしたところ。


浮かび上がる惨状。

外からは大きな声が聞こえてくる。

助けを求める声だ。


妻への呼びかけに短い返事が返ってきた。

どこからか首輪の鈴の音も聞こえた。

体中から力が抜けそうだ。


義足を掘り出す。

履くことには手間取らなかった。

何年も付きあってきた相棒だ。

これでようやく身動きがとれる。


マグライトは、少しずつ現状を知らせてくれた。

家の倒壊はないようだ。

はっきりと聞こえる外部の音が、

どこかガラスが割れていることを示していた。


マグライトが妻の顔も浮かび上がる。

ちょっと腰を抜かしたようだが、

光を見て安心した表情から無傷だと感じられた。

無事を喜び合う。

落下物が極力少なくなるよう取り組んだ成果だ。


電気はまだ復旧していない。

それを待つわけにもいかない。

玄関で靴を履く。

家の中とはいえ裸足では危ない。


ブレーカーを落とす。

大地震の後のセオリー。

ヴィヴィオにはミニマグライトもある。

妻に手渡し、家の中を手分けして確認した。


にゃあの保護は手間取らなかった。

「避難準備OK!」と言わんばかりに、

自らケージに入っている。


妻とにゃあの再会は、

夫婦の無事を確認しあった時よりも情熱的であった。

被害の確認作業を急いだのは、

その再会に嫉妬したわけではない。

絶対に。


当然、水は出ない。

案の定、トイレは流せない。

我が家には、都市ガスは来ていない。

巨大なプロパンガスのボンベは、土俵際で残っている。

ガス漏れもなさそうである。

ボンベのコックは、とりあえず閉じた。


我が家の損害は少ない。

家族は無傷。

こんなにうれしいことはない。

普段から気にとめていた事は、間違いではなかった。

しかし、このあとの72時間は、まさに地獄となるのだ....


と、まずは家にいる時を想定して、

「その時」直後を書いてみました。

こんなに少ない被害で終わるとは思えないのですが(^^;


次回はこのパラレルワールド。

「通勤途中はどうなの?」





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