おさらいしておきます。
スキーの滑走面と雪の間に水の膜が出来る場合は、
ロータス効果を狙った滑走面を作ります。
滑走面の素材は「ポリエチレン」の一種、
ベースワックスはポリエチレンとなじみやすい「パラフィン」が原料、
「ポリ」に「パラ」を溶かしてなじませ、しっかりと堅い滑走面を作る。
さらにトップといわれる「フッ素」を使ったワックスを塗り、
フラクタル面に限りなく近い表面にする。
それがどこまでフラクタっているかは、メーカーの技術ということです。
もちろん表面に汚れやゴミがついてしまうと、撥水性は減少します。
以上、水という物質がその融点より高い温度を持っている場合の、
「滑るスキー」の作り方でした。
では、水の「融点」、
つまり摂氏0度以下での温度の場合はどうなのか?
という疑問がわいてきます。
スキーが滑る摩擦熱で、雪から溶けた水分が....
という説明を聞いたことがあります。
でも、雪を溶かして、撥水性を利用することが出来る水分を発生させるには、
どれだけの熱が必要なのかな?
冷凍庫の氷を指で押さえて、「水」を感じるにはどのぐらい時間が必要でしょう。
確かに、滑走中には多少の摩擦熱は発生するでしょうが、
熱は温度の低い方へ吸収されやすい性質があります。
つまり冷やされ続けるスキーの滑走面が、
雪をたっぷり溶かすほどの熱を持つことは、
まずあり得ないような気がします。
仮にそれだけの熱を発生させる滑走面には、
どれだけの抵抗を持たさなくてはいけないのか?
限りなく抵抗の少ない滑走面を作るという、
スキーチューンの原則とは正反対の作業ですね。
では、水が融点以下の温度の時、なぜ滑るのか?
次回「溶けてなくて氷の状態なのに性質は水、だけど水じゃない」
使ってみます。
返信削除